様々な偽りから生まれたエピソードがついに国と国とを、竜と機械仕掛けの竜を
激突させる最終局面へと誘う、三上延 先生の本作最終巻がついに登場となります。
(イラスト/椎名優 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1107.php#new11 】
最初に引用してきた 「序文」 が2人の “アバディーン”、彼らの命運を如実に示す形と
なっていて目を引くものがありました。“ジャン” を死へ誘わんとする “ヴィクトル” の
謀略を撥ね退けてからの彼の急成長ぶりには目を見張るものがありました。
“クリス”、“ティアナ”、あるいは “マグノリア”──。それぞれがそれぞれの想い人と
どういった関係を持とうとしたか。最終巻としてはその点も注目すべき所で。“ティアナ” が
それと気づいてからの折り合いのつけ方はこの作品ならではと言ってもいいでしょう。
“ジャン” が想い描く未来図の傍らにいつも 「彼女」 が居るんだろうなと思うと喜ばしい
やら切ないやらではありますが、物語としては良い纏まりだったという印象を受けました。
最後まで読めたことを嬉しく思います。三上延 先生、執筆お疲れさまでございました。