2013年03月02日

『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』

藤まる 先生の「第19回電撃小説大賞・金賞」受賞作。一人の不良少年が突如、少女の精神
と一日おきに人格が入れ替わる二心同体の生活を送る事になった日々を描く青春物語です。
(イラスト/H2SO4 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1302.php#new15


事態は割と深刻なハズなのですが、そんな状況も吹き飛ばすほど軽いノリで一気に読めて
しまったというのが読了後の第一印象。悩ましい日々を送る少年“秋月”の頭を悩ませる
少女“光”、彼女の交換ノートを通じて見せる開けっ広げな性格がそう思わせるのかも。

なぜ“光”は死んだのか、と理由を探り始める契機となる“風城”の言動が物語に少しずつ
緊張感を呼ぶ中でも“秋月”の妹“雪瑚”が特殊(性癖的な)能力を発揮する所がどこか
喜劇的な雰囲気を醸成しているかのようで面白いところではあります。

緊迫の度合いが最高潮を迎えたところで“光”がひた隠しにしていた自分の死の理由を打ち
明けた場面の裏切られ具合。あれが受け入れられなかったら評価も違ったものになるので
まさに紙一重な物語かと思います。大賞作品の中では一番良かったと言っておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル