2011年12月06日

『彼女がフラグをおられたら 俺、この転校が終わったら、あの娘と結婚するんだ』

12月2日に創刊となった 「講談社ラノベ文庫」 創刊メンバーの一員、竹井10日 先生が
送る、他人のフラグが見える少年の物語を描くハートフルラブコメディを拝読しました。
(イラスト:CUTEG 先生)

http://kc.kodansha.co.jp/SEP/90008/01/20111115_free/pre_publish/index.html#book02


だだ甘な姉、二回言うセリフ、メタな地の文、一風変わったセリフ回し──。どれもこれも
竹井 先生らしさがにじみ出る要素がふんだんに盛り込まれていてある意味、安心して読了
できました。『東京帝国☆北条恋歌』 が楽しめる方なら問題なく読めるのではないかと。

“颯太” が颯爽とフラグを折る場面を目にして興味本意で近づいていく美少女 “菜波”。
他人と距離を置きたがる “颯太” の度重なる拒絶反応にも決してくじけない “茜”。
姉 “菊乃” と男の娘 “恵” も交えてのドタバタ感が慣れ親しんだ感じで心地良い所。

登場人物ごとに付けられた思わせぶりな名前にも実は意味がありそう、ということが
「幕間」 の出来事から察することが出来ると共に、「フラグ」 そのものに込められた
意味合いが別にもありそうで興味深い展開です。続きに期待しておこうと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2011年12月05日

『生徒会探偵キリカ(1)』

今月、講談社がライトノベル業界へ 「講談社ラノベ文庫」 を掲げての殴りこみをかけた
その一角、杉井光 先生が送るハイテンション学園ラブコメ・ミステリを拝読しました。
(イラスト:ぽんかんG 先生)

http://kc.kodansha.co.jp/SEP/90008/01/20111115_free/pre_publish/index.html#book01


巨大学園生徒会もの、そして高校を舞台にした探偵ものを一緒くたにした企画、という
ことですが配役は基本的にスター・システムなのでブレもなく会話のキャッチボールが
面白いですし、キャラクターも魅力的ですので問題なく楽しめました。これはオススメ。

主人公 “ひかげ” が学園にまつわる事件に都度巻き込まれることでその特異性や傑出した
生徒会の面々の人間関係、取り分け8億という金を一手に扱う会計 “キリカ” のやや難が
ある性格やその背景を明らかにしていく話運びが自然で読みやすいと感じました。

また、優秀な姉 “ひなた” に対するコンプレックスを抱く “ひかげ” が “キリカ” の
トラブルを解決しようと、いつしか培ってきたコネを総動員してゴリ押しで解決する様子は
某ニート探偵を彷彿とさせて心熱くなります。続刊が楽しみな作品の登場を嬉しく思います。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2011年12月04日

『ログ・ホライズン(5) アキバの街の日曜日』

第一部完、と銘打った 橙乃ままれ 先生のシリーズ第5巻。オビにある 30 万部の数字が
目を引く中、今回は剣と魔法の世界で情報戦に挑む “シロエ” の動向に注目です。
(イラスト:ハラカズヒロ 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047276697/


“シロエ” に相対する “ミノリ” と “アカツキ”。互いが彼と寄り添う姿を見るとき自身の胸に
潜んでいた想いがあふれ出す。互いを認め合っているからこそ一歩身を引いてしまう二人の
少女の機微を描いているところが今巻のポイントの一つではないかと。

二つ目としては・・・ やはり “ソウジロウ” か。「爆発しろ!」 的な意味合いで(苦笑)。
じわじわと 「アキバ」 の街を、システムを支える 「円卓会議」 を襲う謀略に気付いた
“シロエ” がとった一手の結果としていろいろと見せつけられたカタチに。

そして三つ目。「アキバ」 の街以外の状況に触れたところで接触を図ってきた西の街
「ミナミ」 を治める 「Plant hwyaden」 のトップ “濡羽” の登場。白黒反転の演出など
別次元の腹黒さが窺えて今後の絡み具合が無性に気になるところ。


ハラカズヒロ 先生によるコミカライズも決定! ということで益々楽しみなシリーズです。


#橙乃 先生の解説ツイートも一見の価値アリかと。にしても「ソウジロウのとある一日」ェ・・・。

#■橙乃ままれ先生による『ログ・ホライズン』5巻発売記念解説ツイート集 - Togetter
#【 http://togetter.com/li/221302

posted by 秋野ソラ at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2011年12月03日

『アリアンロッド・サガ・ノベル・デスマーチ(2) あたしは決してあきらめない!』

『デスマーチ』 に登場する 「エンジェルファイヤー」 の活躍を描く 市川丈夫 先生の
ノベルシリーズ。表紙からスピンアウトしている “マルセル” もしっかり活躍します。
(原案:F.E.A.R. カバーイラスト:猫猫猫 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201104000050


“マルセル” に淡い期待を寄せる “ミネルヴァ” でさえ諦めかけた、誘拐事件の局面。
起死回生の策にうって出た “マルセル” が軍師として在る前に男として良いところを
魅せてくれました。・・・あそこまで肩を並べておいて気付かないとは何事かと(苦笑)。

「フェリタニア・メルトランド連合王国」 となってから徐々に無くなりつつあるとは
言えども 「メルトランド」 の人々が抱くエクスマキナへの偏見がもたらした悲しい事実
に対して “アキナ” が体当たりで本音をぶつけるところとか、心熱くなる展開でした。

そんな彼女の気持ちに心揺れる “イルファ” もシナリオに花を添える良いキャラでした。
今回、表紙も含めて “アキナ” が出張ってきましたが、“ギィ” や “ドラン” にも
ぜひ前に出てサイドストーリーを披露してもらいたいと思います。期待しています。

posted by 秋野ソラ at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2011年12月02日

『アリアンロッド・サガ・リプレイ・デスマーチ(5) 破滅を招く読みちがい』

様々なムチャ振りに応えてきた 田中信二 先生/F.E.A.R. の 「デスマーチ」 シリーズも
5巻目に突入。今巻も 菊池たけし 先生からの無理難題が待ち受けておりました。
(イラスト:猫猫猫 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201108000170


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  アキナ : ・・・・・・く。
  GM : ・・・・・・・・・・・・く?
  アキナ : く、悔しい──っ!? でも、面白いっ──っ!?
        今までのセッションでもこんな体験、初めてです! でも悔しいなぁ〜。
  ドラン : アキナが、壊れたナリ(笑)。
  アキナ : 今回は、打ちのめされましたよっ!(←かなり興奮気味)
  ギィ : そんな、面白そうに打ちのめされなくても!(笑)
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読んでいる側としても 「やられたッ!」 という、まんまと引っ掛かった感が強かったです。
妙に清々しい上にかなりテンションも高くなって、その勢いで最後まで読みきりました。
ムチャ振りへの応え方として素晴らしいものを魅せてくれたとしか言い様がありません。

“マルセル” の婚約者候補も出てきて 「これはッ!」 と思いましたけど今回は空振り。
『ノベル』 シリーズの “ラピス” も登場してリプレイ上でも鈍感ぶりをアピールする
ことになった彼の先行きが思いやられます。が、それを見ているのが面白いワケで(苦笑)。

“オーレリー” と “ギィ” のやりとりも定番となってきました。好きだなぁ、マム。
“アキナ” も 「ノルウィッチ」 を守るという使命を果たそうとする中で成長する様子が
見てとれて感慨深いものがあります。


今巻へのムチャ振りに対する回答として面白いシナリオ、そしてセッションに仕上げてきた
第9話、第10話の内容を受けて 「無印」 の菊池たけし 先生、そして「ゲッタウェイ」の
藤井忍 先生がどう対応してくるのか、楽しみです。


#『デスマーチ』 も挿絵の使い方は近年のラノベに並ぶくらい先駆的だと思う今日この頃。

posted by 秋野ソラ at 01:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル