2013年01月07日

『僕は友達が少ない CONNECT』

平坂読 先生が贈る大人気シリーズ、位置付けとしては8巻と9巻の間に相当する今巻は
“小鷹” 以外の視点で過去に語られた/語られなかった話を綴る「繋がりの物語」です。
(イラスト:ブリキ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/909


“羽瀬川” と “柏崎” の家同士の付き合いというか繋がりが見えると共に “天馬” が
“小鷹” たちの物語の下地を形成、関与しているところが見えたのがまず印象に残ります。
あの親にして “小鳩” あり、というのも乙なもの。“ステラ” も苦労性ですねぇ。

“理科” 視点で綴る 「クオリア/もう一つの動き出した時間」 がまた興味深い。普段、
隣人部の面々に見せている言動の裏であのような僻みのある感情を抱いていたのかという
こと、彼女もまた問題を抱えていたということが分かってとても新鮮でした。

ゲームが意外に得意、といった設定の裏打ちがなされた “幸村”。彼女が「彼女」たるに
至ったその生い立ちを描く 「曇りなき心の月を先だてて」 はまさにその奇跡の軌跡とも
言える内容でございました。親も親なら周囲も周囲です。実に印象深い挿話の数々でした。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル