2011年10月07日

『氷結鏡界のエデン(8) 悲想共鳴─クルーエル・シャウト─』

細音啓 先生の重層世界ファンタジー、第二楽章へと進む第8巻は “シェルティス” の
秘密を知った 「天結宮」 の人たちの混乱をよそに、更なる試練が押し寄せてきます。
(イラスト:カスカベアキラ 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201103000263


“イグニド” の想いが他と比べて圧倒的に先行しているので、誰も彼も踊らされて
翻弄されまくっている上に、“シェルティス” やその周囲に仕掛けられた心理的な
罠は非情にもこの上ない効果を発揮していて絶望感を漂わせます。

そんな中、“ヴァイエル” の言動が魅せてくれました。格好良いにもほどがある。
彼の言葉が、そして態度がかの罠に心揺さぶられた “モニカ” を立ち直らせる
契機を与えてくれました。一連の流れは今巻で一番いいシーンであったと思います。

彼女も改めて “ユミィ” と肩を並べることを決意して面白くなってきました。
“シェルティス” と “ユミィ” も “イグニド” の思惑を覆すべく想いを新たに
して志気も盛んとなるところに世界を脅かす脅威の登場とは先が気になる展開です。


・・・って、次の刊行は新作 『不完全神性機関イリス』 か。期待しておきます。

posted by 秋野ソラ at 05:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル