2013年04月30日

『GJ部中等部(5)』

新木伸 先生が贈る四コマ小説。部室を追われ“霞”たちが辿り着いたのは校庭の隅にある
不思議な少女が居付くプレハブ小屋。3年になり新生活を送る彼女たちの日々を綴ります。
(イラスト/あるや 先生)

http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solc_dtl?isbn=9784094514056


「TSと女装は違う!」とかTSクラスタから怒られそうな気もしなくはないですが“小手指”
さんと張り合う気マンマンの“ジンジン”は、どちらかというと男同士の友情をこじらせて
イケナイ関係にもつれこむ薄い本のネタにされそうな感じも無きにしも非ず。

“霞”が何気ない疑問を口にしたところから始まる「どっちが強い?」ではその友情関係を
見直すキッカケを得た“ケンケン”と“ジンジン”の少年漫画っぽいノリが特訓の対象に。
まぁ、オトコってのは得てしてバカなもんですよ。拳でないと分かり合えないとか、ね。

『〜中等部』になってもそこそこ登場してきている“紫音”さんを師匠とするが故に自らも
「カワイイ」を目指してしまっているのか。あるいは彼の生来による必然的なものなのか。
“ジンジン”のプラトニックな関係を見守りつつ次巻に目を向けていきたいと思います。

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2013年04月29日

『よろず屋退魔士の返済計画1 100億の契約書』

祝「オーバーラップ文庫」創刊! ということで SOW 先生が贈る、退魔士の少年と暴君少女
が始める借金返済コメディを一番最初に読もうと決め、実現させていただきました。
(ILLUST:蔓木鋼音 先生)

http://over-lap.co.jp/%E3%82%88%E3%82%8D%E3%81%9A%E5%B1%8B%E9%80%80%E9%AD%94%E5%A3%AB%E3%81%AE%E8%BF%94%E6%B8%88%E8%A8%88%E7%94%BB%EF%BC%91%E3%80%80100%E5%84%84%E3%81%AE%E5%A5%91%E7%B4%84%E6%9B%B8/product/0/9784906866144/


SOW 先生の作品を読むのは「メガミ文庫」の『みすぷり!』以来となりますが、喜怒哀楽の
緩急をつけた話運びで実に読みやすく、続きに期待が持てる面白い作品に仕上がっていると
感じました。・・・『みすぷり!』を「オーバーラップ文庫」で引き取ってくれませんかね?

一部業界では編集K氏の初担当作ということで注目を集める本作ではありますが、あけすけ
な雰囲気のある“みぎり”の言動をもってしても彼女が魅力的なキャラクターに映るのは
氏の助言に寄る所もあるのかと思います。もちろん、蔓木 先生のイラストもあってこそ。

理不尽な境遇に晒され、ままならぬ生活を送りながらも「人生は楽しく生きてもらわないと」
と諭され、前を向いて生きていく“狗朗”。幼なじみに押しかけ弟子、そして押しかけ式神
も加わって賑々しい彼の借金生活はいつ解消されるのか、次巻を楽しみにしておきます。

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2013年04月28日

『RPF レッドドラゴン IV 夜会擾乱』

虚淵玄、奈須きのこ、紅玉いづき、しまどりる、成田良悟。五人のためのゲーム、六夜限り
の物語(フィクション)、その四夜を綴る 三田誠 先生の一冊、読ませていただきました。
(イラスト:しまどりる 先生)

http://sai-zen-sen.jp/publications/reddragon/
http://sai-zen-sen.jp/special/reddragon/


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  スアロー : 婁がいなくなった瞬間、エィハが婁並みに・・・・・・!
        何、あの殺人鬼、伝染るの!?
  禍グラバ : でも、ここでエィハが行動に出たら第五夜、第六夜のシナリオも
        大分変わりますよね。
  FM : そんな先の事まで考えてられないよ、たった今第四夜がどうなるのかも
      分からない(笑)。
  エィハ : 一応、つぶやきます。・・・・・・真シロちゃんは、ともだち(一同爆笑)。
  忌ブキ : 怖いっすよ紅玉さん!
  スアロー : (爆笑したままバンバン机を叩いている)。
  エィハ : こう、ニュアンスで理解してあげてください。止めるなら今ですよ(笑)。
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“エィハ”を演じる 紅玉 先生が活き活きと「黒玉」化していく様子が、PC的には容赦ない
のですがPLとしては面白くて仕方が無い。その雰囲気にあてられたかのように“禍グラバ”
ですらも我が道を行こうとするなど「混成調査隊」が少しずつ瓦解していきます。

そこにつけてシュカの街を襲う「赤の竜」。そのあまりに大きすぎる敵を前に様々な思惑が
入り乱れる各勢力が一致団結できようも無く、炎に抉られる大地が免れえぬ崩壊への道を
示していきます。もちろん、そこに“婁”がつけ入らないワケがありません。

彼の悲願を何とか阻止しようとした“スアロー”を前にダイスの神は無慈悲な結末を授けて
下さいました。・・・しまどりる 先生にイラスト化してもらうほどに衝撃的な破滅への道標と
なります。FMですら予想し得ない展開に救いはあるのか、第五夜の登場が待たれます。

posted by 秋野ソラ at 07:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年04月27日

『妹は僕に手を出すなっ!3』

“孝美”の前に現れた飛び級で先輩の13歳少女が急接近していく様子に“晶”と“シズカ”
は苛立ちを隠せず──。木緒なち 先生が贈るツインズ・ラブコメディが最終巻を迎えます。
(イラスト:久坂宗次 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797372878.html


ここに来て新しい妹の登場。「いますぐ※だって言いたい!」はいい副題のつけ方だと感じ
ました。“エルザ”が抱える想いの描写もなかなかでしたが、結局彼女のそれも“孝美”に
とっては重いものでしかなかったワケで。あるいは純潔を守る強い信念を露にさせるだけで。

さほどページ数があるほうでもない今巻の中で「ラスボス」も登場させて、さらに折り合い
も上手くつけてくるあたりは中々なものだと感じました。それでいて読みやすさを損なうこと
もありませんでしたし、良いラブコメ作品だったのではないかと思います。

企画・制作・デザインユニット「KOMEWORKS」に所属の 木緒 先生だからこそできる装丁の
妙といいますか、魅せ方もポイントとなる意欲作としても成功を収めたと言って良いかと
思います。次回作はあちらのレーベルからですかね、ということで期待を寄せておきます。

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2013年04月26日

『放課後四重奏(カルテット)』

『俺はまだ恋に落ちていない』でデビューした 高木幸一 先生が贈る新シリーズ。不器用
すぎる4人の少年少女が生み出す青春ラブコメディ、ということで拝読してきました。
(イラスト:ぜろきち 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797373318.html


学校に住んでいる。人間嫌いが講じてのたゆまぬ努力と説得を経て掴んだ“灰堂”少年の
現実を疎ましく思う教師陣。彼らから身を守るため、少年たった一人だけの「同好会」を
作ることを決意する。それが思いも寄らぬ人たちを呼び込むことになるとも知らずに──。

ということで、努力の人なので勉強も運動もかなり出来るのですが常識外れでデリカシーに
欠ける面のある“灰堂”に相談し、鋭い指摘に渋面するも真摯な態度に心ほだされる3人の
同好会メンバー “菜花” “草ヶ部” “空上”。彼女らもまた三者三様で個性が強いです。

そんな3人と一緒に居ることがいつしか当たり前になってきた“灰堂”が語る人間嫌いの
理由、そして心境の変化。いつの間にか恋の駆け引きが始まっていた同好会「SL会」の
明日はどっちだ! という実に良い読了感のラブコメで続きに期待が持てるというものです。

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