私立戦車隊 「ラビッツ」 の活躍を描く 兎月竜之介 先生のシリーズ第5巻。戦車修繕に
要する金を工面すべく参加する賞金レースに “サクラ” の結婚話がベットされます。
(イラスト/BUNBUN 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/_nina/#b05 】
表紙の雰囲気がどことなく最終巻を予感させますがちゃんと続きますよ、ということで
まずは一言。口絵とかもそうなんですが、緊迫感のある時の流れ、その瞬間を抜き取った
かのような BUNBUN 先生のイラストが今回は一段と映えていたように思います。
序盤から中盤にかけての何気ない情景の中に実は後半での厳しい局面を打破する鍵がある
という伏線の張り方が板についてきたように思います。『少女九龍城』 ではガチな百合
とのことですが本作でもほど良くその成分を吸収できるので助かります。
今巻は “サクラ” を中心に、昔も今も色々あります、ありましたという 「ラビッツ」
メンバーの新たな事情も見せてもらいました。レースの展開も、オチのつけどころも
楽しませてもらいました。次巻も引き続き楽しみにしておこうと思います。
2012年03月16日
2012年03月15日
『修羅場な俺と乙女禁猟区 2』
田代裕彦 先生が描くデッド・エンド・ハーレム・ストーリー第2巻。真の婚約者を選択
できなければ即破滅の “節” にタイムリミットが設定されて益々緊張感が高まります。
(イラスト:笹森トモエ 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02 】
若人にここまで悩ませるのも酷かな、とは思いますが 「どれが正解か?」 と出された
材料を吟味しああでもない、こうでもない、と懊悩するのが本作のポイントでもあると
認識しているので、ここは涙を飲んで茨の道を進んでもらうことにしましょう。
そんな “節” 少年に“十慈郎” から提示された正解に至るためのヒントをもとにして
疑心の種が芽吹いてくるワケです。婚約者たちを目にして。そこから見えてくる彼女たちの
新たな側面も明らかにしてくるのは抜け目無いというところでしょう。
今回 “節” はその選択肢を選ぶんだろうな、と思っていたらホントに選んじゃったよ!
ということでその結果を自分なりに受け止め、対処するあたりは大人が経験するかのような
ものがあると思います。すげぇよ “節” 少年、ということで次巻のギミックにも期待です。
できなければ即破滅の “節” にタイムリミットが設定されて益々緊張感が高まります。
(イラスト:笹森トモエ 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02 】
若人にここまで悩ませるのも酷かな、とは思いますが 「どれが正解か?」 と出された
材料を吟味しああでもない、こうでもない、と懊悩するのが本作のポイントでもあると
認識しているので、ここは涙を飲んで茨の道を進んでもらうことにしましょう。
そんな “節” 少年に“十慈郎” から提示された正解に至るためのヒントをもとにして
疑心の種が芽吹いてくるワケです。婚約者たちを目にして。そこから見えてくる彼女たちの
新たな側面も明らかにしてくるのは抜け目無いというところでしょう。
今回 “節” はその選択肢を選ぶんだろうな、と思っていたらホントに選んじゃったよ!
ということでその結果を自分なりに受け止め、対処するあたりは大人が経験するかのような
ものがあると思います。すげぇよ “節” 少年、ということで次巻のギミックにも期待です。
2012年03月14日
『ココロコネクト ユメランダム』
TVアニメ化に加え、ゲーム化も決めた 庵田定夏 先生の 「ココロコ」 シリーズ本編第6巻。
〈ふうせんかずら〉 から告げられた最後予告で 「文研部」 メンバーの心に衝撃が走ります。
(イラスト:白身魚 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01 】
一通り読み終えた後、改めて表紙絵を眺めてみると 「深いものがあるな」 と思うワケで。
〈ふうせんかずら〉 から付与された 「山星高校全員の願望が見える」 という能力を巡って
「文研部」 メンバーの思惑が割れた状況を如実に表しています。いい仕事されますなぁ。
今巻で見えた “太一” という一個人の抱える問題点が自分としては色々と考えさせられる
ものがあったりしました。軽く人生を省みたくなるくらいには。対して “青木” の株が
ここで一気に急上昇したというか、男を見せつけられた感じです。カッコ良かった。
崩れそうになる心を何度も奮い立たせて “太一” を諌め続けた “姫子” の言葉が最後は
ようやく届く形となってすごく救われた気分になりました。涙を流すのも無理も無い話で。
・・・そんな雰囲気を揺るがしかねない最後の 「問いかけ」 に不安を想起しつつ続きます。
#“紫乃” のハイテンションな暴走具合がナニゲに面白かったり。(w
〈ふうせんかずら〉 から告げられた最後予告で 「文研部」 メンバーの心に衝撃が走ります。
(イラスト:白身魚 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01 】
一通り読み終えた後、改めて表紙絵を眺めてみると 「深いものがあるな」 と思うワケで。
〈ふうせんかずら〉 から付与された 「山星高校全員の願望が見える」 という能力を巡って
「文研部」 メンバーの思惑が割れた状況を如実に表しています。いい仕事されますなぁ。
今巻で見えた “太一” という一個人の抱える問題点が自分としては色々と考えさせられる
ものがあったりしました。軽く人生を省みたくなるくらいには。対して “青木” の株が
ここで一気に急上昇したというか、男を見せつけられた感じです。カッコ良かった。
崩れそうになる心を何度も奮い立たせて “太一” を諌め続けた “姫子” の言葉が最後は
ようやく届く形となってすごく救われた気分になりました。涙を流すのも無理も無い話で。
・・・そんな雰囲気を揺るがしかねない最後の 「問いかけ」 に不安を想起しつつ続きます。
#“紫乃” のハイテンションな暴走具合がナニゲに面白かったり。(w
2012年03月13日
『問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て』
竜ノ湖太郎 先生の「問題児」シリーズ第4巻は、“レティシア” を奪われて始まった
勝利条件のないギフトゲームに “十六夜” たち 「ノーネーム」 の面々も挑みます。
(イラスト:天之有 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201106000089 】
いつも何かと焦点が集まりやすい “十六夜” の出番は控えめに、今巻は “耀” が場の
進行を支えてゲームクリアへの道筋を立てる流れとなりました。また、能力的には派手さの
欠ける能力について思わぬ底力を感じさせるテコ入れもありました。
まぁ、能力の話は “飛鳥” も同様でしたし、“十六夜” がオイシイところを攫っていく
ところもあったりするのですが。クリアするまでに幾つかの過程を経る一筋縄でいかない
流れは某 「FS判定」 を彷彿とさせるかのような緊張感がありました。
更には “レティシア” の抱える業であったり、「十三番目の太陽」に込められた意味で
あったりなど見えてくるものが増えてキャラクターの深堀りも進めてくる場面がありました。
これらを受けて新たなステップを踏み出す 「ノーネーム」 一行の辿る道筋に注目です。
勝利条件のないギフトゲームに “十六夜” たち 「ノーネーム」 の面々も挑みます。
(イラスト:天之有 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201106000089 】
いつも何かと焦点が集まりやすい “十六夜” の出番は控えめに、今巻は “耀” が場の
進行を支えてゲームクリアへの道筋を立てる流れとなりました。また、能力的には派手さの
欠ける能力について思わぬ底力を感じさせるテコ入れもありました。
まぁ、能力の話は “飛鳥” も同様でしたし、“十六夜” がオイシイところを攫っていく
ところもあったりするのですが。クリアするまでに幾つかの過程を経る一筋縄でいかない
流れは某 「FS判定」 を彷彿とさせるかのような緊張感がありました。
更には “レティシア” の抱える業であったり、「十三番目の太陽」に込められた意味で
あったりなど見えてくるものが増えてキャラクターの深堀りも進めてくる場面がありました。
これらを受けて新たなステップを踏み出す 「ノーネーム」 一行の辿る道筋に注目です。
2012年03月12日
『クロス×レガリア 吸血姫の護りかた』
『レンタルマギカ』 シリーズ完結を前に 三田誠 先生が立ち上げる新作は、1回千円で
仕事を請け負う学生ボディガードと自らを仙人と称する吸血鬼との数奇な運命を描きます。
(イラスト:ゆーげん 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201109000162 】
なぜ貧乏性が沁みついた “馳郎” が 〈カエアン〉 なんて代物を借り受けているのか。
それが分かってからの怒涛の展開は熱いものがありますな。なんで千円なんだよ、という
点もそこに絡んできていて “馳郎” の人間性に興味を抱かせる形になっています。
そして 〈カエアン〉 はどことなく某 “テセウス” を思い起こさせつつ、こちらはより
人間味のあふれるAIである、ということで “馳郎” とのやりとりも単なる主従関係に
収まらない、面白みのあるシーンを演出してくれています。
互いの事情に巻き込んで、巻き込まれて、改めて縁を結びなおした “ナタ” と “馳郎”。
鬼仙の兵器、白翁の後継者という立場が今後どのような物語を紡いでくれるか、期待するに
足る出だしであると感じられました。次巻の刊行を楽しみにしておきます。
仕事を請け負う学生ボディガードと自らを仙人と称する吸血鬼との数奇な運命を描きます。
(イラスト:ゆーげん 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201109000162 】
なぜ貧乏性が沁みついた “馳郎” が 〈カエアン〉 なんて代物を借り受けているのか。
それが分かってからの怒涛の展開は熱いものがありますな。なんで千円なんだよ、という
点もそこに絡んできていて “馳郎” の人間性に興味を抱かせる形になっています。
そして 〈カエアン〉 はどことなく某 “テセウス” を思い起こさせつつ、こちらはより
人間味のあふれるAIである、ということで “馳郎” とのやりとりも単なる主従関係に
収まらない、面白みのあるシーンを演出してくれています。
互いの事情に巻き込んで、巻き込まれて、改めて縁を結びなおした “ナタ” と “馳郎”。
鬼仙の兵器、白翁の後継者という立場が今後どのような物語を紡いでくれるか、期待するに
足る出だしであると感じられました。次巻の刊行を楽しみにしておきます。