2012年08月31日

『一年十組の奮闘 〜クラスメイトの清浄院さんが九組に奪われたので僕たちはクラス闘争を決意しました〜』

十文字青 先生が贈る軍象モノ、もとい群像小説第1巻。学園カーストの底辺に位置する
一年十組のメンバーが熱い絆をもって暴力に立ち向かっていくクラスバトルを描きます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/885


群像モノ、ということで一年十組のメンバーに関する説明に多くを費やすことになりますが
副題にもあります通りその中の1人、姫こと “清浄院マリカ” に重点を置いて話を進めて
いく形になります。・・・それにしても突飛なキャラクター多いな。

“りゆ” の無邪気で無垢なところと、“幸子” のお花畑が見えそうなアホっぷりが目に
つきます。挿絵にもなっているのでお読みになればお分かりいただけるかと思いますけど。
“オッサン” はモロに役得だよなぁ。“茂” もある意味そうなんだろうなぁ。

カースト、というかクラスごとの上下関係がありますので差別発言とかも出てきます。
そういったものが苦手、という方には難しいかも知れませんが限りある力を合わせて
困難に打ち勝つまでの過程と結果は晴れ晴れするものがあります。次巻にも期待です。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年08月30日

『精霊使いの剣舞8 決戦前夜』

志瑞祐 先生が贈る学園ファンタジー、シリーズ第8巻。「精霊剣舞祭」 決勝戦へと駒を
進めた “カミト” たちの束の間の休息に、それぞれの思い出話で過去を振り返ります。
(イラスト:桜はんぺん 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/896


「夜の剣舞を舞うのかもしれないわ」 というセリフがなぜかツボに入りました。淫王だの
お昼の魔王だの散々な言われようの “カミト” ですが、相変わらずの役得ぶりに爆発を
祈念せずにはいられません。もっと際どい絵があっても良かったかな、“レオノーラ” は。

彼の異性交遊を後押しする茶目っ気を見せつつ現れた黄昏の魔女 “グレイワース” に
ついての昔語り。“カミト” もいろんな面で苦労していたことが窺えます。コスプレ
させられるとか大変ですね。その昔話を聞いた “クレア” の反応がまた微笑ましい。

そんな “クレア” の昔話も実に意外性のある内容で至極驚かされたという気がします。
“グレイワース” の突然の来訪にも実は意味があって、という展開。そして今回行われる
「精霊剣舞祭」 の異常性を予感させるエピローグに次巻への期待が高まるというものです。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年08月29日

『魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5』

川口士 先生が贈る戦姫ファンタジー第5巻。ガヌロン軍、テナルディエ軍、銀の流星軍と
三つ巴の戦端が切り開かれる中、“ティグル” には1つの決断を迫られることになります。
(表紙・口絵イラスト:よし☆ヲ 先生 本文イラスト:柳井伸彦 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/886


過去の生い立ちから今の価値観を抱かざるをえなかった “テナルディエ”。アルサスを
襲った彼の判断、その理由を彼に直接問いただした “ティグル”。迷いなく臨んだ両者の
一騎打ちは深く静かに心を揺らすものがあって本作らしい名勝負でありました。

今巻では都合により 柳井伸彦 先生が本文の挿絵を担当することになりましたが、キャラを
掴むのに手間取って読む時間がいつもより掛かってしまった感があります。イラストという
直接的なイメージにも頼ってライトノベルを読んでいるんだな、と再認識させられた次第。

“ティグル” を巡って言い争う “エレン” と “ミラ” のやりとりもますます熱を帯びてきた
ところで彼も意味深長な称号を “ファーロン” 王より拝命したり、と複雑な想いを各々に
抱かせつつ半年の年月が過ぎ、第二部への幕が開くということで引き続き期待する所です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年08月28日

『棺姫のチャイカX』

虚淵玄 先生の帯コメント、茶菓山しん太 先生のコミックス第2巻発売に後押しされる
榊一郎 先生のシリーズ第5巻。「禁断皇帝」の遺体を巡り三つ巴の戦闘に突入します。
(イラスト:なまにくATK 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201205000017


今回は “フレドリカ” に様々な面で助けられる、というか彼女が居なかったら話が全然
進まなかっただろうな、と思えるくらいの展開でした。彼女の “トール” に対する感情
というか関係性がまた一つ読みにくくなったな、という気もしつつ。

“アカリ” の豹変に伴い、“チャイカ” も魔力源が不足している中で頑張ってくれて
おります。魔力源を補う緊急手段、“トール” が 「禁じ手」 にしろ、と厳命したその
手段がいつか物語の大きな変換点に繋がるのではないかと気にしているところです。

“ガヴァーニ” 公爵が持つとされる 「遺体」 の一部を狙って “トール” も孤軍奮闘の
活躍を見せてくれましたが、相手のほうが一枚上手であったようで更なる裏切りに遭い
“チャイカ” の絶叫を呼ぶ窮地へと投げ出されるところで次巻へと続いちゃいます。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年08月27日

『スカイ・ワールド2』

瀬尾つかさ 先生が贈るオンライン冒険ファンタジー第2巻。10日以内にクリアしないと
死亡する呪いのクエストを発動させた “かすみ” を救うべく “ジュン” たちが動きます。
(イラスト:武藤此史 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201201000345


「スカイ・ワールド」 におけるクラスを説明する一覧を見ると「制御役」という分類が
存在します。いわゆる「クラウドコントローラー」、対複数キャラとの戦闘において敵の
行動を抑止し味方の攻撃を一点集中させる役割を担うMMORPGによく見られるクラスです。

その中の1つ、「ガンスリンガー」 の “ユーカリア” を迎えてのクエスト攻略。戦闘中に
言動が豹変するというアレな方で実にイイ味を出してます。引っ掻き回し具合が絶妙。
もう一人、「黒魔術師」 “リュカ” を迎えて遂にパーティとしても体裁が整いました。

“かすみ” の窮地においてもクエストバカの本領を発揮する “ジュン” ですが、今回は
油断も重なって少しお灸をすえる結果となりました。サクサクと進む展開の中、“アリス”や
システムに対する新たな疑念を浮上させつつ、次なる場に挑む彼らの活躍が見ものです。

posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル