『レンタルマギカ』 シリーズ完結を前に 三田誠 先生が立ち上げる新作は、1回千円で
仕事を請け負う学生ボディガードと自らを仙人と称する吸血鬼との数奇な運命を描きます。
(イラスト:ゆーげん 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201109000162 】
なぜ貧乏性が沁みついた “馳郎” が 〈カエアン〉 なんて代物を借り受けているのか。
それが分かってからの怒涛の展開は熱いものがありますな。なんで千円なんだよ、という
点もそこに絡んできていて “馳郎” の人間性に興味を抱かせる形になっています。
そして 〈カエアン〉 はどことなく某 “テセウス” を思い起こさせつつ、こちらはより
人間味のあふれるAIである、ということで “馳郎” とのやりとりも単なる主従関係に
収まらない、面白みのあるシーンを演出してくれています。
互いの事情に巻き込んで、巻き込まれて、改めて縁を結びなおした “ナタ” と “馳郎”。
鬼仙の兵器、白翁の後継者という立場が今後どのような物語を紡いでくれるか、期待するに
足る出だしであると感じられました。次巻の刊行を楽しみにしておきます。