2013年03月31日

『義経変生譚(3) Replay:天下繚乱RPG』

作りかえられようとする日本、世界を救うべく義経伝説最北端の地へ“九郎”たちが臨む。
三輪清宗 先生が贈るリプレイシリーズが400ページ超の大ボリュームで最終巻を迎えます。
(原作:小太刀右京 先生 イラスト:すがのたすく 先生)

http://www.jive-ltd.co.jp/catalog/4861768989.html


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  九郎 : 俺の中のホームズが、「あれはメタ視点の仁義にもとる」と(笑)。
  すがの : だって、あれは愛じゃないよ!!
  ロンロン : それはそうなんだけど、それはキャラクターを使って殴るべきであって、
        上位存在の君が殴ってどうするんだ!(笑)
  すがの : 違う! だって、葛ノ葉にここでいきなり、つかつかばん! って
       殴らせるわけにいかないから、わたしがやるしか!
  ロンロン : ちょっと待て、これどうやってリプレイに書くんだ(笑)。
  すがの : 書かないで! かっこいいシーンなんだから!(笑)
  ロンロン : 俺、プレイヤーがボスキャラを殴るのは初めて見た(笑)。上位存在が
      GMではなくボスを殴るとは。しかもボスもプレイヤーと会話してる(笑)。
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シーンの途中でPCとPLが入れ替わって、しかもNPCを殴りつけて諭すというのは希有な例
かと思います。日本が「天下繚乱ギャラクシー」な世界観に変貌する様子や“ジンサン”
との再会シーンとか色々見所はありましたがやはり今巻のハイライトはここかな、と。

そんなコミカルな場面とは対称的に、“義経”あるいは“閻羅王”に対するPCたちの想い
に区切りをつけるシーンは好演のオンパレード。特に愛するだけで愛されない“九郎”を
諭す“葛ノ葉”とのやりとりはこれまでに蓄積された感情が滲み出ていて素晴らしかった。

神仏となったPCたちはレベルも30を超えてセットアッププロセスで大勢を決めてしまう
戦いを魅せるほどで、バトルの様子はまさに人外の域。最後の大一番も制した“九郎”が
第二の人生を真に謳歌せんとする意気揚々たる幕引きも実に綺麗なものでございました。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年03月30日

『ハンドレッド2 −歌姫のラブソング−』

「月刊ドラゴンエイジ」でのコミカライズを早々に決めた 箕崎准 先生が贈る学園バトル
アクション。第2巻は“ハヤト”に直接護衛を頼んできた歌姫との関係を描きます。
(イラスト:大熊猫介 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797373097.html


前巻に引き続いて話は実に分かりやすく繋がっていて、さらにバトルありラブコメありで
読みやすかったです。安心して読める感があります。“サクラ”は最初から好感度高めで
参戦してくるので最後の展開まで持っていかれて“エミリア”大変、といったところ。

“サクラ”の持つ能力は“ハヤト”たちとは少し違う使い方、有り体に言えば支援系という
括りになりますが効果は絶大。とは言え、今回「サベージ」の持つ核が密漁するに足る程
有用であることが分かり、それだけが敵ではなくなったことがどう影響するか見もの。

意外に油断も隙も(好きも)ある“クレア”ですが、リトルガーデンの艦長、女王としての
彼女には抱えざるをえない秘密もあるようで、しかもそれに対して遠慮なく身を乗り出して
くる“シャーロット”の言動と共に内容が気になるところで次巻へと続くのでありました。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年03月29日

『GJ部◎』

新木伸 先生が贈る大人気シリーズの「無印」版が花丸をつけて返り咲き。本編で語られる
ことのなかったエピソードを四コマ小説と短編形式にまとめてお届けするカタチとなります。
(イラスト/あるや 先生)

http://gagaga-lululu.jp/gagaga/newrelease/index.html#03


「誤解と疑惑の果てに」を読み終えて、改めて本作と絡めて『明るい家族砲計画っ!』の
後日談とかも書けるのではと思ったりもしますが、それはさておき。“キョロ”は平和的
敗北主義者でありながら譲れない点はは譲らない頑固な面があることが窺える挿話でした。

やはり“紫音”は“しおんさん”のほうが可愛らしくていいですね、とか思ったり。その
彼女に対して逆襲できるくらいには成長した“キョロ”が部長としてどんな不遜な態度を
とっているのかも見たかったのですが・・・『〜中等部』の中で垣間見れることを期待か。

「GJ部」の面々に拉致られてから、「GJ部」の面々に急遽呼び出されて卒業旅行へ繰り出す
まで。“真央”に振り回されてばかりの“キョロ”もいつしか満更じゃない思いを感じる
ようになるまでが縮図のように表わされている気もした1冊でございました。

posted by 秋野ソラ at 00:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年03月28日

『俺、ツインテールになります。3』

水沢夢 先生が贈るツインテールを愛する者の物語。第3巻は人間の少女である闇の処刑人
“ダークグラスパー”と戦えるのか苦悩する“総二”を他所に物語が進行していきます。
(イラスト/春日歩 先生)

http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solc_dtl?isbn=9784094513981


逢空万太 先生の帯コメントにあるとおり、今巻においても純粋な性癖を持つやっかいな敵が
現れます。その名も“ケルベロスギルティ”。その身が持つ技、あるいは業でテイルブルー
とテイルイエローの力を抑止するとかバカバカしくてステキです(褒め言葉)。

“ダークグラスパー”もまた厄介な性格で実際に居たらやりにくいだろうな、と思いますが
それに絡まれる“総二”にはご苦労さまと言うしかありません。ツインテイルズのみんなを
失意のどん底に落とす行動を見せた彼女が今後どう仕掛けてくるのか気になるところ。

“慧理那”の家の掟に係る騒動をツインテールへの愛だけでねじ伏せる“総二”が変わらず
魅せたムダな熱さといい、ノリの良さに磨きが掛かっていて大変面白かったです。いつか
“総二”の性癖も抑圧される日がくるのだろうかと想像しつつ、次巻も期待しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年03月27日

『安達としまむら』

入間人間 先生が贈る「ガール・ミーツ・ガール」ストーリー。サボリ系女子高生である
“安達”と“しまむら”が過ごす緩慢な日常が少しずつ変化していく様子を描きます。
(イラスト/のん 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1303.php#new6


私は学校の授業をサボってどうこう、という経験があまりなかったので二人が過ごす特別な
時間の描写というのは実に新鮮に映ります。気がつけばそこに居る彼女、分かり合えている
ようで実は知らないことばかり、という微妙な関係が緩い感覚を後押ししているかのよう。

知らないということに気がついて、知りたいことが増えていく。その気持ちがいつしか少し
行き過ぎた好意に近づいているのではないかと一人突っ走る“安達”の困惑気味な機微と、
そんなことはお構いなしにマイペースを貫く“しまむら”の言動が対照的で微笑ましい。

ある程度の結論付けをした“安達”に今後“しまむら”がどう対処していくんだろう、と
想像してみるのも面白いのではないかと思いました。たまに百合成分を補給しておきたく
なることがあるので、自分にとってはちょうど良いタイミングで刊行された作品でした。


# のん 先生のイラストがまた絶妙な雰囲気を描き出しているのもポイント高いです。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル