「魔導書大全」 を含めるとこれが 21 冊目となる 三田誠 先生の大人気シリーズ。
大魔術決闘(グラン・フェーデ)の開始と共にそれぞれの力が、思惑が衝突します。
(イラスト:pako 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201010000065 】
「この二年ほどで、少年は驚くほど変わった」。彼、“伊庭いつき” をそう評する
“アディリシア” の想いは、これまで付き合ってきた読み手としても同様に感じる
ところはあるもので。今巻でも思いもよらぬ奇策で登場人物たちを翻弄してくれます。
もちろん、やられっぱなしの 〈協会〉 や 〈螺旋なる蛇(オピオン)〉 の面々であろう
はずもないのですが、混戦の中で始まった大魔術決闘を更に惑わすスタンドプレイヤー
“伊庭司” が思惑を隠しながらついに動き始めます。こちらも焦眉の的と言えるかも。
序章のエピソードもしっかりと絡めてきて盛り上がりを見せる中、“ギョーム” が
どう手の内をひけらかすのかが非常に気になる読了感。あとがきに示す 三田 先生の
思いが大魔術決闘真っ只中でどう現れてくるのか、次巻も注目しておきたいところです。
#本文と pako 先生の見開き口絵を見比べながら見るとまさに圧巻の一言です。