2011年05月31日

『続 女子高生江戸日記 Replay:天下繚乱RPG』

加納正顕 先生の 「天下繚乱RPG」 リプレイシリーズ続巻。“碧” は “結衣” と共に
元の時代、元の世界へと戻ることが出来るのか。物語は最大の山場を迎えます。
(原作:小太刀右京 先生、イラスト:高遠るい 先生)

http://www.jive-ltd.co.jp/catalog/4861768477.html


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  加納 : 多少の不安はあるが──プレイヤーの要望にはなるべく
       答えたいじゃないか。
  小太刀 : ・・・・・・まあ、それは楽しくゲームを遊ぶうえで大切なことだな。
  加納 : というわけで、高遠さんには「好き勝手やってください」と
       いっておいたので、セッション中のフォローはお前に一任する。
  小太刀 : ・・・・・・・・・・・・おい、丸投げかよ。
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前巻のプレイングを省みて 「もっとはっちゃけたい」 と告げた 高遠 先生。それが
まさかの大惨事、その一歩手前までの事態を引き起こすことになろうとは。いや、流れ
としてはもうやるしかない、という感じでしたので違和感は全くないのでOKですがね。

それにしても 『妖異暗躍譚』 のキャラたちは愛されてるなぁ、という想いがひしひしと。
思わず 《破邪顕正》 に 「デモンベイン」 のルビを振って読みたくなることしきりです。
NPCとしての立ち位置を利用した、まさに巧みを凝らした演出でもあったかと思います。

高遠 先生の挿絵、そして巻末の設定資料も合わせてトンデモないのが出てきたなぁ、と
言わずにはいられない。でも 「天下繚乱」 らしい、と言えばその通りでもあるワケで。
終始キャラがしっかりと立ったロールプレイで最後まで楽しませてもらいました。


#オビにある 若林直美 さんと 三田誠 先生のコメントが貪欲でステキすぎます。(w

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2011年05月30日

『ログ・ホライズン(2) キャメロットの騎士たち』

橙乃ままれ 先生が送るMMORPGを舞台とするシリーズ第2巻。〈アキバ〉 への帰還を
果たした “シロエ” が無法地帯となったかの地に希望を取り戻すべく策を弄します。
(イラスト:ハラカズヒロ 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047272989/?aid=crp


「腹ぐろ眼鏡」 の二つ名は伊達じゃない、というところを見せつけてくれた感じです。
なんで 「それ」 が必要なのかと思ったら・・・目的のために手段を選ばないにも程がある。
お歴々を問答無用で説き伏せる、その身に秘める熱量の高さには惚れ惚れするくらい。

「ルール」 と 「マナー」 は違う、というのは標語などでもよく言われることですが
現実世界とは違う別の世界 「エルダー・テイル」 に身を置くようになったからこそ
その人物の気質、本性があらわになる。何とも考えさせられるテーマです。

自分の気持ちを昇華してまた一歩成長する “シロエ” の他にも意外に照れ屋な “直継”、
イジられる姿もまた魅力的な “アカツキ”、縁側というか縁の下を支える“にゃん太”、
〈三日月同盟〉 の活躍・・・と見どころ豊富で高潮な展開には楽しませてもらいました。


〈アキバ〉 の街に希望を取り戻した 〈記録の地平線〉 の面々が向かう先に注目です。

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2011年05月28日

『こうして彼は屋上を燃やすことにした』

「第5回 小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞」受賞者、カミツキレイニー 先生の
デビュー作。麻枝准 氏が 「鳥肌モノ」 と賞賛した青春小説を拝読しております。
(イラスト/文倉十 先生)

http://gagaga-lululu.jp/gagaga/lineup/201105.html#02


恋敗れた “ドロシー” が “ライオン” や “カカシ”、そして “ブリキ” がもつ
問題の解決に奔走する中で見た彼女たちの 「屋上」 以外の繋がりが印象的でした。
著者コメントにあるように 『オズの魔法使い』 をよく知らなくても確かに楽しめます。

「臆病なライオン」 「脳の無いカカシ」 「心の無いブリキの木こり」。それらを勇気が
無くて怒ることができない“ライオン”、知恵が無くて泣くことができない “カカシ”、
心が無くて笑うことができない “ブリキ” と当てはめることで見事に話が繋がっていく──。

それでいて現代を象徴するかのような学校背景を舞台にした独自のジュブナイル小説へと
落とし込めているのが大賞たる所以でもあり、麻枝准 氏の賞賛へと繋がった結果でも
あるのかと思ったりしました。「ガガガ文庫」もやるわね、ということでオススメしておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『キミとは致命的なズレがある』

「第5回 小学館ライトノベル大賞・優秀賞」 を受賞されました 赤月カケヤ 先生の
デビュー作。失った記憶とその残滓が織り成すサスペンス作品を拝読しております。
(イラスト/晩杯あきら 先生)

http://gagaga-lululu.jp/gagaga/lineup/201105.html#01


「キミ」とは誰か? 「致命的なズレ」とは何か? そんなことを “海里克也” とその
周囲にいる人たちとのやりとりから類推しながら読んでいくといい感じに引き込まれて
ひっくり返される。そんな読了感を味わわせてくれた作品だと思います。

彼の記憶障害と突然見えるようになる「何か」、差出人の無い手紙に書かれたある意味
昔の記憶を無くして生きる彼を糾弾するかの内容、保険医 “鏡司” と父 “夏彦” との
思わせぶりな会話、それぞれが1つの可能性へとミスリードしていく流れが巧手かと。

章立てにもある “赤鬼” という存在がその可能性を打ち砕くための鍵でもあったのだと
気づかされた後に突入する狂気の世界。冒頭に挙げた疑問符、その問いかけも解消されて
「なるほど〜」 と思わせてくれて妙に納得できる。中々のものだと言えると思います。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『ハレの日は学校を休みたい!』

陸凡鳥 先生が全ての学園祭嫌いに贈る青春ラブコメ。アンチ学園祭活動家として
暗躍する主人公が、かけられた冤罪を晴らすべく奮闘する物語を拝読しております。
(イラスト/切符 先生)

http://gagaga-lululu.jp/gagaga/lineup/201105.html#05


学園祭の開催を何としてでも中止させたいと常日頃考えている “響川” がいつの間にか
実行委員の “詩ノ森” と組んで学園祭の開催を少しでも手を貸す形になってコメディ的
展開に流れていく序盤から中盤にかけては素直に面白く読めます。

容疑者の「学園祭嫌い」を体系化し、その要因を取り除くことで犯人を絞り込む手法で
脅迫状騒動を収めようとする最中、「そもそも何で “響川” は学園祭が嫌いなのか」
という理由が実はとある昔話と結びついていて・・・という終盤への畳み掛けも良かった。

“響川” の容疑が晴れてからも、もう1つ波を用意してそれを解決に至らせる大団円な
落としどころも好感触な読了感を与えてくれて思わぬ良い買い物をした気分になりました。
青春モノとしてこれはオススメしてもいいかな、ということで挙げておくことに致します。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『夜のちょうちょと同居計画!』

「メディアワークス文庫」 にて 『空の彼方』 シリーズを上梓する 菱田愛日 先生が紡ぐ
キャバクラ + 青春 + 学園 + 同居 + ラブコメディ。前代未聞のジャンルに挑みます。
(イラスト/さんた茉莉 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new14


学生なのにキャバクラってどうなの? という下地を「適正と将来を見据えた職業訓練の場」
と位置づけることで解消してからは「キャバクラという職業で成功するにはどうすれば・・・」
とキャラクターに的を絞って話が進んでいく、少年少女の成長を描く物語。

今巻の話の肝はやはり “瑠花” でしょう。「何で私がキャバクラ嬢!?」 というギャップに
憤り、悩み、折り合いをつけ、一縷の望みを見い出し、挫折し、それでも仕事として向き合う。
若い頃の苦労は買ってでもしろ、という格言を示すかのような話運びはアリかと思います。

そしてそんな彼女を何やかやと言いながらも支え続ける “奈斗” もボーイとして、あるいは
一個人の人間として大きくなっていく様子、その奮闘ぶりは良かったかなぁと感じました。
ということで続きが出るのなら手に取ってみるのも悪くないと思われる1冊でございます。

posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『雨の日のアイリス』

松山剛 先生の 「第17回 電撃小説大賞・4次選考作」 が登場。人間と何ら変わらない
姿を持つ家政婦ロボットが辿る数奇の運命が、視界を遮るほどの雨を伴って描かれます。
(イラスト/ヒラサト 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new15


読み終わってから改めて表紙を見返した時の、あの妙な納得感に名前を付けてあげたい。
・・・というのはさておき。これはオススメされるのも分かるなぁ。涙に頬を濡らす人がいるのも
分かるなぁ。そんな想いをよぎらせてくれた、清々しい読了感のある作品だと思います。

博士との幸せの日々から一転した強制労働に従事する毎日。そんな中で出会った仲間と
密かに同じ時を過ごす読書会の時間。理不尽な廃棄行為からの脱出行に挑むロボット達。
迫るタイムリミット。果てに見る幻。そして一つの結果へと繋がっていくエピソードの数々。

「雨」 というキーワードがその時々によって意味合いを変えてくるのも中々に興味深い話の
展開具合で、それがまた物語を読み進めていく上での潤滑油にもなっていたかと思います。
ということで私からもお手に取って読んでみることを推薦しておきたいと思う次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『ストライク・ザ・ブラッド(1) 聖者の右腕』

三雲岳斗 先生の新シリーズ。世界最強の吸血鬼と、それを監視するべく接近する
少女の出会いから始まる学園アクションファンタジーを読ませていただいております。
(イラスト/マニャ子 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new11


昨今見られる 「従来から悪と見なされている存在を悪として描かない」、例えばそんな物語。
どうみても吸血鬼には見えない少年 “古城” に直面して戸惑いの色を隠せない “雪菜” の
様子がそんな雰囲気を想起させてくれる出だしがまず印象的です。

二人が出会った魔族特区 「絃神市」 を脅かす敵の登場に止む無く手を取り共闘するも
「第四真祖」 としての力、「剣巫」 としての力も及ばず一度は敗退しますが、それを覆す
ために打つ起死回生の一手。まんざらでもない所がまた魅力的というか蠱惑的というか。

「攻魔師」 の道を邁進する “雪菜” がつっけんどんなのか、と思わせつつも人間味溢れる
表情、言動を見せてくれるのが見ていて面白いです。周囲の人間もどこかいわくありげな
様子を含ませてくれていて続きに期待が持てる内容かと思います。次巻が楽しみです。

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2011年05月21日

『さくら荘のペットな彼女(5)』

「電撃G's magazine」にて 草野ほうき 先生によるコミック連載もスタートしている
鴨志田一 先生の人気シリーズ第5巻。年末年始も大騒動なさくら荘の面々を描きます。
(イラスト/溝口ケージ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new2


ついに来た! 妹 “優子” と “ましろ” との直接対決。というか 「神田」 一家が
総出で面白い掛け合いしてくるなぁ。その対決の合間を縫って “七海” がさりげなく
アピールを仕掛ける形になってるし、“空太” 争奪戦線は異常だらけで素晴らしい限り。

そんな振り回されっぱなしの彼を見る目、その想いが少しずつ、けれどしっかりと変化を
遂げているのがバレンタインの1件で如実に現れました。未来を見据えた発言が飛び出す
とはまさに驚きの成長具合。“空太” もまんざらじゃないようですがどうなることやら。

ずっと懸案事項になっていた “美咲” と “仁” の関係もひとまずの折り合いがつき、
“龍之介” は女難の相が出てますけど面白いから放っておいて、“空太” も夢に向かって
また一歩進んだところであの引き具合。ここで短編集を挟むとかやってくれますな。

まぁ、本編の続きも短編集も楽しみなので大人しく待つことにするのでございますよ。


#今回のプレゼンもデザイナーであるT氏の功績って感じでしょうかね。流石です。

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『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(8)』

まさに人気の只中、という感がありありと見受けられる 伏見つかさ 先生の大人気作。
第8巻は前巻の引きを受けて “黒猫” の人生相談へと話は続いていきます。
(イラスト/かんざきひろ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new1


「運命の記述(デスティニー・レコード)」。“黒猫” が “京介” と共に叶えたい
願いと想いの詰まった1冊のノート。それに描かれた 「理想の世界(アルカディア)」 の
変化が微笑ましく、まさに今回の人生相談によってもたらされた成果の一つでもあるかと。

さらには “桐乃” の胸の内もようやく吐露されることによって一筋縄ではいかない、
偏屈でいて仲睦まじい兄弟愛があることを “京介” と共に見せつけてくれたように
思います。“桐乃” の笑顔が見られる機会も心なしか増えたのではないでしょうか。

そんな3人の様子を、あるいは関係性を見透かすかのような “麻奈実”。彼女の発言が
深く、含蓄たっぷり意味ありげなところが何か色んなものを超越した存在になりつつある
のではないかと空恐ろしさを感じつつ、次巻も心待ちにしておきたいと思います。


#“沙織” に対するフォローが抜け目無く行われていたのも良かったです。

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『なれる!SE(4) 誰でもできる?プロジェクト管理』

夏海公司 先生が送る 「萌えるSE残酷物語」 第4巻。“工兵” が今回無茶振りされた
タスクはPM(プロジェクト・マネージャー)。どう対処するか、見ものです。
(イラスト/Ixy 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new6


・・・“工兵” の女性関係は狙われるパターンばっかりな感じがするけど気のせいか?
相変わらずうらやまけしからんのはさておき、複数の企業が関与するプロジェクトを
管理する際にありがちな、だからこそ根の深い問題点をテーマに扱っています。

この業界は精神疾患を引き起こす人たちが冗談抜きでそこかしこに見受けられます。
作中に出る “別府” のような事例も少なくは無いと思います。体系化されたPMの
方法というのもありますが万事それで上手く収まれば “工兵” もヘコんだりしません。

そんな逆境を覆してしまうのが “工兵” の凄いところ、というか物語の面白い点に
なっているのは言うまでもないと思います。それ以外にも “室見” の人間性が少し
覗けるエピソードもあったりして続きが更に楽しみな展開であることも同様に。

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『イスカリオテ(7)』

三田誠 先生が綴る罪と罰のアイロニック・アクション。古来より語り継がれし罪の源、
七つの大罪をもとにした物語がプロットどおり、第7巻をもって終幕の時を迎えます。
(イラスト/岸和田ロビン 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new8


「強欲」 「傲慢」 「怠惰」 「暴食」 「憤怒」 「色欲」、そして 「嫉妬」。それぞれの
感情にその身を委ねた者たちの終焉が絡み合って劇的な結末を導く過程は流石の一言。
英雄と呼ばれる前に一人の人間であることを示した “九瀬諌也” の言動が目を惹きます。

“諌也” の奇蹟によって明らかとなった “イコン” の目論見。それに囚われる “イザヤ”。
“諌也” でもない、“勇哉” でもない、そんな彼のことを喪神現象にも左右されず記憶する
“ノウェム” が望んだたった1つの、ただ1つの奇蹟。彼女の心が成長した証でもあるかと。

すべてに決着をつけて再び 「御陵市」 の地に戻った “イザヤ”。改めて対峙する彼のことを
“ノウェム” が何と呼んだのか。より親密なものであることを心より願う他にありません。
三田 先生、素敵な物語を読ませて頂きありがとうございます。次回作にも期待しております。

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『れでぃ×ばと!(12)』

上月司 先生が送るお嬢様と従者の学園ラブコメ第12巻はいよいよラストを目前にして
“秋晴” に回避不能な決断を迫る展開へとなだれ込んでいきます。
(イラスト/むにゅう 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1105.php#new4


・・・う〜ん、改悪東京都青少年健全育成条例の施行を前に挿絵も口絵もやりたい放題
という感じですが。よくOK出しましたね、編集部。眼福と言えばそうなんでしょうが
明らかに外で読むのはためらわれる気がしますし、何より挿絵テロっぽい気も(苦笑)。

これまで数々の女の子とお近づきになり、それなりの好意を寄せられるようになった
にも関わらずそれを気に掛けてこなかった“秋晴” が、とある失言を元に意識せざるを
得ない状況にようやく、ようやく辿り着きました。まさにその一言に尽きる気がします。

せっかく “薫” も番外編を重ねに重ねて決意を固めたにも関わらず “セルニア” と
“朋美” の一騎打ち状態には届かないか? というか “セルニア” 優勢にしか見えない
状況からどう落とし込むのか、最終巻となる次巻で確かめさせてもらいたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『アリス・イン・ゴシックランド 霧の都の大海賊』

「角川スニーカー文庫」 において 『ストライクウィッチーズ』 の小説を上梓してきた
南房秀久 先生が送る新作、ビクトリアン・ゴシックファンタジーを読ませて頂きました。
(イラスト:植田亮 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201012000085


痛快娯楽小説、なんて言葉が頭をよぎりました。近代のイギリスをベースにしつつ、
破天荒な設定がくっついてきてもも読みやすい物語だと感じたのは馴染みのキーワードが
多分に含まれていたからかと思います。“シャーロック・ホームズ” とかまさにそんな感じ。

そんな有名人を兄に持つ美少女名探偵 “イグレイン” と裕福な貴族刑事の “ジェレミー” が
数々の事件に巻き込まれ、時に思いをぶつけ合い、時に身を寄せながらその解決へと邁進
していく様子が何とも微笑ましくもあり、うらやましくも感じられます。

“ジェレミー” に匿われた少女 “アリス” が実は・・・という設定も話の引きとしては
十分に功を奏していると思います。植田 先生の美麗なイラストも世界観を支えるに足る
ものがありますし、続きを楽しみにしたいシリーズだと申し上げておくことにします。


#“ケイト” にセルフツッコミさせたのは納得の解説でした。(w

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『ココロコネクト(1)』

庵田定夏 先生の原作を、CUTEG(カム)先生が無料コミック 「コミッククリア」 にて
漫画連載を担当する本作。まずは1巻分がまとまったということで拝読しております。
(キャラクター原案:白身魚 先生)

http://www.famitsu.com/comic_clear/se_kokoro/
http://ebten.jp/p/9784047272675/


これまでにライトノベルの挿絵を何度も担当されている CUTEG 先生の柔らかい線が
生み出す可愛らしいイラスト。それがコミックになっても何ら品質を崩すことなく、
それでいて原作の雰囲気を上手く、丁寧に伝えてきているのがひしひしと感じられます。

原作の肝となる 「入れ替わり」 の部分はフキダシや残像といった直接的な表現だけでなく
本来のキャラクターが持つ内面、魂が顔の表情に表れるかのような繊細で婉曲的もあって
非常に分かりやすいと思います。さすがコミックならでは、といったところでしょうか。

文字は苦手で・・・、という人にも是非オススメ。面白さに太鼓判を押せる原作の物語を
知ってもらういいキッカケになるかと。よろしければ原作も手にとってほしいところで。
連載も2巻分、3巻分・・・と続けて欲しいと願い、心より応援する次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミックス

2011年05月14日

『サクラダリセット(5) ONE HAND EDEN』

河野裕 先生の大人気シリーズ第5巻。再生した “相麻菫” のために出来ることを
探る “浅井ケイ” とその姿を見届ける “春埼美空” の機微に注目です。
(イラスト:椎名優 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201009000106


最初から挿絵の入れ方についてはデザインも含めて挑戦的なことをしているなぁ、と
思っていましたが “菫” と “美空” が相対する場面はインパクトがありました。
『アリアンロッド・サガ・リプレイ・デスマーチ』 で感じたものに通じると思います。

章題に「模造」「模倣」といった意味合いを含む単語を使用しているのも今巻の内容を
端的にイメージさせるに足る効果があって感情移入しやすかったと感じております。
そして “ケイ” の言動にすらその意味合いをのせてくるラストについても同様に。

「リセット」 することの功罪、そして1つ可能性を示すことになった今回の出来事。
“ケイ” や “美空”、“菫” にとって十全たる未来へと進んでいるのか不安要素を
残しつつ引きを見せているのが何とも上手いところで続きが気になる今日この頃です。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『オーディナリー・ワールド』

槙岡きあん 先生が描く同居型ラブコメ。栃木県の関係者でもある身ですので少し
親近感を覚える主人公に興味を抱きつつ、読ませていただきました。
(イラスト/KL 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/new/1104.html#b01


栃木と群馬って、そこまで区別出来てないのかなぁ、関東の人間でも。関東以外は
しょうがないにしても。しかしよくここまでローカルネタを突っ込んできたなぁ、と
感心せざるを得ません。品川地区も縁があるから感情移入しやすかったです。

田舎者が都会で心機一転、高校デビューを飾ろうとした時に一度は感じるであろう
望郷の念をコメディタッチで描きつつ、不気味なオーラを放つ “うらみ” が抱く
「オーディナリー・ワールド」 への想いと絡めて進めていく話の流れが良かった。

“大空夢” がヘタレっぷりをこれでもか、と見せつけなければならなくなった最後の
どんでん返しも小気味良くて好みです。なかなか面白いものを読ませてもらったなぁ
という読了感を持てました。余力があれば手にとって見るのも悪くないと思います。

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『30歳の保健体育 ノベル版』

一迅社から刊行されているハウツー本「30歳の保健体育」。現在アニメにマンガにと
猛プッシュが掛かっている本作のノベル版を読ませていただきました。
(キャラクター原案:ゑむ 先生、カバーイラスト:しゃあ 先生)

http://data.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804224


1冊に4つの小編を収録している本作。早速1つずつ内容を追っていこうと思います。
・・・全体的に狙ったタイトルばかりなのはとりあえず気にしない方向でひとつ(苦笑)。



 「30歳の保健体育 恋せよ乙女編」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (作:浅見麻美 先生 / イラスト:しゃあ 先生)

  BL小説部分をどれだけ削ったのかが何となく気になるところでもありますが。
  ふとした優しさが日常のドラマを生む・・・かもしれないことを指し示す物語。
  こういうユルいライバル関係って実際にあるんですかねぇ、とか思ったり。


 「突然クピドがやってきてムフフになりたい俺がいる」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (作:糸緒思惟 先生 / イラスト:犬 先生)

  「HJ文庫」のタイトルをほぼそのまま持ってきてもOKを出せるのが一迅社。
  とは言いながら、お話としては 「憧れ」 と 「好き」 は違うものと気付かせる
  ために上手くまとめたお話。“クピド” の使い方も良かったと思います。


 「魔法使い(30)の夜」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (作:大樹連司 先生 / イラスト:関谷あさみ 先生)

  「魔法使い」 と聞いて思い浮かべること。自分としてはどちらも思い浮かぶ
  テーマを扱っていたので入り込みやすかったです。流れもドラマ的で自然体
  でしたし、落としどころもしっかり落としてくれているので良かったです。


 「10歳の保健体育 出張版」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (作:竹井10日 先生 / イラスト:高見明男 先生)

  『30歳の保健体育』 の関連書籍として紹介されている本作の出張版ですが、
  やっぱりハードルは高いんじゃないかなぁ(苦笑)。自分的には満足な内容
  だったんですけど。人にオススメしていいかというと、疑問符は浮かびます。

  あ〜、今月発売予定の 『10歳の保健体育(3)』 はもちろん買いの方向で。

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『征王の迷宮塔(ラビリントス)』

「次はゲームっぽくて塔」 と言われて 瀬尾つかさ 先生が紡ぎだした、呪われた塔の
探索に挑む少年少女たちの物語。ダンジョン冒険ファンタジーを拝読しております。
(絵 : 基井あゆむ 先生)

http://data.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804216


天に至る 「バラルの塔」。神々の不興を買い、呪いを掛けられた塔。その責任を
聖王家から押し付けられた建設責任者、その親族。ただ一人生き残り、復讐を誓う
少年 “カイル” が魔槍 “ラプンツェル” を手に王女 “ユーフォリア” へ迫る──。

魔王 “ウィダルガルネス” が真の黒幕であることを知り、何の因果か共闘関係を
築くことになってからの “カイル” の懊悩と “ユーフォリア” の機微が中心に
描かれているので、ブレることなく読めた感があります。最後も良い落とし所で。

あとは近くに潜んでいる魔王を探り当てるまでの読み合いと、対峙してからの策
としてキャラの設定をちゃんと拾っているところが良かったかと思います。魔槍
“ラプンツェル” にも随分と場を和まされました。

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『星刻の竜騎士(4)』

4月売りの 「月刊コミックアライブ」 から RAN 先生によるコミック連載がスタート
した 瑞智士記 先生のファンタジー作品第4巻。物語は大きく動き始めます。
(イラスト:〆鯖コハダ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=27673


“シルヴィア” のプロポーズ騒動という喜劇的な場面から随分と緊張感のある展開を
見せてきた、という感じがしました。“エーコ” のみならず “ナヴィー” までもが結構な
窮地に立たされたのもその証のような気がします。

私見としては “ジュリアス” の扱いが 「そうくるか〜」 という印象を受ける流れでも
あったかと感じています。“アーニャ” もあの流れからして次にどうもっていくのか
気になるところでもあります。

それにしても、話を動かすためにシーンを多く使っていたような気がするのにちゃんと
触手を使うのを忘れない精神にはまさに感服仕るというか(苦笑)。“アッシュ” や
“エーコ” の関係もまた一歩進んだようですし、次巻も楽しみにしたいところです。

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