アニメを観て、語るというファンの立場から憧れの対象である「声優」になることを目指す
ことを決めた少女の希望と絶望を描く夢の物語を描くべく 高遠るい 先生が筆をとります。
(イラスト/高遠るい 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/new/1208.html#b04 】
声優に限らず、例えば小説家とかイラストレーターとかでもいいのですが、なりたいけど
実現するにはあまりにも狭き門で、やがては当初の熱量も失って身を崩していく。俗に言う
「ワナビー」 の心境を如実に表している作品だとまず思いました。
親の反対を押し切り声優を目指して専門学校へと飛び込んだ “沙絵” が実感した「現実」。
自分でも分かるほどに落ちぶれて性根が腐っていく自分自身を嘲笑するかのように現れる
“そいつ” と銘打った 「過去の自分」 の描写がこれまた胸に痛いものを感じさせます。
ここまでどん底を見せておきつつも本当に運良く、奇跡的に声優になる夢のかけらを掴み
取った “沙絵” が、同じくお眼鏡に適った “未知” や “狸子” と共に人生の崖っぷち
という窮地を挽回できるのか、続刊が出るのであれば確かめてみたいと思う次第です。