孤立した少女が、学校内で発生した人体発火現象などの事件に挑む学園ミステリーです。
(イラスト/MACCO 先生)
根本から変わってしまった少女“エーコ”が時に冷静沈着に、時に皮肉屋とも言えるような
物言いで突いていく一人称のお話、というのがまず印象的に映ります。
意外としたたかに、そして豪胆に突き進んでいくあたりも目を見張るものがあります。突然
声を掛けられた【トオル】にも物怖じしないところも現実主義なところが見受けられます。
壮絶な幕切れの後で分かってしまった一連の事件における本当の黒幕。その落としどころ
として選んだ選択肢もまた“エーコ”ならでは、ということで楽しませてもらった一冊です。