2012年09月26日

『ぜんぶ彼女に「視【み】」られてる?』

突如階段から転落し記憶喪失となった少年、そして馬乗りの少女。人や物の記憶が視える
彼女と奇妙な出来事に臨む異色の学園ラブコメディ。淺沼広太 先生の新作を拝読です。
(イラスト:すぶり 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_03


“八神” の言い回しは確かにクセになりそう。まぁ、実際に居たら意思疎通が難しすぎて
“智一” のようにはいかないだろうな、とか思ったり。唯一とも言えるかもしれない理解者
それも異性が現れれば意識が集中するのも自然な流れでしょう。

作中、記憶が視えるという “八神” のあらゆる性質を すぶり 先生の表紙絵が示している
ことに気付かされると 「よく出来たイラストだわ」 と感心することしきり。“智一” も
実にイイ思いを味わったのではないでしょうか。

お話としては登場人物たちの「記憶」にまつわる想いが現在に至るまで引きずられ、どこか
ねじれたものになってしまったけれど “八神” が視て、“智一” が伝えることで元の鞘に
収まっていく、という繋がりが自然で素直に読むことが出来ました。良かったと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年09月25日

『魔王なあの娘と村人A(4) 〜めっちゃメタなフェスティバル〜』

ゆうきりん 先生が贈る “魔王” な娘と “勇者” な少女の間に立つ “村人A” の奮闘記。
第4巻は 「個性者」 と 「村人」 が共に学園祭での劇を行うまでの顛末を描きます。
(イラスト/赤人 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1209.php#new8


「テイル・ユニバース」という世界、そして「テイル・メイカー」という存在。今回の話において
挙がった2つの関係が、個性者が出演し、それ以外のNPCである村人が脚本などで
演出するという劇という構図と似通っている。この点は今後注目すべきかと感じました。

個性者が村人たちを認識するのは難しい。村人たちが個性者に理解されるのは難しい。
そんな先入観にも似た思いから一度は頓挫しかけた企画でしたが、分かったつもりになって
いないか、という気付きを得た村人側の変化は今の世に通じる何かがある気がしました。

村人たち(女の子)と会話しているだけで “竜ヶ峰” たちから嫉妬の念を浴びる “佐東”
は相変わらずラッキースケベな目に遭っておりますが、今回の劇を終えて見えてきた
1つの可能性が今後どう活かされていくことになるのか、楽しみであります。

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2012年09月24日

『@HOME(3) 長男と長女を巡る喧噪。』

藤原祐 先生が贈る一風変わった家族、倉須家を巡るハートウォーミング(?)ストーリー
第4巻は長男 “高遠” と長女 “礼兎” のさりげなくも強く、深い絆を描きます。
(イラスト/山根真人 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1209.php#new13


“浅川” 先生の実に用意周到な根回しと、まともそうに見えてとても残念な言動の数々が
陰湿な下衆っぷりを演出しております。そこをさも何とも無いかのように振る舞っていた
“高遠” が容赦なく言葉でぶちのめすあたりは余計に心がスカッとするものです。

普段は気の強いそぶりを見せる “礼兎” が今回 “高遠” に助けられたことで、彼女が
“高遠” に対してどういう想いを抱いているのかが浮き彫りになったかと思います。
2人揃ってややこしい家族関係である、ということも。

今回の家族旅行から結婚騒動にかけての騒動の中で、「倉須家」 という家族の特異性と
家族が離れ離れになることへの恐怖感をそれぞれが抱いている面が改めて示されました。
“響” を始めとする皆がどう受け止め、成長していくのかが今後気になるところです。

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2012年09月23日

『デュアル・イレイザーII』

折口良乃 先生が贈るアーケード・デュアルバトル第2弾。相変わらずの距離感を維持する
“刀雅” と “紀沙羅” の前に現れた幽霊イレイザー。正体を暴くべく彼らが挑みます。
(イラスト・メカニックデザイン/黒銀 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1209.php#new11


秘策をもって “刀雅” たちが幽霊イレイザーと対峙している間にイイところを見せた
というかオイシイ目に遭ってる “桐也” くんマジイケメンということで。まぁ、彼の功績
無しに今回の騒動の完全勝利は為し得なかったと思いますけど。

秘策絡みで見えた “あずな” の本音、というか “岬” に対する感情の示すところが
意外だったというか、思っていたより我が強いなと感じたのが印象的で。あと、“岬” の
関係している背後とか家族関係の微妙なところが垣間見えたのも記憶に残るところで。

喧嘩して仲直りできないようじゃ良い関係とは言えない、といって殴り合いでカタをつける
ことに同意するところも案外同類なんじゃないかと思う “紀沙羅” を南の島にある研究所
に招待する母の危険思想に “刀雅” は耐えられるのか、ということで次巻へ続きます。

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2012年09月22日

『魔法科高校の劣等生(7) 横浜騒乱編<下>』

累計5000万PVを誇るWeb小説を改めて世に送り出す 佐島勤 先生の大人気作、第7巻。
論文コンペ開催中の横浜に突如現れた武装集団に魔法科高校の生徒たちが対峙します。
(イラスト/石田可奈 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1209.php#new2


もう “達也” の 「何でもアリ」 感がハンパない。因果をも捻じ曲げる彼の魔法について
“深雪” からその代償に関する説明も入りましたが、それよりもやってのけたことの方が
インパクトが強くて印象にのこってしまったという気がします。

まぁ、「サード・アイ」 も多くの人の目に見える形で強烈な結果を残してくれているの
ですけど。あと、“深雪” は怒らせると怖いということが彼女の魔法「コキュートス」を
受けた敵兵の末路を見ることで明らかとなりました。・・・コワイ、コワイ。

「横浜事変」と銘打った騒乱の中で十師族の面々も数々の奮闘をみせてくれました。そして
「灼熱のハロウィン」と後世に伝えられることとなった今回の出来事。魔法師を「兵器」
として世に知らしめたことが後々どう響いていくのか、先が気になるところです。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル