2011年07月17日

『お前のご奉仕はその程度か?』

「MF文庫J」 に端を発する 森田季節 先生の活動領域が今度は 「GA文庫」 へと拡大。
ボーイ・ミーツ・ヴァンパイア・ラブコメディ、と銘打った本作を拝読しております。
(イラスト:尾崎弘宜 先生)

http://ga.sbcr.jp/novel/omaeno/


「孫が女にモテるように」 と仕掛けた呪術の影響をモロに受け、女の子とのいい思い出に
縁遠くなった “良太”。彼が吸血鬼 「血族」 の帝国に迷い込み、それに従属する存在
「ミニオン」になってその呪縛から解かれる・・・かと思ったらなり損ねて血を狙われるハメに。

これまで過ごしてきた日常、あるいは主人 “詩憐” の 「ミニオン」 候補として過ごす
非日常における女性陣とのやりとりが何とも面白くて、なるほどしっかりラブコメしている
という安心感が得られます。時折、残念な台詞が混じるのは時代の流れでしょうかね。

“良太” の回想シーンで何度か思い描かれる初恋の相手 “王花” が物語上で実は重要な
役割を担っていたり、と点と点が線で繋がっていく話運びの妙も織り込まれていたりして
続きに期待がもてるシリーズになりそうな予感がします。2巻も「買い」だな、ということで。

posted by 秋野ソラ at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『魔法の材料ございます(7) ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚』

葵東 先生の 「魔材」 シリーズ、本編に話を戻しての第7巻が登場。表紙絵を再び
メイド服姿の “サシャ” にしつつ、気持ちを新たに物語は進んでいきます。
(イラスト:蔓木鋼音 先生)

http://ga.sbcr.jp/novel/mahou/ 】 


「店の三代目」 から 「魔法使い連盟代表」 へと大きく立場を変えてきた “シャルト”。
そんな変化も、周りの人々が思うように動くことも無ければ 「サシャ以外に弱点ないし」
などと公言するあたりを見るに彼の本質を何ら揺るがすものではないことが窺えます。

むしろその立場を、更には今回のドラゴン襲来騒動をも利用して 「魔神」 打倒への
足掛かりを着々と進めていくあたり、したたかさにますますの磨きが掛かっています。
第三王子 “バルシュタット” 公の思惑に打ち勝てるかが見どころの1つになるでしょう。

もう1つ、“アーテ” のふとした気付きや主人の留守中に訪れた客への対応の中から
“サシャ” が抱いた “シャルト” に対する僅かな 「疑念」 が二人の関係にどう作用して
くるのか。こちらも興味深いところですので次巻以降の展開が何とも楽しみであります。

posted by 秋野ソラ at 22:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『乙女はお姉さまに恋してる(2) 〜窓越しの異邦人〜』

PSP版も発売され、アニメ化の企画が現在進行中となっている 嵩夜あや 先生の本作。
第2巻は “初音” と “優雨” の揺れ動く姉妹関係に焦点が当てられます。
(イラスト:のり太 先生)

http://ga.sbcr.jp/novel/otome/
http://otbk2.com/


“初音” は無自覚の気持ちに悩み、“優雨” は内に秘めた的外れな想いに悩む。
そんな2人の本質を “千早” や “雅楽乃”、“ケイリ” がそれぞれの視点から
見抜き、事態の収拾に繋げていく様子はまさに慧眼という他に無く。

それ以外にも “薫子” の家の問題であるとか、過去の自分と今の生活との対比を
思い返すにつれ戸惑いが隠せない “千早” の機微にも触れられていて、女子寮の
面々へのフォローが抜け目無く行われているのも楽しませてもらっている点の1つ。

今のところ好きなキャラクターとしては “雅楽乃” ということになるワケですが、
それは置いておくにしても 嵩夜 先生と のり太 先生が描くキャラクターはどれも
相変わらず魅力的です。次はどこに話の軸をもってくるか、楽しみにしておきます。

posted by 秋野ソラ at 21:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『アリアンロッド・サガ ファンブック Heartbreak Memory』

菊池たけし 先生/F.E.A.R. のひょんなところから突いて出た、「ブレイク」 シリーズの
あの場面を膨らませて出来た物語に挑む “ベネット” たちを描くファンブックの登場です。
(イラスト:四季童子 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047274105/


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  GM : そ、それでは無事に野菜を食べ終えたとこで・・・・・・次のエリアに行きましょう。
  一同 : うえーっぷ・・・・・・(大爆笑)。
  リアノン : 口から野菜が飛び出しそうよ、あなた。
  マクリル : 我慢するんだ、リアノン!(大爆笑)
  GM : (笑)。
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竜輝石の1つ 「旅人の石」 に導かれた “ベネット” をPC@とする即席パーティ4人が
挑んだのは前回のファンブック 『Fellowship of Stone』 と同じく 関根博寿 GMが用意した
殺意高きダンジョン。極限状態に追い込まれたからこそ陥る惨劇の一幕と言えます(笑)。

「旅人の石」 が某QBさんっぽい台詞をしゃべったりするネタに負けることなく、今回は
我らが “ベネット” が笑いの面でもダンジョン攻略の面でも十二分に活躍ぶりを見せて
くれています。リプレイに関しては抱腹絶倒すること間違いないと言えるでしょう。

#合間合間に入る 「きくたけのつっこみ」 もリプレイの進行と笑いの助力になってます。


過酷なダンジョンを抜けた先で出会う “ベネット” 一行と “ナーシア” が出会ってから
の物語を演出するのがドラマCD。鈴吹太郎 先生ご推薦の 勝生真沙子 さんが演じる
“アザゼル” の存在感がハンパないです。山崎たくみ さんの “ゴーダ伯” も渋くてステキ。

お話としては、運命に抗おうとして避けられぬ事実を知り、それでも悲嘆に暮れることなく
前を向いて生きていく 「メルトランド王国」 のキー・パーソンと呼べる人たちの物語。
ここは特に “リアノン” の決意の深さを感じ取ってほしいところであります。

#「予告CM」も必聴。“ゼパ” 様のキメ台詞に 「旅人の石」 のアレまで入れるとは。


「ARAサガ」 ならびに 「ブレイク」 シリーズのファンならまず損はしない1冊かと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル