2013年06月30日

『アリアンロッド・サガ・リプレイ・メイビー レイウォールの嵐』

たのあきら 先生/F.E.A.R. が贈る「IF」の世界が人気に後押しされて正史に組み込まれ、
バウエス領、更にレイウォール王国の危機を救うべく“リディル”たちが立ち上がります。
(イラスト:椋本夏夜 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201302000419


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  GM:「この街の一番偉いやつに、詳しい話をしたい。
      ま、そいつが俺の話を信じるかどうかはわからんが・・・・・・」
  バヤン:安心しな、お嬢さん。信じるよ、うちの偉い人ならな!
  カルロス:我らが領主のもとに案内しよう。詳しく話を聞かせてくれ。
  GM:「ほう。じゃあ、お言葉に甘えて連れて行ってもらおうか」
  リディル:カルロスさん。名前! その人の名前を訊いてください!!
  バヤン:お嬢の「そわそわ」が止まらない(笑)。
  カルロス:そういえば、まだ名前を訊いてなかった。あなたの名は?
  GM:赤い服の女は言います。「俺の名は・・・・・・エイプリル・スプリングス。
     エリンディル大陸から来た」
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“エイプリル”きたーっ!! ってことで元のPLも たのあきら 先生ですからさじ加減は絶妙。
絵的にも“エイプリル”に限らず様々なシリーズのキャラクターを 椋本夏夜 先生に描いて
頂いているので新鮮かつ印象に残ります。“バヤン”דカルロス”な絵もバッチリです。

そんな 藤井忍 先生の邪念を満足させるイベントだけでなくPL諸氏を楽しませるのがGMの
用意するミニゲーム、とりわけ「“竜殺し”捜索用ミニゲーム」が実に面白そうでした。
短期記憶の保持時間も考慮に入れての進行、まさに恐るべしといったマスタリングです。

突如始まった「レイウォール王国 王座決定戦」では真の敵を見据えた行動、思いがけない
共闘体制の構築を経て立つべきところに立った“リディル”と守護竜の姿が綺麗な締め括り
を魅せてくれました。本作からの無茶振りを他シリーズ各GMがどう処理するか注目です。

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2013年06月29日

『ミニスカ宇宙海賊10 二隻の白鳥号』

劇場アニメ公開を2014年2月に控える 笹本祐一 先生の大人気スペースオペラ、第10巻は
オデットII世号が独立戦争時に2隻いたという謎が呼び水となって騒動を引き起こします。
(イラスト:松本規之 先生)

http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=15028


ということでタイムスリップものであります。なまじ「タイムパラドックス」など知識が
豊富なだけに、途方も無い過去に放り出されてあぁでもない、こうでもないと悩む部員の
思考回路と場の雰囲気は掴みやすいところがあります。

“茉莉香”が最初に通信文を送る際、ごねた彼女を“リン”が諌めた場面は納得の話運び
だと思いました。そのままオチに使われるとは思ってませんでしたけど。“百眼”も触れた
白鳥号限定の船長服についてはぜひ挿絵指定が欲しかった所ですが・・・妄想でカバーか。

帆船に対して艦隊戦、というのもヘンな話ですが今回もドンパチはやらずに電子戦での
駆け引きが中心となってきます。プロトコル等の違いから自前の機器が有効活用しきれな
かったり、失敗すると歴史改変の恐れがあるという緊迫感が演出としても良かったです。

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2013年06月28日

『幻國戦記CROW2 −夢幻郷に唄う娘−』

五代ゆう 先生が贈るニンジャ・スチームパンク、第2巻は“千弦”を狙う逆神忍軍の追手
から逃れる道中に世界を隔てる結界の中へ誘われ運命の幼子と出会う場面が描かれます。
(イラスト:山本ヤマト 先生)
 
http://www.sbcr.jp/products/4797372311.html


・・・ここまで設定を膨らませておいて3巻まででまとめるのムリがありすぎる気がする。
そして相変わらず読むのに時間が掛かる作品です。そういった意味でライトではない印象。
ただ、この手のジャンルはあまりお目にかからないので新鮮な感じで読めるのが良いです。

“月呼”がどういう存在かは火を見るより明らかですが、そこに付随して見えてくる設定の
数々から凶都崩落の事情とか、忍衆にも色々なのが居るな、ということが分かってきて益々
3巻で風呂敷を畳もうとするの厳しいよなとか(以下略。

御統衆の一員という立場でありながら淡い気持ちを抱いてしまう“鬼童子”とか、いつも
何度でもしらばっくれる“九郎”の言動を見ていると思わずニヨっとしてしまうワケですが
3巻では第3の神器も出てくるでしょうし、どうまとめてこようとするか注目どころです。

posted by 秋野ソラ at 01:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年06月27日

『神曲奏界ポリフォニカ ファイナライジング・クリムゾン』

榊一郎 先生が勢いで出した企画から始まった『神曲奏界ポリフォニカ』、「黒」「白」に
続いて「赤」のシリーズが遂に最後を迎えることとなり、それを見届けてきた次第です。
(イラスト:神奈月昇 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797373424.html


“フォロン”に精霊奇兵として融合した“ディエス”。彼が打ち出した次なる策、これまで
築いてきた人間と精霊との関係を壊すのに十分な効果を発揮する「タブレット」。重大な
局面に際し、“コーティカルテ”に突きつける“レイトス”の言葉が痛烈に響きます。

“フォロン”共々“ディエス”を始末する苦渋の決意をした“コーティカルテ”もまさかの
返り討ちにあって絶望的な状況を迎え、破局へ向かう展開を食い止めたのは“ナノポニート”
こと“リコリス”、ということで自身の失策を何とか補う形にはなったようです。

最終的に事件を解決する上で、“フォロン”は“コーティカルテ”との約束を真に果たす
ことにもなりました。自ら望んだワケではない怪我の功名とも言える結末ですが、実に彼ら
にふさわしい落とし所でもあるな、と素直に感じました。無事の完結を祝いたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年06月26日

『花屋敷澄花の聖地巡礼』

『乃木坂春香の秘密』を完結させた 五十嵐雄策 先生が贈る新シリーズ。「聖地巡礼」に
想いを馳せる引きこもり美少女“澄花”のために手を貸す少年との旅を描く物語を拝読です。
(イラスト/三輪フタバ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891745-2/


・・・あー、確かに「鷲宮神社」を間違えて表記してしまっておりますな。残念な話ですが。
まぁ、それはそれとしても「なぜ引きこもってしまったのか」という理由付けと、その
問題解消に賭ける策が本作のテーマに沿っていて「なるほど〜」と感じました。

“澄花”の解説で「聖地」と呼ばれる場所のガイドをされまくるとまるで裏観光ガイド本
を読んでいるかのような錯覚に陥りつつも、彼女がもつ「聖地」への想いの強さを十分に
感じさせてくれています。読み手としても物知りになれそうです。

“夏奈”の真意に見事応えた形となる“行人”の頑張りは、彼女曰く「だれの心に対しても
無自覚に這い寄っていく這い寄る人たらし」ぶりに起因するものであることは間違いない
ものと思います。すでに好感度MAXな“澄花”と次はどんな地に赴くのか気になる所です。

posted by 秋野ソラ at 00:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル