2011年07月05日

『調停少女サファイア(1)』

『白夢(スノーミスト)』 シリーズを完結させた 瀬尾つかさ 先生が上梓する新作。
神の居ない世界に残る最後の竜とその調停者を描く物語を読ませて頂いております。
(イラスト:優木きら 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201011000266


1話ごとに話を区切る連作短編のような構成もあってか、ページ数の割に読みやすさを
感じさせてくれる物語だ、と印象がまず1つ。そして超常の存在である “エオン” の
力ではなく、あくまで “サファイア” の弁論の才を活かす点が印象的なのがもう1つ。

恋慕の機微に疎い “エオン” にやきもきする普段の “サファイア” と、当事者たちの
利害をシビアに切り分け、誰もが最小限の損失で騒動の落とし所を見いだす調停者
としての “サファイア” の対比が興味深い。・・・ギャップには弱いものです、いつの世も。

それと、話を進める中で “エオン” と “サファイア” の秘められた重要な過去を
小出しに、けれど着実に見せていく話運びも後を引く感じがして良いのではないかと
感じました。次巻でどういった方向性を示してくれるのか、楽しみにしておきます。

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2011年07月04日

『神なる姫のイノセンス(4)』

7人の 「ヒメ神」 を落とすべく日々を過ごす男子高校生 “神堂祐貴” の物語。
シナリオライターでもある 鏡遊 先生が送る本作が1つの転換期を迎えております。
(イラスト:鶴崎貴大 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=28095


“祐貴” じゃないですけど、性格が変わる “朱音” の性質、忘れかけてました。
「ヒメ神」 と懇意になる、という点では今巻は “朱音” 押しということでさらに
一歩、彼女たちを 「落とす」 作戦は進行してくワケですが──。

バカンスを過ごす中で発生した突然の “慧” 略取に始まり、“貴理” の懸念事項
であった “女神” の登場、「ヒメビト」 の出現とその存在意義、「影ヒメ」と「影」
の関わり、と次々に見えてくる 「ヒメ神」 形成のシステムが目を引くところです。

そして最大の注目点は 「ヒメ神」 と敵対する勢力が “祐貴” の目の前に現れたこと。
急転する話の鍵を握ることになりそうな “ハルカ” の立ち位置もそうですが、「王の声」
の可能性を示唆され、その片鱗を見せた “祐貴” がどう立ち向かうかが気になる所です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2011年07月03日

『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ(3)』

鈴木大輔 先生が送るブラコン妹ラブコメ第3巻。生徒会メンバーが学生寮に
押しかけてくる形となって同居生活に更なる波乱が訪れようとしております。
(イラスト:閏月戈 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=28097


今巻も引きが上手いなぁ、と言うしかないですねコレは。本1冊だけの中で読者を
楽しませるというのはもちろんですが、それを踏まえて 「続きが気になる」 という
気にさせるのもまた大事だな、と感じさせてもらった気がします。

“嵐” “アナ” “銀兵衛”、生徒会メンバー3人と “秋人” との関係に焦点を
当てる都合上、“秋子” に対する扱いが随分と可哀想に見えてくる今日この頃ですが
それでも不撓不屈に前のめりな様子を見ていると 「まぁいいか」 とも思えるワケで。

語り口調は冷静なのにも関わらず妹に対する想いは引けを取らないとする “秋人” も
どうなんだろうな、と思わせる中で展開していく兄妹関係正常化を図る今巻の流れ。
そこに打ち込まれた言葉の楔が吉と出るか凶と出るか。次巻も楽しみにしておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2011年07月02日

『千の魔剣と盾の乙女(3)』

いつか魔王を倒す、そんな夢に向かって突き進む少年と彼を支える少女たちを描く
川口士 先生の魔剣ファンタジー第3巻。新メンバーを加えて賑やかに進行します。
(絵 : アシオ 先生)

http://data.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804232


・・・何としてでもバニーガールの服を着させる アシオ 先生の心意気や良し(笑)!


裏表の無い正直な “ナギ” と “ロック” が醸し出す、年来の関係が如き雰囲気に
素直でない “エリシア” も気を揉む機会が増えたように思います。素直じゃないと
言うなら “フィル” も相当なものではあると思いますが。相変わらず。

そんな “フィル” も 「強くなりたい」 と願うようになる出来事に遭遇。かつてない
窮地に心を新たにする彼女の心意気もまた良し、ということで。“エリシア” もまだ
秘めるものがあるようで今後の成長具合が気になるというもの。・・・身体的にも。

“ロック” が 「魔剣使い」 となった理由、仕組まれた致命的な呪い。そんな逸話が
飛び込んでくることによって彼らの旅がにわかに緊張感を帯びる話の流れとなりました。
最終目標を前に発生した片付けるべき案件がどんな結果をもたらすか、注目です。


#スーパー川口対戦、面白そうっすね。(w

posted by 秋野ソラ at 00:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2011年07月01日

『ソード・ワールド2.0リプレイ from USA(3) 竜魔争鳴‐ラヴコンフリクト‐』

ベーテ・有理・黒崎 先生/グループSNE が送る、日米異文化交流リプレイ第3弾。
それぞれ立場の違うドレイクたちが1つの生命を巡ってドラマを繰り広げます。
(監修:北沢慶 先生、イラスト:H2SO4 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_search.php?pcd=201102000428


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  クリフ : はい。ウィストが産んだで決定ですね。
  エリヤ : そうなのか!?
  クリフ : 心当たりは?
  ウィスト : ないよ!!
  クリフ : 昨日の記憶は?
  ウィスト : ない・・・・・・よ・・・・・・(一同爆笑)
  クリフ : ほらあ(満面の笑み)。
  ウィスト : だからってこんなインスタントに生まれるかあああ!?
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相変わらず仲がいいんだか悪いんだか、というパーティ5人。突如現れたドレイクの
卵を抱えてこれまた想うところはそれぞれあって、気持ちをぶつけ合うのもしばしば。
ここでは “アンセルム” と “ウィスト” のやりとりに注目しておきたいところ。

卵が孵化してからの展開も外伝のエピソードが絡んできて、とこれまた騒々しいもの。
生まれてきた子 “フレイア” の存在を見極めるべく “ギュスターヴ” 勢が動いて
大混戦へと突入。・・・1時間20分にも及ぶのはバランスとしてだいぶシビアでしたな。

もちろんシリアスな場面だけじゃありません。面白いこともたくさんやらかしてます。
「ばかもーん! そいつがル○ンだ!」 とか何やってんのかと(笑)。ピンポイントで
狙ってくる挿絵指定もどうなんだと(笑)。いろいろ込みで続きが楽しみではあります。

posted by 秋野ソラ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル