かつて英雄と呼ばれながらも魔力を失い今を生きる少年の物語を 藤春都 先生が綴ります。
(イラスト/refeia 先生)
比例するということ、「領域」を持たない者は他人のそれを奪って、すなわち「侵奪」に
よって魔術を行使するほかに術がないということ。この2つが物語の根底にあります。
“アスト”がその理由を探る中で「天帝」の祖たる人物が如何にして最強の魔術師となった
のかを想像する契機を得ます。即ち侵奪によって魔術師を束ねていた存在ではないかと。
あっても再び魔術を使い、英雄として振る舞えるのもいつしか得られた仲間とその信頼が
あってこそ。故に底辺から形勢を逆転していくまでの過程が楽しめる物語だと思います。