2013年03月11日

『アルシャードセイヴァーRPG リプレイ 月明かりのキヲク』

田中信二 先生/F.E.A.R. が「FB Online」上で連載していた表題作に書き下ろしの続きを
収録したリプレイ集。七不思議にまつわる怪事件の解決に探求部の部員たちが臨みます。
(イラスト:猫猫猫 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_07


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  ドレッド : ふ、この男を倒すのは私。・・・・・・断じてお前などではない! これで
      ファンブルしなければ回避できるだろう。心おきなくダイスを振りたまえ、
      イチロー君!
  イチロー : 助かるドレッドノート先生! と珍しく素直に感謝しよう。
  咲耶 : 失敗はファンブルだけですね。
  ドレッド : ふっ。いくら我が宿敵のイチロー君とはいえ、こんなところでファンブル
     はないだろう。・・・・・・・・・・・・・・・まさか。出さんよな?(←不安になったらしい)
  イチロー : 出れば面白いでしょうけど(笑)。1ゾロなんて狙っても出せるもん
       じゃない。心配のしすぎですよ。・・・・・・(ダイスを振る)・・・・・・ていっ!

    イチローの投じたふたつのダイスが転がり、・・・・・・やがて止まった。

  イチロー : ・・・・・・・・・・・・・・・・ファンブル。
  一同 : うそぉ──っ!?(一同爆笑)
  ドレッド : お前ってやつはぁぁぁぁ!?(笑) やっぱりお前は私が倒す! 私の
       《エーギル》をダイナシにされた、やり場のないこの哀しみをどうして
       くれるっ!!(笑)
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“イチロー”役の たのあきら 先生が奇跡的なダイス目を連発するセッション。対峙する
“ドレッドノート”役の 菊池たけし 先生や田中GMのリアクションが大きくなるのも道理と
いうもの。そんな兄を失敗を補う、藤井忍 先生が演じる“咲耶”のフォローが光ります。

本作では旧版プレイヤーの参考にもなるようにと痛天使“じゅりあ”が参戦。背中の羽を
再現するためだけに「ヴァルキリー(人造人間)」となることも厭わない 緑谷明澄 先生の
本気とペイン具合に注力する姿勢には敬服です。真似しようとは思えませんが(苦笑)。

「青春」をテーマにしたPC・NPCの淡い想いに触れるシナリオで、何と言いますか、読了後
に昔を思い出してエネルギーをもらえたような、そんな作品でした。“イチロー”“咲耶”
のシスコン、ブラコン疑惑が確信に変わる落としどころも順当かと思った次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年03月10日

『ソード・ワールド2.0リプレイ with BRAVE(3) 閃光のトライアンフ 下』

北沢慶 先生/グループSNEが贈る聖戦士“ロイ”の物語もいよいよ佳境に入った第3巻。
下巻は10名+αのプレイヤーが結集しての最終決戦、そしてその結末を描く最終巻です。
(イラスト:秋津たいら 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201212000083


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  フィオ:・・・・・・わたしも、負けないように自分を磨かないと・・・・・・もうただのお姫様
      じゃない、王子のために何ができるのか、それをきちんと見つけないと、
      ダメなんだ。
  一同 : おお。
  レーシィ : 本当に成長したんだな、フィオ。
  フィオ : レーシィ・・・・・・
  オルネッラ : 確かに、一番成長したのはフィオかもしれないな。
  レギン : ですね。
  ロイ : 僕も、もっと成長しないといけませんね・・・・・・ちゃんと、いろんなことに
      答えが出せるように。
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ということで結局答えの出せていない“ロイ”少年ですが、その未来を決めるセッション
なんてのも企画としてアリじゃないでしょうか、とドラゴン編集部に向かって言ってみる。
キル・バルバロスを心情とする“フィオ”も恋する少女として本当に成長したと思います。

“ヴォルクライア”の口から語られる蛮族側の真相。本当の敵である“フレーデル”との
ラストバトルは 大井雄紀 先生をサブGMに迎えてマップも仕掛けも参加メンバーも豪華に
した一大決戦に相応しい場で見所いっぱいです。時間も凄く掛かっていると思いますが。

それにしても【ライトニング・バインド】の凶悪さもさることながら、その対策について
フォローに入る 清松みゆき 先生のフェアプレイ精神に感服いたしました。“クロノア”
はぜひ次期八部衆の一員となってまたどこかの物語で登場してくれることを期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年03月09日

「坂本真綾 8thオリジナルアルバム「シンガーソングライター」特別先行試聴会(第1回)」

締切り間際にササッと申し込んだら当選しておりましたので、すっかり春めいた天候の中
恵比寿にある「ABS RECORDINGホール」というところに足を運んできました。男女比は
ほぼ同じくらいで100人くらいは参加者が居たと思います。

イベントの概要としては以下の通りとなります。

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  1)渡された歌詞カード(終了時回収)と共にホールでCDを一通り聴く
  2)坂本真綾さんのトークショー
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曲が変わるたびに歌詞カードをめくっては大人しく聴いている、まるで大学の講義のような
雰囲気で実に礼儀正しいお客さんたちだと、CDを聴いている様子を見ていた真綾さんから
まずコメントをいただきました。

他にトークショーでの発言を覚えている限り列挙してみます。


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 ・ここ最近、作曲するようになって今後作曲していく機会を増やしたいと考えていた。
  次のアルバムをどうしようか考える打ち合わせで「全曲、作詞・作曲やってみたら」
  と言ってくれたスタッフがいて嬉しかった。

 ・「ROUND TABLE」の北川勝利さんにつきあってもらって自宅の環境を整備。Mac の
  「GarageBand」を使用。自宅での作曲作業をするのが初めてで、作業に詰まることも
  無く楽しくやれた。

 ・新しい環境で最初に作ったのは『Ask.』。バラード調の曲で、自分はこういった
  暗い曲が好きなんだ、と再認識した(苦笑)。

 ・『ニコラ』は詩と曲がほぼ同時に出来たけど、その他はほぼ曲先で作成。
  詩をつけていこうとすると「歌いづらい曲だな」「歌い手のこと何にも考えてないな」
  って思うこともあるけど自分で作った分、後でフレキシブルに直せるので良かった。

 ・自分で作詞作曲してみて「価値観が音に出る」ことを改めて実感。あの人が作ったら
  こうなるよね、みたいな。自分の場合は、何だろう? 根暗? 湿ってる?(苦笑)

 ・今回のアルバムは偏ってもいいから「自分の好きなもの」を集めた。

 ・『シンガーソングライター』はテンポをどうするか4、5パターンくらい試して
  スタッフもみんな決めかねていたけど、最後に真綾さんがバシッと男らしく決めた
  のが印象に残っている、とスタッフよりコメント。

 ・『ニコラ』は最初、「箸休め」的な曲にするつもりだった。けど、いつの間にか
  リード曲に(苦笑)。カッパドキアという町全体が世界遺産みたいな所に住んでいる
  人たちは「それが当たり前の生活」といったような話を聞いて、曲を作って歌って
  日々を過ごす自分も人から見れば特別に見えるかもしれないけど、私にしてみれば
  それが当たり前の生活だし、同じようなことが言えるな、と感じて作った曲。

 ・(河野伸さんのコメント)
  印象に残っているのは『遠く』。アレンジを真綾さんのイメージに合わせるのに
  苦労した。
  → 今回デモ音源を作る環境が整ってあれもこれもと作りこみすぎて逆に手を加える
    余白が少なくなったのが原因。最後のほうに作った曲はピアノ伴奏に歌を乗せた
    だけみたいにシンプルなものに戻すようになった。

 ・(河野伸さんのコメント)
  全曲自分で作るということで間に合うかな? と心配していたがしっかりと
  間に合わせてきたのは素晴らしい。
  → 最後のほうはギリギリになったけど、根が真面目なので〆切には間に合わせて
    しまうんです。えっ、とか思っている人がいるかも知れませんけど(苦笑)。

 ・(渡辺善太郎さんのコメント)
  特にコレというよりは全体的にすごくいい出来になったと感じた。
  仕事というような感じではなく、最後まで通して楽しく作業ができた。


 ・好きな作品がまた一枚増えました。
  地味な作品なのでじっくりと何度も聴いて味わってほしいです。

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初回限定版のDVDに収録される「レコーディング・ドキュメンタリー“Road to SSW”」の
ダイジェスト版も拝見しましたが、自宅での作曲風景など、かなり真綾さんの素の部分が
見える大変珍しい内容になっているとのことでこちらも期待しております。


収録曲についてはすでに告知されている通り以下の10曲が収録となります。余計な先入観
を持たせるのもアレですので細かく触れるのは避けておきます。聴いてみて良かった3曲
をアンケートで回答することになっていたのですが、とりあえず

 『遠く』 『サンシャイン』 『ニコラ』

で回答しておきました。『誓い〜ssw edition』のアレンジも良かったと思います。
じっくり聴いてみるとまた違った印象を持つかもしれませんので、発売後に機会があれば
また感想記事など書いてみようかとも思う次第です。あとはライブも楽しみな所です。


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  収録曲

  01. 遠く
  02. サンシャイン
  03. everywhere〜HAL mix
  04. ニコラ
  05. Ask.
  06. なりたい
  07. カミナリ
  08. 誓い〜ssw edition
  09. 僕の半分
  10. シンガーソングライター
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◆ 坂本真綾 シンガーソングライター 2013.3.27 in stores
http://www.jvcmusic.co.jp/maaya/ssw/index.html


posted by 秋野ソラ at 20:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

『ソード・ワールド2.0リプレイ with BRAVE(3) 閃光のトライアンフ 上』

北沢慶 先生/グループSNEが贈る聖戦士“ロイ”の物語もいよいよ佳境に入った第3巻。
上巻は様々なゲストキャラクターを交えつつ蛮族との戦いも大詰め一歩手前まで進みます。
(イラスト:秋津たいら 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201207000052


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  ヘザー : も、もう一度聞きます! あなたは何者で、なんという名ですか!
  謎の少女 : えー? 名前を聞くときは、自分から名乗るのが常識じゃないの?
  ヘザー : うぬぬ・・・・・・わたしは聖戦士、ヘザー・シュトラウプです!
  謎の少女 : あ、聖なる戦士発見!
  イングリッド : 清々しいまでに、会話がすれ違っている(笑)。
  ヘザー : さあ、名乗りましたよ!
  謎の少女 : 名前・・・・・・名前かぁ。じゃあ、クロノアだよ。
  オルネッラ : じゃあって言った!
  レギン : 明らかに偽名・・・・・・
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「前後関係気にせず、好きなようにプレイしていいんですよね!?」と意気揚々なソ・・・では
なくて“クロノア”のプレイヤーが乞いに乞われて“ヘザー”たちに動向することとなり
ました。いやー、“クロノア”は好きなキャラクターなのでPCとしての登場が嬉しいです。

まぁ“バトエルデン”も頭が痛いでしょうけど、あの自由奔放さは。他にも“オルネッラ”
がプリーストとして目覚めてしまうきっかけとなったあの女神も登場したりと、気になる
NPCがわんさか出てくるお祭りのような雰囲気も有しているのが展開として面白いところ。

“ヘザー”一行のお手柄により魔剣〈イラストリアス〉が蛮族相手に有利な戦闘に持ち込む
能力を備えていった甲斐もあって“ロイ”たちがその都「イレスアデル」へと潜入。その先で
見た蛮族と人間との関係を見て色々と思う所の出てきた一行の結末は下巻に持ち越しです。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年03月08日

『ぜんぶ彼女に「視【み】」られてる?3』

淺沼広太 先生が贈る新感覚ラブコメディ最終巻。“花梨”と一緒に居ることと、“睦月”と
共に写真を学ぶこと。どちらに重きを置くかで悩む“智一”が出した結論に注目です。
(イラスト:すぶり 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_06


すでに想いの定まった“花梨”が“智一”との関係を一歩前に進めようとしつつも、普段の
コミュニケーション障害が祟って中々言い出せない。そこが何とももどかしくて、そして
可愛らしくて。“智一”も罪作りな少年でございます。

もう一つの組み合わせ、“奈緒”と“悠太”についても“悠太”に贈られた差出人不明の
ラブレターがきっかけとなってじんわりと変化していきます。ここでは“智一”が機転を
利かせて二人の想いをアシストしています。当事者でなければ上手くやれる子です。

恋は必ず実るとは限らない、という可能性についても触れる展開なのもポイントでしょう。
前作『7秒後の酒多さんと、俺』から続いて良い作品として締めくくれたのではないかと
思っております。すでにスタートを切っているという次回作にも期待したいところです。

posted by 秋野ソラ at 01:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル