「第17回電撃小説大賞 銀賞」 受賞の 和ヶ原聡司 先生が送る庶民派ファンタジー第2巻。
美少女なご近所さん、ライバル店舗の登場と魔王城周辺は環境変化に事欠かきません。
(イラスト/029 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1106.php#new3 】
“芦屋” が身を削る思いで節約に挑んでいるところは涙を誘うような微笑ましさ。彼が
体調不良に陥っていた理由は、本筋とは離れていますが妙に納得させられた気がします。
“漆原” は大不評を買いましたがいつか端末の性能を上げて活躍できることを期待します。
突然現れた “鈴乃” の攻勢(?)ぶりに “千穂” が悩んだり、行動を起こしたりという原因も
対する “鈴乃” が自身に与えられた目的と己が持つ信条との間で葛藤してしまう要因も
“真奥” が関係している、というのが悪魔らしくないところに繋がっていてまさに人間的。
その点、“恵美” は前回の事件もあってか随分と気持ちを割り切っていてブレが無く、
すっかり日本人として隠棲するかの如き振る舞いを見せているのも面白いところで。
妙にリアリティのあるファンタジックな面々のやりとりに今巻も楽しませてもらいました。