2012年11月10日

『ソード・ワールド2.0リプレイ with BRAVE(2) 戦乙女のオデッセイ』

北沢慶 先生/グループSNEが贈る聖戦士“ロイ”王子の物語。海へ投げ出された“フィオ”
の無事は? “ヘザー”は聖剣の封印を解けるのか? と気になる点が盛りだくさんです。
(イラスト:秋津たいら 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201207000051


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  フィオ : ああ・・・・・・蛮族となれ合い、挙げ句蛮族に身をやつすなんて・・・・・・
       ああ・・・・・・!
  レーシィ : そんなにイヤなら、起動キーを受け取ったときにコクランを蹴飛ばし、
       「おまえは用済みだ、半魚人」って言ってやればよかったのだ(一同爆笑!!)。
  フィオ : そう言えれば、どれだけ簡単だったか! だけど・・・・・・だけど、
       命を助けてもらった以上・・・・・・恩人は、殺せない・・・・・・っ。
  一同 : (笑)
  レーシィ : ・・・・・・それを成長というのだ。フィオ姫。
  フィオ : は・・・・・・!?

  フィオ : うわーんうわーんっ、そんな成長嬉しくないもんっ! 少なくとも、
       レーシィだけは言われたくないもん!(涙)
  ガレット : どうどう(笑)。
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「キル・バルバロス」を公然と謳う “フィオ” ですが、蛮族であるマーマンに助けられた
とあって、更に言うとそのマーマンが立場の弱い側の種族であるが故に即ファイアボール
ともいかず、実に気を揉む、面倒臭いロールプレイ(苦笑)が続きます。

「ギルツークの光」に関する重要拠点への所信を明らかにする段階で “ロイ” が聖戦士
たる証左を改めて見たように思います。“セオドア” や “フィオ” が言うことも至極
もっともでしたのにあっさりとあの選択肢を選べるのは彼だからこそなのでしょう。

・・・それにしても今巻は内輪ネタやメタな発言などの連発で、そういった面でも楽しませて
もらった感が強いです。“オルネッラ”の出オチとか最高すぎる(笑)。“ヘザー” 側の
視点と切り替えつつの進め方も見どころの一つかと思います。次巻も楽しみにしています。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年11月09日

『月花の歌姫と魔技の王II』

翅田大介 先生が贈る、稀代の科学者で魔法使いでもある少年の物語。2巻は家庭教師の
アルバイトを始めた “ライル” が思わぬ騒動に巻き込まれ、力を発揮する顛末を描きます。
(イラスト/大場陽炎 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1211.php#novel121104


“ライル” の教え子となった “イルザ”。何やら訳アリな彼女が彼との距離感を少しずつ
それでいて劇的に縮めていくまでの過程が実にドラマティック。最後には “マリーア” や
“ルーナリア” に対してしたたかにもライバル宣言をするあたりがこれまた侮れません。

“ライル” に対する気持ちの整理がついていないことを指摘してくれた姉との出会いから
二重の葛藤に苛まれることになる “ルーナリア”、“ライル” のためならば時に彼と意見
を違えることもやぶさかでない強い意志を見せる “マリーア” も負けてはいられません。

“ライル” が二人の想いに素知らぬ振りをするのにも彼なりの理由がある、ということが
分かった点も興味深いところ。誠実で真摯な姿勢があるからこそ彼の魅力に繋がっている
のであろうことが推し量れます。最後に見せた不穏な動きがどう繋がるのか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年11月08日

『ひきこもりの彼女は神なのです。7』

すえばしけん 先生が贈る、神と人が繰り広げる超日常ストーリー第7巻。“亜夜花” の父
“結” からの三本勝負を受けた“天人”が予想を裏切る事態の連続で窮地に立たされます。
(イラスト/みえはる 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1211.php#novel121107


再びひきこもりはじめた “亜夜花”、“梨玖” の失踪、“てとら” からの接続切断──。
すべて “結” が仕組んだかのようで、しかしながらどれも自発的に起きた考えたくもない
悪化の一途を辿る状況に “天人” でなくても絶望感を味わわせられるところ。

ところがどっこい、“てとら” の真意について説明を受けて、更には “リョウタ” たちの
助力を得て絶望の淵から這い上がった “天人” の姿を見て、そして決心した “亜夜花”
の言動を確認して、ようやく人心地がついた気分になりました。

勝負もあと一本を残す中、“てとら” の事情もあり、“結” もまだ奥の手を残している
ということでまだまだ予断を許さないのが現状。思わぬ期待と伴侶とも言うべき存在を伴う
ことになった “天人” がそれを打破してくれるのか、続きが楽しみなところです。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年11月07日

『ラブコメ圏外』

内堀優一 先生が贈る新作。闇に葬りたいほどの黒歴史をもつ少年少女が高校生デビュー
に伴い「普通の高校生」を目指すべく、その象徴として選んだラブコメの発生に挑みます。
(イラスト/かわいそうな子 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1211.php#novel121101


これまでに上梓された 内堀 先生の作品を拝読しておりますが、今回も実に期待が持てる
面白い作品だと思います。登場人物に仕組まれた負の要素であるとか、仕込まれたネタの
数々であるとか、台詞回しを意識した書き方などが功を奏しているのでないかと思います。

「普通」という定義は存外むずかしいところですけど、「オタク」という存在に崇高さすら
感じている主人公 “銀次郎” が「普通の高校生」の前提条件として選んだラブコメへの道。
そこから思わぬモテ期を招くも、その思いに至らないのは昨今の主人公スキルそのもの。

毒舌の “久奈”、一見お嬢様な “桜子”、兄への好感度が振り切れている “杏子”。
これだけでもやっかい(苦笑)なのに残念な人たちが多いのも特徴。あとがきを見る限り
ではシリーズ化に触れていませんが 「ばっちこい!」 と言っておきましょう。

posted by 秋野ソラ at 00:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年11月06日

『パパのいうことを聞きなさい! 11』

松智洋 先生が贈る大人気ドタバタアットホームラブコメ第11巻。進級した“祐太”たち、
そして新宿キャンパスへと移った “莱香” が新しい環境下での生活に臨みます。
(イラスト/なかじまゆか 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/_papa/#b11


「口数が少ないからと言って、心の中まで無口とは限らない」。冒頭に添えられた一文が
示すとおり今巻では “莱香” が抱え込んだ、お医者様でも草津の湯でも治らないという
あの感情に気付きかけるまでの彼女の機微が、文中の端々から窺うことができます。

新入部員候補の “おさげちゃん” や “ミキ” との距離感をそこはかとなく縮めていく
“祐太” ですが、いつも家のことを世話してくれる “莱香” の様子を見た彼女の両親に
与えた誤解を解くために奮闘するあたりは相変わらずのお節介焼きぶりを見せてくれます。

“空” の周辺も色事に興味が出てきたようで、そんな様子を戸惑いつつも見届けながら
自分も頑張ろうとする彼女ですが、“莱香” や “栞”、そしてたぶん “サーシャ” も乱入
してくる状況において勝ち目はあるのか(苦笑)。実に楽しみな展開となってきました。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル