2013年04月19日

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIII』

宇野朴人 先生が贈るファンタジー戦記、第3巻は“ナナク”らシナーク族との一戦で疲労
困憊の“イクタ”たちの前に現れた大軍にどう対処していくのか、に焦点が当たります。
(イラスト/さんば挿 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891533-5/


将棋盤の前で長考するかのように“イクタ”の狙いをことごとく阻止していくアルデラ神軍
の将、“ジャン”。初めて互いの意図を読み合えるレベルの敵と相対する“イクタ”。彼ら
の情勢がさらに悪化の一途を辿り、死と隣り合わせの現場であることを思い知らされます。

上に立つ者の責務を知る“イクタ”だからこそ見せる言動が皆の心を動かし、奇策に次ぐ
奇策をもって圧倒的な勢力の差異を埋めた功績は計り知れませんが。そんな思いもどこへ
やらな様子で大尉を推しまくる彼の思惑とは如何に。まぁ、碌な事はなさそうですけど。

“イクタ”の智謀の他にも“ヤトリ”の「イグセムの剣士」として、そして彼のよき理解者
としての立ち居振る舞いであるとか、“ナナク”独特の感情表現にもぜひ目を向けてほしい
ところ。中央に戻ってきてまた1巻の頃の雰囲気が戻ってきそうな点に期待しております。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル