瀬尾つかさ 先生の迷宮塔(ラビリントス)攻略ファンタジー第2巻。“カイル” たちが
目指す塔の頂上へと近付くにつれ、これまでのさまざまな謎が明らかとなっていきます。
(絵 : 基井あゆむ 先生)
【 http://data.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804260 】
塔の攻略にあたって “ユーフォリア” や “リーゼロッテ”、“ザイド” との関係が
浅からぬものになったこと、若かりし頃に “クリス” とパートナーを組んでいたこと、
かつで魔界で出会った “エフィ” と約束したこと──。
そういった今と昔の “カイル” を織り交ぜて描写することにより 「聖王家への復讐」
という目標を胸に秘めて活動してきた彼自身の心境の変化が描写できていたと思います。
また、“エフィ” の乱入や未来視の力で “ユーフォリア” 自身がそうあってほしくない
と願った結末と対峙することで想いを強固なものとした所も上手く演出できていたかと。
最初から最後、しかも重要な部分に至るまでそのマイペースさを貫いた “ラプンツェル”
の言動には今巻でも救われた、というか和まされた気がします。
“フイルクイル” とはいったい誰だったのか、18年前に塔が完成した時に本当は何が
起こっていたのか、等々いろいろと謎も明らかにしてもらいましたし、エピローグも
綺麗な終わり方ですし、結論として良いお話だったのではないかと思った次第です。
・・・ここで終わってしまうのは残念な気がしてならない気持ちも、もちろんあるのですけど。