2012年04月30日

『ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・アカデミア(2) 燃えろ!第三生徒会』

中村やにお 先生/F.E.A.R. が贈る、ダブルクロスなのに学園ラブコメなリプレイ第二弾。
“修太郎”、そして 「第三生徒会」 に仮面の秘密結社から仕掛けられた窮地が訪れます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201201000333


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  やにお : おはようございます。──なんで、みんな笑ってるんですか?
  Oはた : こ、これ・・・・・・(ぷるぷる震えながら、ノートを指さす)。
  片岡 : れ、れいちゃんの・・・・・・新しい日記が・・・・・・(笑)。
  矢野 : いいから、やにおも読んでみろ。すごいぞ(笑)。
  佐藤 : いひひっ黒ハート すごくないですよ! 普通です!
 _____________________________________


・・・プリプレイにも入ってないのに笑い疲れるでしょ「れい's Diary」(笑)。コミカルな場面の
連続で破壊力がもう半端じゃない。佐藤有世 さんのセンスにはまさしく脱帽としか言い様が
ありません。これ、人が居るところで読めませんね、笑いが堪えきれなくて(苦笑)。

“修太郎” の超モテ期を利用してシリアスな話運びを演出する 片岡あづさ さんの技巧に
あふれたロールプレイがこれまた秀逸で脱帽クラス。「幼なじみ」という立ち位置、そして
過去の経緯も含めての機微を全体を通して見事に演じきったところは一見の価値アリです。

そんなお二人の想いも汲み取りつつ、秘策をもって臨んだ 中村 先生のシナリオもほど良く
お馬鹿(笑)で印象に残る内容となっていて、それだけでも読み応えはあります。安心して
オススメできるシリーズかと思います。引きからの続きも気になる3巻に期待しております。

posted by 秋野ソラ at 00:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年04月29日

『ミニッツ 〜一分間の絶対時間〜』

乙野四方字 先生の 「第18回電撃小説大賞・選考委員奨励賞」 受賞作。大河内一楼 氏の
推薦文をオビに載せた学園騙し合いラブストーリー、読ませていただきました。
(イラスト/ゆーげん 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1204.php#new11


“櫻” にしろ “遙” にしろ、腹に一物ある人物ばかり。腕っぷしではなく腹の探り合い、
高度な判断能力と言葉の力で相手をねじ伏せようとする彼ら、彼女らの機微の演出が深く、
静かに熱い。「馬鹿と天才ゲーム」 というギミックだけでなく、ありとあらゆる場面で。

2人の行動の裏にあるものが実は似通っていたりして、それが同族嫌悪を生んでいたり、
あるいは同族意識を育んでいたりと思春期ならではの精神的な不安定さも相まって複雑な
恋愛模様を描いております。・・・それにしても “彼方” の言動は読めなかったなぁ。

「鬼火憑き」という精神疾患との因果関係であるとか、穂尾付学園第三生徒会前期会長の
傑物具合といったぼやけた部分がどうなっているのか気になる所ではありますが、それは
シリーズ化して続刊が出れば明らかになるんでしょうかね、ということで期待しときます。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年04月28日

『サイハテの救世主 PAPERT:破壊者』

『ムシウタ』 の 岩井恭平 先生が贈る新シリーズ。過去の名誉や栄光を捨て、一人沖縄に
移住する破目となった天才少年。予測した世界の危機が迫る中、彼がとる行動や如何に。
(イラスト:Bou 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201112000096


唯我独尊というか傲岸不遜というか、“葉” の言動が鼻につく序盤からの展開ですが
話が進んでいくにつれて、自分が沖縄に逃げてきた理由、あるいは引き金となった場面の
記憶すら疑い深くなっていく過程はサスペンス仕立て。

かつて自分が提唱した 「破壊者」 の出現を示すかのような出来事が次々と発生する中で
かつての自分を思い出すべく自問自答し懊悩する様子。あるいは 「破壊者」 と対峙した
結果として導き出された一つの結論が、天才としての業の深さを早くも露呈するかのよう。

普通の人間として生きていくことができるのか、あるいは 「天才」 として生きていく
人生に呼び戻されるのか、そのあたりが今後注目すべき点ではないかと感じました。
もちろん、どんな「災厄」、あるいは自分自身の過去と向き合うことになるかも含めて。

posted by 秋野ソラ at 08:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2012年04月27日

『這いよれ!スーパーニャル子ちゃんタイム(1)』

「FlexComix Web」にて 星野蒼一朗 先生が連載を続ける 『這いよれ!ニャル子さん』 の
スピンアウトコミックが第8話まで1冊にまとまった、ということで読ませて頂きました。
(原作:逢空万太 先生 キャラクター原案:狐印 先生)

http://flex-comix.jp/comics/list/hoshinosouichiro/nyaruko.html#1


悲願とも言えるアニメ化を果たした作品のコミカライズに何の意味があろうか、と思った
こともありますがそんな懸念を吹き飛ばしてくれる小気味の良いノリとテンションで、
原作既読者でも楽しめることうけあいの作品かと思います。

原作を単に踏襲するだけでなく、原作のテイストだとかキャラクターが持つ要素だとかを
星野 先生なりに噛み砕いて話を構成しているように感じられるのが良いのかも知れません。
言うなれば本作の存在は 「公式同人誌」 に近いものがあるのかも。

幼女化したシャンタク鳥の “シャンタッ君” とナイトゴーントの “ナッ子” が生み出す
ふわふわな雰囲気であるとか、可愛いものに目がなさすぎて思わずキャラ崩壊しかけている
“ルーヒー” なども見どころかと思います。連載、そして第2巻の刊行に期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミックス

2012年04月26日

『這いよれ! ニャル子さん9』

ニコニコ動画で第1話の再生数が100万回を突破するなどTVアニメ放映が絶好調の勢いを
見せる 逢空万太 先生の大人気シリーズ第9巻は “ニャル子” たちの過去に迫ります。
(イラスト:狐印 先生)

http://ga.sbcr.jp/novel/nyaruko/


“真尋” もだいぶ「デレ」が進行してきている感じですね・・・・ってヒロインに向かって
言うべきセリフが毎度のことながら出てきてしまうワケですが。嬉々としてフォークを
まとめ買いする姿を見せるあたりは未だ険しい道のりなのかも知れませんけど。(苦笑)

そんな現場を目撃してしまう “琥太郎”、そして “理々” も(アニメ同様)ゲスト出演
しているあたりが微笑ましい。これはアレですね、またいつか両作品のコラボ小説を上梓
して頂いて 七 先生のイラストとも合作を果たすフラグってことにしておきましょう。

今巻は過去に出てきた設定回収する場面が多く、「そう言えばそんな話もあったな」 と
思うと同時に 「もう3年経ったの!?」 ないし 「まだ3年!?」 と感じられるものもあり
なかなか胸中複雑ですが安定した面白さがあることについては何ら異論はありません。

posted by 秋野ソラ at 01:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル