2011年07月06日

『氷結鏡界のエデン(7) 空白洗礼』

細音啓 先生が送る重層世界ファンタジー。第7巻にして第一楽章(エピソードI)の
最後を締めくくる節目の1冊。“シェルティス” が過去最大の苦境に立たされます。
(イラスト:カスカベアキラ 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201103000262


うわぁ、これは見どころ盛りだくさんの展開を魅せてくれました。“シェルティス” が
あのラストからどうなってしまうの? というところはもちろん最大の焦点ではあります
けれど、“ユミィ” や “レオン” にも苦悩を生む結果となってもうどうするのかと。

始終余裕の表情を崩さない “イグニド” が憎たらしいほどに “シェルティス” の心を
揺さぶる展開は読み手としても気を揉むところで。そういった気持ちを喚起させるような
話運びの上手さを改めて感じさせてくれた1冊であったと、そう言ってよいかと思います。

“イグニド” を含めた 「異篇卿」 の面々に一手先を打たれた形で幕を引いた 「天結宮」
の面々がどう動き出すのか、第二楽章(エピソードII)「世界で一番近くて遠い夢」 へと
シフトしていく物語を紡ぐ 細音 先生の思惑とその具現化に期待が高まります。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル