2013年05月07日

『失恋探偵ももせ』

岬鷺宮 先生の「第19回電撃小説大賞・電撃文庫MAGAZINE賞」受賞作。「ミステリ研究会」
に所属するたった2名の男女が叶わぬ恋の謎を紐解く学園青春"失恋"ミステリを拝読です。
(イラスト/Nardack 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891553-3/


失恋に係る調査依頼を受け、判明した状況証拠から結論を決めつける少年“九十九”の言を
自称「失恋探偵」の少女“百瀬”が否定し、失恋という事象そのものをも覆すほどの解決を
果たす、という連続短編仕立ての構成が気軽に読める雰囲気を醸成しています。

そして、そもそも「“百瀬”は何故に「失恋探偵」なる活動を始めたのか」という謎の解明
すら「失恋探偵」の事案として捉え、その一端として“百瀬”の機微を交えつつ解き明かし
ていく、という話運びには心ときめくものがありました。“百瀬”が実にいじらしいです。

2月に刊行された「第19回電撃小説大賞」4作品も読ませて頂きましたが、今回は本作が
一番好きだな、と思っております。Nardack 先生の挿絵も雰囲気に合致していて良かった
ですし、これはぜひオススメしたい一作とも思っております。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル