「メディアワークス文庫」 にて 『空の彼方』 シリーズを上梓する 菱田愛日 先生が紡ぐ
キャバクラ + 青春 + 学園 + 同居 + ラブコメディ。前代未聞のジャンルに挑みます。
(イラスト/さんた茉莉 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new14 】
学生なのにキャバクラってどうなの? という下地を「適正と将来を見据えた職業訓練の場」
と位置づけることで解消してからは「キャバクラという職業で成功するにはどうすれば・・・」
とキャラクターに的を絞って話が進んでいく、少年少女の成長を描く物語。
今巻の話の肝はやはり “瑠花” でしょう。「何で私がキャバクラ嬢!?」 というギャップに
憤り、悩み、折り合いをつけ、一縷の望みを見い出し、挫折し、それでも仕事として向き合う。
若い頃の苦労は買ってでもしろ、という格言を示すかのような話運びはアリかと思います。
そしてそんな彼女を何やかやと言いながらも支え続ける “奈斗” もボーイとして、あるいは
一個人の人間として大きくなっていく様子、その奮闘ぶりは良かったかなぁと感じました。
ということで続きが出るのなら手に取ってみるのも悪くないと思われる1冊でございます。
2011年05月28日
『雨の日のアイリス』
松山剛 先生の 「第17回 電撃小説大賞・4次選考作」 が登場。人間と何ら変わらない
姿を持つ家政婦ロボットが辿る数奇の運命が、視界を遮るほどの雨を伴って描かれます。
(イラスト/ヒラサト 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new15 】
読み終わってから改めて表紙を見返した時の、あの妙な納得感に名前を付けてあげたい。
・・・というのはさておき。これはオススメされるのも分かるなぁ。涙に頬を濡らす人がいるのも
分かるなぁ。そんな想いをよぎらせてくれた、清々しい読了感のある作品だと思います。
博士との幸せの日々から一転した強制労働に従事する毎日。そんな中で出会った仲間と
密かに同じ時を過ごす読書会の時間。理不尽な廃棄行為からの脱出行に挑むロボット達。
迫るタイムリミット。果てに見る幻。そして一つの結果へと繋がっていくエピソードの数々。
「雨」 というキーワードがその時々によって意味合いを変えてくるのも中々に興味深い話の
展開具合で、それがまた物語を読み進めていく上での潤滑油にもなっていたかと思います。
ということで私からもお手に取って読んでみることを推薦しておきたいと思う次第です。
姿を持つ家政婦ロボットが辿る数奇の運命が、視界を遮るほどの雨を伴って描かれます。
(イラスト/ヒラサト 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new15 】
読み終わってから改めて表紙を見返した時の、あの妙な納得感に名前を付けてあげたい。
・・・というのはさておき。これはオススメされるのも分かるなぁ。涙に頬を濡らす人がいるのも
分かるなぁ。そんな想いをよぎらせてくれた、清々しい読了感のある作品だと思います。
博士との幸せの日々から一転した強制労働に従事する毎日。そんな中で出会った仲間と
密かに同じ時を過ごす読書会の時間。理不尽な廃棄行為からの脱出行に挑むロボット達。
迫るタイムリミット。果てに見る幻。そして一つの結果へと繋がっていくエピソードの数々。
「雨」 というキーワードがその時々によって意味合いを変えてくるのも中々に興味深い話の
展開具合で、それがまた物語を読み進めていく上での潤滑油にもなっていたかと思います。
ということで私からもお手に取って読んでみることを推薦しておきたいと思う次第です。
『ストライク・ザ・ブラッド(1) 聖者の右腕』
三雲岳斗 先生の新シリーズ。世界最強の吸血鬼と、それを監視するべく接近する
少女の出会いから始まる学園アクションファンタジーを読ませていただいております。
(イラスト/マニャ子 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new11 】
昨今見られる 「従来から悪と見なされている存在を悪として描かない」、例えばそんな物語。
どうみても吸血鬼には見えない少年 “古城” に直面して戸惑いの色を隠せない “雪菜” の
様子がそんな雰囲気を想起させてくれる出だしがまず印象的です。
二人が出会った魔族特区 「絃神市」 を脅かす敵の登場に止む無く手を取り共闘するも
「第四真祖」 としての力、「剣巫」 としての力も及ばず一度は敗退しますが、それを覆す
ために打つ起死回生の一手。まんざらでもない所がまた魅力的というか蠱惑的というか。
「攻魔師」 の道を邁進する “雪菜” がつっけんどんなのか、と思わせつつも人間味溢れる
表情、言動を見せてくれるのが見ていて面白いです。周囲の人間もどこかいわくありげな
様子を含ませてくれていて続きに期待が持てる内容かと思います。次巻が楽しみです。
少女の出会いから始まる学園アクションファンタジーを読ませていただいております。
(イラスト/マニャ子 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new11 】
昨今見られる 「従来から悪と見なされている存在を悪として描かない」、例えばそんな物語。
どうみても吸血鬼には見えない少年 “古城” に直面して戸惑いの色を隠せない “雪菜” の
様子がそんな雰囲気を想起させてくれる出だしがまず印象的です。
二人が出会った魔族特区 「絃神市」 を脅かす敵の登場に止む無く手を取り共闘するも
「第四真祖」 としての力、「剣巫」 としての力も及ばず一度は敗退しますが、それを覆す
ために打つ起死回生の一手。まんざらでもない所がまた魅力的というか蠱惑的というか。
「攻魔師」 の道を邁進する “雪菜” がつっけんどんなのか、と思わせつつも人間味溢れる
表情、言動を見せてくれるのが見ていて面白いです。周囲の人間もどこかいわくありげな
様子を含ませてくれていて続きに期待が持てる内容かと思います。次巻が楽しみです。
2011年05月21日
『さくら荘のペットな彼女(5)』
「電撃G's magazine」にて 草野ほうき 先生によるコミック連載もスタートしている
鴨志田一 先生の人気シリーズ第5巻。年末年始も大騒動なさくら荘の面々を描きます。
(イラスト/溝口ケージ 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new2 】
ついに来た! 妹 “優子” と “ましろ” との直接対決。というか 「神田」 一家が
総出で面白い掛け合いしてくるなぁ。その対決の合間を縫って “七海” がさりげなく
アピールを仕掛ける形になってるし、“空太” 争奪戦線は異常だらけで素晴らしい限り。
そんな振り回されっぱなしの彼を見る目、その想いが少しずつ、けれどしっかりと変化を
遂げているのがバレンタインの1件で如実に現れました。未来を見据えた発言が飛び出す
とはまさに驚きの成長具合。“空太” もまんざらじゃないようですがどうなることやら。
ずっと懸案事項になっていた “美咲” と “仁” の関係もひとまずの折り合いがつき、
“龍之介” は女難の相が出てますけど面白いから放っておいて、“空太” も夢に向かって
また一歩進んだところであの引き具合。ここで短編集を挟むとかやってくれますな。
まぁ、本編の続きも短編集も楽しみなので大人しく待つことにするのでございますよ。
#今回のプレゼンもデザイナーであるT氏の功績って感じでしょうかね。流石です。
鴨志田一 先生の人気シリーズ第5巻。年末年始も大騒動なさくら荘の面々を描きます。
(イラスト/溝口ケージ 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new2 】
ついに来た! 妹 “優子” と “ましろ” との直接対決。というか 「神田」 一家が
総出で面白い掛け合いしてくるなぁ。その対決の合間を縫って “七海” がさりげなく
アピールを仕掛ける形になってるし、“空太” 争奪戦線は異常だらけで素晴らしい限り。
そんな振り回されっぱなしの彼を見る目、その想いが少しずつ、けれどしっかりと変化を
遂げているのがバレンタインの1件で如実に現れました。未来を見据えた発言が飛び出す
とはまさに驚きの成長具合。“空太” もまんざらじゃないようですがどうなることやら。
ずっと懸案事項になっていた “美咲” と “仁” の関係もひとまずの折り合いがつき、
“龍之介” は女難の相が出てますけど面白いから放っておいて、“空太” も夢に向かって
また一歩進んだところであの引き具合。ここで短編集を挟むとかやってくれますな。
まぁ、本編の続きも短編集も楽しみなので大人しく待つことにするのでございますよ。
#今回のプレゼンもデザイナーであるT氏の功績って感じでしょうかね。流石です。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(8)』
まさに人気の只中、という感がありありと見受けられる 伏見つかさ 先生の大人気作。
第8巻は前巻の引きを受けて “黒猫” の人生相談へと話は続いていきます。
(イラスト/かんざきひろ 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new1 】
「運命の記述(デスティニー・レコード)」。“黒猫” が “京介” と共に叶えたい
願いと想いの詰まった1冊のノート。それに描かれた 「理想の世界(アルカディア)」 の
変化が微笑ましく、まさに今回の人生相談によってもたらされた成果の一つでもあるかと。
さらには “桐乃” の胸の内もようやく吐露されることによって一筋縄ではいかない、
偏屈でいて仲睦まじい兄弟愛があることを “京介” と共に見せつけてくれたように
思います。“桐乃” の笑顔が見られる機会も心なしか増えたのではないでしょうか。
そんな3人の様子を、あるいは関係性を見透かすかのような “麻奈実”。彼女の発言が
深く、含蓄たっぷり意味ありげなところが何か色んなものを超越した存在になりつつある
のではないかと空恐ろしさを感じつつ、次巻も心待ちにしておきたいと思います。
#“沙織” に対するフォローが抜け目無く行われていたのも良かったです。
第8巻は前巻の引きを受けて “黒猫” の人生相談へと話は続いていきます。
(イラスト/かんざきひろ 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new1 】
「運命の記述(デスティニー・レコード)」。“黒猫” が “京介” と共に叶えたい
願いと想いの詰まった1冊のノート。それに描かれた 「理想の世界(アルカディア)」 の
変化が微笑ましく、まさに今回の人生相談によってもたらされた成果の一つでもあるかと。
さらには “桐乃” の胸の内もようやく吐露されることによって一筋縄ではいかない、
偏屈でいて仲睦まじい兄弟愛があることを “京介” と共に見せつけてくれたように
思います。“桐乃” の笑顔が見られる機会も心なしか増えたのではないでしょうか。
そんな3人の様子を、あるいは関係性を見透かすかのような “麻奈実”。彼女の発言が
深く、含蓄たっぷり意味ありげなところが何か色んなものを超越した存在になりつつある
のではないかと空恐ろしさを感じつつ、次巻も心待ちにしておきたいと思います。
#“沙織” に対するフォローが抜け目無く行われていたのも良かったです。