おっちょこちょいな美少女 “酒多” さんが7秒後に放つ悲鳴が聞こえる “朗”。
奇妙な縁で繋がる二人たちを描く 淺沼広太 先生の新作を読ませて頂きました。
(イラスト:飴沢狛 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02 】
淺沼 先生の作品はこれが初読み? ・・・じゃない。『ようこそ青春世界へ!』 があった。
まぁ、それはともかく。まず言えるのは 「とても読みやすくて面白かった」 という点。
小一時間もしないで読み終えられたような。それだけ自然な文章だったのではないかと。
異能の力を持つ “朗”、ドジッ娘属性を有する “酒多” さん、そんな彼女をずっと
見守り続けてきた “縁”、それぞれに思うところがあって、胸に潜める悩みがある。
そんな彼らの機微をラブコメという舞台にのせて上手く演出できていたのではないかと。
3人の関係に割り込んできた “信人” も無関係なようでいて要所要所では持ち味を
如何なく発揮してくるところも面白かったです。ムダにハイスペックなようですし。
シリーズの出だしとしては良い滑り出しではなかろうかと思いつつ推薦しておきます。
2011年01月15日
『お嬢様のメイドくん』
大樹連司 先生が送る、時代のナナメ上を行くオトコの娘ラブコメ。主人と従者、
女の子とオトコの娘が名門女子高へ通うことから始まる物語を拝読しました。
(絵 : ま@や 先生)
【 http://data.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804196 】
凰翔学園へ通うことになった “雪風” が学園内で巻き込まれる騒動であるとか、
倒錯した関係であるとか、何よりも学園の特異な気風についつい目を奪われがち
になりますが、この話のポイントはやはり “咲夜” お嬢様が学園に登場してから。
それまでのお祭り気分を一気に払拭するかのような、厳しい現実と抗えない過去に
翻弄されてきた少女と少年の内面が、苦悩が、葛藤が見えたことで物語に緊張感と
深さを与えてくれたように思います。
そうであるが故に、安易に 「オトコの娘萌え」 という要素を残さない、とても
読み応えのある作品に仕上がっていると感じました。丸く収めているところも
良かったと思います。ラブコメ全開な続刊が出ても問題ないのではないかと。
「一迅社文庫」 も頑張ってます! ということでオススメしておきます。
女の子とオトコの娘が名門女子高へ通うことから始まる物語を拝読しました。
(絵 : ま@や 先生)
【 http://data.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804196 】
凰翔学園へ通うことになった “雪風” が学園内で巻き込まれる騒動であるとか、
倒錯した関係であるとか、何よりも学園の特異な気風についつい目を奪われがち
になりますが、この話のポイントはやはり “咲夜” お嬢様が学園に登場してから。
それまでのお祭り気分を一気に払拭するかのような、厳しい現実と抗えない過去に
翻弄されてきた少女と少年の内面が、苦悩が、葛藤が見えたことで物語に緊張感と
深さを与えてくれたように思います。
そうであるが故に、安易に 「オトコの娘萌え」 という要素を残さない、とても
読み応えのある作品に仕上がっていると感じました。丸く収めているところも
良かったと思います。ラブコメ全開な続刊が出ても問題ないのではないかと。
「一迅社文庫」 も頑張ってます! ということでオススメしておきます。
2011年01月08日
『ミスマルカ興国物語(8)』
「角川スニーカー文庫」 の屋台骨を支える 林トモアキ 先生の大人気シリーズ。
前巻の引きからファンの注目を集める第2部がいよいよ幕を開ける形となります。
(イラスト:ともぞ 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200907000518 】
「治世の能臣、乱世の奸雄」 なんて言葉が頭を過ぎるのは私だけではないかも。
前巻のラストを受けての “マヒロ” の在り様を見ている分には。そんな彼の様子に
戸惑い、やきもきする帝国側の姿勢が、特に “ルナス” の言動に表れているかと。
もちろん戸惑っているのは彼自身でもあるワケで。父という目標も失い、生き残って
しまったことに疑念すら抱くような “マヒロ” を再び 「蛇」 として甦らせんと
発破をかける対象となるのがかつての仲間である “パリエル” や “シーナ” たち。
帝国が手を焼く抵抗勢力の立てこもる城を陥落させる下命に “マヒロ” がとった
奇策を見るに 「命を懸ける」 ことの意味を見失っていないのは確か。“ルナス” が
敷いたシナリオに乗る彼が行く先に期待を寄せつつ、次巻を待つことに致しましょう。
前巻の引きからファンの注目を集める第2部がいよいよ幕を開ける形となります。
(イラスト:ともぞ 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200907000518 】
「治世の能臣、乱世の奸雄」 なんて言葉が頭を過ぎるのは私だけではないかも。
前巻のラストを受けての “マヒロ” の在り様を見ている分には。そんな彼の様子に
戸惑い、やきもきする帝国側の姿勢が、特に “ルナス” の言動に表れているかと。
もちろん戸惑っているのは彼自身でもあるワケで。父という目標も失い、生き残って
しまったことに疑念すら抱くような “マヒロ” を再び 「蛇」 として甦らせんと
発破をかける対象となるのがかつての仲間である “パリエル” や “シーナ” たち。
帝国が手を焼く抵抗勢力の立てこもる城を陥落させる下命に “マヒロ” がとった
奇策を見るに 「命を懸ける」 ことの意味を見失っていないのは確か。“ルナス” が
敷いたシナリオに乗る彼が行く先に期待を寄せつつ、次巻を待つことに致しましょう。
『百億の魔女語り(2) やっぱり都会の女なのね、そうなのね。』
竹岡葉月 先生の新シリーズ、魔女と現代科学が混在するファンタジーラブコメ。
1巻から様子を見させて頂きましたが、2巻も納得の内容でしたのでご紹介です。
(イラスト:中山みゆき 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_03 】
前巻を様子見した理由はその内容がこの第2巻への大きな導線だと思ったから。
いや、それ単体でもトリッキーで面白いことしてくれるなぁ、と感じてはいたのですけど。
やはり3人の魔女が街に出てきてからが本番かな、という気がして。
現役時代から “アルト” に心を寄せる “フォリーナ” の登場で俄然騒がしくなる
彼の周辺も面白いですが、現代科学に魔術が絡む世界観の描写が中々に魅力的です。
ホームに戻ってきて “アルト” も随分と見せ場が増えています。
そしてやはり注目すべきは “アルト” の妹 “アディリシア”。「FB Online」 に掲載の
連載小説などを見る限りではどうやら一癖も二癖もある人物のようで。今巻の引きが
どう繋がっていくのか、次巻の刊行がとても楽しみです。
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/03novels/03_1101majo/03_1101majo.html 】
1巻から様子を見させて頂きましたが、2巻も納得の内容でしたのでご紹介です。
(イラスト:中山みゆき 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_03 】
前巻を様子見した理由はその内容がこの第2巻への大きな導線だと思ったから。
いや、それ単体でもトリッキーで面白いことしてくれるなぁ、と感じてはいたのですけど。
やはり3人の魔女が街に出てきてからが本番かな、という気がして。
現役時代から “アルト” に心を寄せる “フォリーナ” の登場で俄然騒がしくなる
彼の周辺も面白いですが、現代科学に魔術が絡む世界観の描写が中々に魅力的です。
ホームに戻ってきて “アルト” も随分と見せ場が増えています。
そしてやはり注目すべきは “アルト” の妹 “アディリシア”。「FB Online」 に掲載の
連載小説などを見る限りではどうやら一癖も二癖もある人物のようで。今巻の引きが
どう繋がっていくのか、次巻の刊行がとても楽しみです。
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/03novels/03_1101majo/03_1101majo.html 】
『氷結鏡界のエデン(5) 絶対聖域』
ドラマCDも発売となり、人気度の高まりを感じさせる 細音啓 先生の本作。
“シェルティス” の過去に絡む人物がまた1人、その存在をあらわにします。
(イラスト:カスカベアキラ 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201004000023 】
“シェルティス” と “ユミィ” の似たもの同士的なエピソードから始まる
「統政庁」 訪問と新たな騒動。“シェルティス” と “イグニド” の邂逅、
“イリス” の過去、“ユミィ” の選択・・・見どころはたくさんあります。
その中でも注目なのは “イーシャ” の姉にして練護士筆頭の “イシュタル”。
平時と戦時でキャラクターを使い分けて “シェルティス” たちを翻弄するだけ
でなく、前作 『黄昏色の詠使い』 との絡みも匂わせてくるところは特に。
“華宮” と “ヴァイエル” はのんびりと順調に距離が縮まりつつあるよう
ですし、“モニカ” も気苦労が絶えないのは相変わらず。そんな彼女たちの
預かり知らぬところで進んでいく思惑の表出と絡み具合が引き続き楽しみです。
“シェルティス” の過去に絡む人物がまた1人、その存在をあらわにします。
(イラスト:カスカベアキラ 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201004000023 】
“シェルティス” と “ユミィ” の似たもの同士的なエピソードから始まる
「統政庁」 訪問と新たな騒動。“シェルティス” と “イグニド” の邂逅、
“イリス” の過去、“ユミィ” の選択・・・見どころはたくさんあります。
その中でも注目なのは “イーシャ” の姉にして練護士筆頭の “イシュタル”。
平時と戦時でキャラクターを使い分けて “シェルティス” たちを翻弄するだけ
でなく、前作 『黄昏色の詠使い』 との絡みも匂わせてくるところは特に。
“華宮” と “ヴァイエル” はのんびりと順調に距離が縮まりつつあるよう
ですし、“モニカ” も気苦労が絶えないのは相変わらず。そんな彼女たちの
預かり知らぬところで進んでいく思惑の表出と絡み具合が引き続き楽しみです。