2013年07月31日

『放課後四重奏(カルテット) 2』

高木幸一 先生が贈る青春ラブコメディ、第2巻はしつこく迫る水泳部男子をかわすために
“灰堂”のことを彼氏と宣言してしまった“空上”の一言が思わぬ流れを生み出します。
 (イラスト:ぜろきち 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797374636.html


“灰堂”は自覚していないだけであんな甘いセリフを吐けるので“空上”が誤解するくらい
には「たらしレベル」が高いと言わざるを得ません。何の因果か“菜花”や“草ヶ部”との
交互デートに突入してしまうあたりのやりとりは素晴らしいラブコメ具合でございました。

“鮫島”に問い詰められて言い返せなかった“灰堂”が自分の気持ちを見つめ直し、自分と
違うSL会のメンバーと共に居る意味を認識したところは彼の人としての成長であると示すに
足る情景でした。彼はまだ恋に落ちていないかも知れませんがいずれそうなる日も近いかと。

“峰”の先制アタックはあったにせよ“青”“心月”“詩織”“深樹”と名前で呼び合う仲
となるくらいには負けじと好感度を上げてきているSL会女性陣。絶妙なバランスにおいて
成り立つ関係にまた一歩足を踏み出した彼女の想いはどう作用するか。次巻も注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月30日

『GJ部 中等部(6)』

新木伸 先生が贈る四コマ小説。第6巻は活動拠点を移した“霞”たちが贈る2年目の夏を
中心に綴られます。賑やかな日々の中に見える驚きや発見に一喜一憂する姿をご覧あれ。
(イラスト/あるや 先生)

http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solc_dtl?isbn=9784094514254


性的な発言が突如目立つようになった“ケンケン”。“霞”たちも驚かされ、困惑したり
しております。成人社会でしたら確実にセクハラ認定の言動を見せるようになった理由は
“ジンジン”が指摘した一般的かつ普遍的な行動によるものなのか、気になります。

その一方で、ファストフード店でだべる“小手指”さんと“ジンジン”の様子を見ている
と、夢破れた“小手指”さんがなし崩し的に“ジンジン”とくっつく未来の可能性もある
のではないかと思ったり。「スマホ番長」は何か思う所があるのかどうかも気になります。

今巻では『明るい家族砲計画っ!』より「恋愛師匠」として“東雲理央”が登場。時間軸
としては3年くらい経ってるのかと思うと感慨深いものが。“霞”たちの心情を的確に突く
様子はESPそのものでまさにミステリアスです。髪留めは変えてないのか、とか思ったり。

posted by 秋野ソラ at 01:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月29日

『とある飛空士への誓約3』

犬村小六 先生が贈る飛空士たちの恋と空戦の物語。「誓約」第3巻は“ミオ”の生い立ち
と現状、そして「ハチドリ」との関係がつまびらかになり、物悲しさを誘ってきます。
(イラスト/森沢晴行 先生

http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solc_dtl?isbn=9784094514285


切なすぎる。親の思惑、大人の事情、そして世界情勢。ありとあらゆる外的要因が元で
生きる道を狂わされたとしか言いようが無い“ミオ”が、その機微が、そして生き様が。
そして最後は歴史から「裏切り者」の烙印を押されることになるという悲劇が本当に。

彼女の悲痛なまでの決意を受け取った“清顕”がどう動くのか注目です。その“清顕”は
“イリア”と戦友以上の関係を築きつつある、という状況。飛空士としての技術力も日々
目覚しい中でどんな人間力を見せて、そして魅せてくれるのか、というところに。

“イリア”も“清顕”と切磋琢磨する中でエースとしての実力を見せると共に、女性として
の魅力を磨いてきております。そこで直面した“カーナシオン”という存在が今後どう作用
していくのかも気になります。思惑が見えた「ハチドリ」の行く末、というのも同様に。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月28日

『俺、ツインテールになります。4』

累計で 1,200 回もの「ツインテール」という単語が飛び交う、ツインテール愛にあふれた
水沢夢 先生のシリーズ第4巻。男に戻れなくなった“総二”がその愛を試されます。
(イラスト/春日歩 先生)

http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solc_dtl?isbn=9784094514247


表紙のテイルレッド人形めっちゃカワイイ。口絵のイラストも映えていてカッコイイです。
おバカなことばかり言ってるツインテイルズの皆さんですけど、ムダに熱いところもあって
今巻も言葉に表しきれない面白さが満載でした。ぜひ追い続けていきたいシリーズです。

今回主にピックアップされたのは「男の娘」、そして「TSF」。単に女の子になって戸惑う
様子を描くだけでなく、ツインテールを日々維持していくことの難しさを知った“総二”が
更なる力を手にする・・・と書いていてバカっぽいですがそこがまたイイんです。熱いんです。

その“総二”を狂わせた“慧理那”の「奥義」が実に気になります。気の間違い方が少々
異なる気もしますけど、あれはあれで面白い切り札だと思います。“愛香”の悪鬼羅刹ぶり
もアレですけど(苦笑)。次巻はいよいよあの属性の出番ということで注目が集まります。

posted by 秋野ソラ at 07:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月27日

『俺のかーちゃんが17歳になった』

弘前龍 先生の「第19回電撃小説大賞」最終選考作品。17歳の母親が繰り広げるハートフル
ホームコメディ。「17歳教」井上喜久子 さんの帯推薦文を添えて堂々の登場となります。
(イラスト/パセリ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891796-4/


「17歳です♪」と言われれば「オイ、オイ!」と返すのが世の常ですが、「17歳教」に入ると
永遠の17歳になれる、という設定がここまで興味深い物語の化学反応を起こすとは思いも
寄らず。母“和美”の17歳になりたいという理由が世相を反映していて何とも世知辛いです。

「代償として、残りの寿命が半分に縮まると言われている」という部分も何かしら仕掛けが
あると見越してはいましたが、これがまた「生きること」に対する一つの答えというか願望
を表していると分かった時は考えさせられるものがありました。ホームコメディなのに。

母親が突然17歳になった、ということをどう受け止めるか。“隆史”や“優香”、そして
“芽依子”の考え方が違い、時にぶつかりあう流れも考えて描いてきていると感じました。
結論としては面白いホームコメディであったと言えます。オススメの新作ということで。

posted by 秋野ソラ at 01:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル