7/1から施行された改悪「東京都青少年の健全な育成に関する条例」のことを忘れない、
かつ戒めるためにも、文庫落ちした 有川浩 先生の代表作に触れておこうと思います。
(イラスト:徒花スクモ 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=201011000088 】
【 http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=201011000089 】
【 http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=201011000090 】
【 http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=201011000092 】
兎にも角にも 「読んでおいて良かった」 と思える痛快さと恋愛模様の描き方が見どころ。
「文庫版あとがき」 においても 有川 先生が 「こんな世の中になったらイヤですね」 と
触れられているとおり、本作が娯楽として楽しめる社会であり続けることを切に願う次第。
フィクションの中においても妙に 「これはもしかしたらあり得るんじゃないか」 と強く
感じさせるリアリティがそこかしこに散りばめられている。それが 「図書館の自由を守る」
という世界観にどんどんハマっていける要因になっているんだろうな、と思います。
「原発テロ」 が図書館とどう繋がるんだろう? という戸惑いから一転して “郁” の
恋愛感情にもケリをつける、まさに手に汗握る緊張感を味わわせてくれた本編ラストが
強く印象に残ります。「禁止用語」 という概念にも考えさせられるところがありました。
残り別冊2巻の刊行が控えておりますので引き続き楽しみにしておこうと思います。