2011年02月19日

『死想図書館のリヴル・ブランシェ』シリーズ

評を見て興味を抱いたこともあって手に取ってみた 折口良乃 先生のシリーズ作。
「死書」 と 「死の図書館」 を巡る物語を読ませていただいております。
(イラスト/KeG 先生)

http://asciimw.jp/search/mode/item/cd/A1001520
http://asciimw.jp/search/mode/item/cd/A1004250
http://asciimw.jp/search/mode/item/cd/A1009200


「死の図書館」 の司書 “リヴル” が何とも可愛らしい。職務に忠実であるが故の
真面目さと、そこから少しも表情を変えることなく打ち放たれる突拍子も無い台詞の
数々とのギャップがまさに。第3巻はそこに輪を掛けた感じでした。

話としては 「死書」 を取り戻す、という背景をもとに “イツキ” が自身に背負った
幼なじみに対する業と事あるごとに向き合っていかなければならない宿命を描くのが軸
でしょうか。「法廷」 での話はそのあたりが如実に表されていたように思います。

「死の図書館」 に関わる人物が、様々な経緯をもって増えていく中で “イツキ” は
どう折り合いをつけていくのか、“エレシュキガル” の様子も気にしつつ、引き続き
動向を追っていきたいと思うシリーズです。次巻も楽しみにしておきます。

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2011年02月12日

『子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき』

貴島煉瓦 先生のコミック連載もスタートし、ドラマCD(前編)の発売を2月23日に
控える 玩具堂 先生のお悩み解決学園ストーリー。第2巻が満を持しての登場です。
(イラスト:籠目 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201008000073


国語の問題はちょうど似たような主旨のテストをやらされたこともあってとても
印象に残る内容でした。その意図を瞬く間に見抜く “仙波” も相変わらずですが
さらに裏読みして依頼者の悩みを解決に導く “なるたま” も中々のもの。

“竹田” 会長が特別ゲストと銘打つ 「オムライス死体遺棄事件」 の依頼者は
書き下ろし小説 「Young lambs to sell!」 を読まずしてもその人間関係は明白
だったりしますが、そこから垣間見える “仙波” の心情の変化が見ものです。

スポ魂的な展開もあったりして柔軟な話運びが出来るのも学園生活ならでは、と
言ったところでしょうか。“三月” の開き直り具合や、何より会長が密かに抱える
思惑も気になるところで、これまた続きが楽しみなシリーズになってきました。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『レンタルマギカ 魔法使いの妹、再び』

三田誠 先生が送る異種魔術格闘戦も 「大魔術決闘(グラン・フェーデ)」 を前に
ひとまずの休息。義妹の再来日を描く小編ほか3本を収録した短編集の登場です。
(イラスト:pako 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200909000032


“アディリシア” が手に取った “イツキ” の手が、「大魔術決闘」 に至るまでの
過程があったにしても消えることの無い繋がりを残している。更に言えば未来がある。
それを暗喩しているかのようでした。pako 先生の挿絵も質感があって印象的でした。

「魔法使いを罰する魔法使い」 としての活動を続ける “穂波” と “猫屋敷” は
〈協会〉 の思惑に触れ、その中で自分自身とも向き合うことになってまた一段と、
特に精神面での強さが増している様子。「大魔術決闘」 にどう活かすのか注目です。

“オズワルド” と “隻蓮” の珍妙なる縁から紐解かれる 〈ゲーティア〉 の過去、
そして “勇花” が “アディリシア” に告げた現実が去来する場面を見れば、目前に
迫る決戦の時をいやが上にも感じさせてくれます。次巻も大いに期待しております。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『黒のストライカ(2)』

十文字青 先生が送る漆黒の学園異能バトルラブコメ第2巻は “椋郎” に訪れる
体の異常 ── 性衝動の増大と元婚約者の登場で幕を開けます。
(イラスト:硯 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=27083


十文字 先生はテキストで、硯 先生もイラストでぐいぐいと攻めてきています。
何を? というのは言わずもがな、ではありますがそんな状況下において“椋郎” が
悶々とする様子はまさに人としての彼と夜魔としての彼、二つのせめぎ合いそのもの。

彼の苦悩を知ってか知らずか、ここぞとばかりに仕掛けてくる“蝦夷井” のアプローチ
や “蔵島” の対抗意識あふれる行動、さらには “シャーリー” の登場も相まって
彼のヘタレ具合が二重の意味合いで印象付けられる展開であったと言うべきでしょう。

まぁ、それを補うかのように “シャーリー” の窮地を救う活躍ぶりも目を見張るところ
かと思います。“タチヤナ” の話がやや横に置かれた感じでしたので次巻ではその点も
進展がみられることを期待しつつ刊行を待つことに致します。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『神なる姫のイノセンス(3)』

鏡遊 先生の学園ラブコメ第3巻。落ちた 「ヒメ神」、新たに登場する 「ヒメ神」
との絡みが波乱万丈な “祐貴” の女学院生活に新たな騒動を巻き起こします。
(イラスト:鶴崎貴大 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=27085


今巻は新たな 「ヒメ神」 の紹介と、攻略済みの 「ヒメ神」 との交流を深める流れに
終始したこともあって話としては大きな動きは無く。しかしながら 鶴崎 先生の挿絵に
後押しされるラッキー・スケベ的なシチュエーションには事欠かないワケで。

今回 “祐貴” に接触してきた “千華” “慧” “朱音” の3人もこれまた一癖二癖
あるキャラクターのようで。中でも “千華” は “貴理” と少なからず因縁がある
みたいですので 「ヒメ神」 の件を抜きにしても気になるところではあります。

・・・何よりも 「失墜の星(ダウン・フォール)」 の能力もありますし。おおよそ予想の
つく力のようなので私個人と致しましては大いに期待している次第です、ハイ。次巻は
“朱音” にスポットが当たりそうなので進展の行方としても楽しみにしたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル