2013年03月26日

『C3 -シーキューブ-XVI episode CLOSE/the first part』

水瀬葉月 先生が贈る大人気シリーズもいよいよ大詰め、ということで上下巻構成です。
第16巻は“春亮”を傷付け自閉する“フィア”を他所に最悪の事態が起こり始めます。
(イラスト/さそりがため 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1303.php#new9


「蒐集戦線騎士領」領主“トリナーク・アガナー”から告げられた“フィア”という存在
の真実。更には「呪い」、「騎士領」の存在理由とその衝撃の強さに心が耐えかね立方体
のまま気絶するほど打ちのめされた“フィア”。

呪われたものたちにとって安息の場たる「夜知家」存亡がかかる事態に“このは”からは
見限る発言も出る中、“闇曲拍明”からの内緒話、そして“春亮”からの我が儘な解決策
がようやく功を奏して復活を遂げる“フィア”の姿を見るまでが実に長かったですね。

こちらはひとまず一安心ですが、学校に取り残された“ン・イゾイー”たちのピンチと
チャンスは入り混じったままですし、「竜島/竜頭師団」師団長“ペンドラゴン”の手に
落ちた“黒絵”はどうなるのか気になるところですし、という状況で下巻に続きます。

posted by 秋野ソラ at 00:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年03月25日

『FORTHシリーズ 連射王〈下〉』

『都市シリーズ』 『AHEADシリーズ 終わりのクロニクル』、そして 『GENESISシリーズ
境界線上のホライゾン』 を世に送り出す 川上稔 先生が2007年に上梓したハードカバー。
シューティングゲームは自分の本気に成り得るのかを追い求める高校生の物語を拝読です。

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1303.php#new10


シューティングゲームに盛り込まれた開発者の思想、それに応えよう、乗り越えようとする
プレイヤーの姿勢をキャッチボールのように例えるくだり。あるいは“高村”が特訓の中で
感じたことが野球を下地としているところが「人生に無駄など無い」感が出ていて好きです。

“竹”さんの歩んできた道がこれまた印象的。単に意固地になっていただけかも知れない
ゲームへの想い、とりわけシューティングゲームへのそれを本当に好きなんだと、“高村”
たちとの交流を通じて、そして「大連射2」への挑戦を経て昇華した場面は素敵でした。

ゲームに入れ込み過ぎたせいでこじれかけた“岩田”との関係も、“高村”が「大連射2」
のファーストプレイ・ワンコインクリアに挑む結果も途中のままで物語は終わりますが、
書かなくても分かるだろう、と言われている気がして実に味があると感じた所であります。

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2013年03月24日

『魔王なあの娘と村人A(5) 〜リンカンクエスト! ドリアン風味〜』

ゆうきりん 先生が贈る、常識が通じない《個性者》に対し気苦労の絶えない《村人》たちの
日常を描くシリーズ。第5巻は林間学校に両者参加で波乱必至の二泊三日が訪れます。
(イラスト/赤人 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1303.php#new8


赤人 先生が描く口絵カラーの絶妙な構図は流石、と言わざるを得ません。限界を追求する
その姿勢には頭が下がる思いです。ある意味、犯罪者一歩手前かも知れませんが(苦笑)
ひとまずここは「もっとやれ!」と申し上げておきましょう。

さて、本編は“桜子”が「村人A」こと“佐東”に対する信頼度を着々と上げている様子が
窺える場面が何度も顔をのぞかせる展開に。“翼”が彼との昔話を持ち出すあたりで何とも
言えない不快感に襲われたのは仄かな想いも醸成されつつあると見るべきか。

“桜子”が「フィールド・ロールプレイング」と称した今回の行事で仕掛けた試みの結果。
実は表4にあるデフォルメのイラストが大体物語っていたりしますが、思わぬ落とし所で
ますます信頼度は高まったようです。「英雄」という称号が気になる中、次巻へ続きます。

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2013年03月23日

『一つの大陸の物語〈上〉 〜アリソンとヴィルとリリアとトレイズとメグとセロンとその他〜』

時雨沢恵一 先生が贈る『アリソン』から続くシリーズのその先にある物語を綴る完結編。
上巻は懐かしい人たちにご登場いただきつつ、その人々が少しずつ接点を持っていきます。
(イラスト/黒星紅白 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1303.php#new4


“トラヴァス”少佐の身に起こった出来事など知る由も無く、「新聞部」が発行する次の
新聞をどうするか“セロン”たちはネタ探しに奔走します。そこでやり玉に挙げられたのが
謎の転校生として名高い“トレイズ”ということで相変わらず苦労を背負っています。

先見の明がある“セロン”と“トレイズ”との間で話の折り合いがついた頃、学校内にある
臨時ロッカーにまつわる妙な話が舞い込んできます。少し調べてみようと足を突っ込んだら
連邦警察の捜査員“ハートネット”も巻き込む話に発展してさてどうする? という展開。

いろいろな意味で“トレイズ”大活躍、といった所で思い出したかのように“トラヴァス”
少佐の話が告げられ、対する“リリア”と“アリソン”の反応は実に正反対。本当の所は
どうなのか、気になる続きは5月刊の下巻で明らかになると思うので楽しみにしておきます。

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2013年03月22日

『魔法科高校の劣等生(9) 来訪者編<上>』

佐島勤 先生が贈る大人気シリーズ、一学年度の部も上中下巻の構成で最終エピソードへ。
上巻となる9巻は“達也”たちに探りを入れる北アメリカ大陸合衆国の思惑が来日します。
(イラスト/石田可奈 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1303.php#new1


“リーナ”が“達也”に対してバレていないと思う一方で“達也”は“リーナ”の正体に
ついてすぐに感づいているあたり、一味も二味も違うところを改めて見せつけてきます。
彼女が諜報向きじゃない、という本当に謙遜でもなんでもない事実もあるワケですが。

“達也”が“リーナ”にそのことを告げた瞬間、機密保持のために刃を向けた“リーナ”を
止めたのはもちろんこの方、“深雪”嬢をおいて他にありません。兄に手をかけようとする
“リーナ”に対するキレっぷりが半端じゃない。鬼神かと見紛うほどです。

北アメリカ大陸合衆国の思惑を知るため、彼女たちの一騎打ちをセッティングした“達也”
自身がその勝負をご破算にしてしまう、という親切心が垣間見えるのはさておき、まだ何者
かすら分かっていない「吸血鬼」の存在が明らかになるのは次巻以降ということで待機です。

posted by 秋野ソラ at 00:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル