2011年01月29日

『妖異暗躍譚(4) 黄梅の繚花 Replay:天下繚乱RPG』

  原作: 小太刀右京
  著: 三輪清宗
  ビジュアライズ: すがのたすく

以上敬称略、でお送りしてきた「天下繚乱RPG」のリプレイシリーズも遂に最終巻。
“茜” “小十郎” “金銀” “ホームズ” の4人が、それぞれの想いを胸に現世
最大の危機に立ち向かいます。

http://integral.jive-ltd.co.jp/


  GM: では、鳥居耀蔵は茜の前でじっとその目を見つめる。
  茜: じゃあプレイヤーは泣きながら、茜は鳥居の方をじっと見つめる。
     その眼差しに迷いはない。プレイヤーの眼差しには涙がある(一同爆笑)。
  金銀: プレイヤーは泣きながらってどんな行動宣言だ。毎度、毎度(笑)。


・・・すげぇ、すがの 先生が持つ “鳥居耀蔵” への愛情が衰えることなく全力全開だ。
『化政英傑譚 巻之弐』 で先生が仰られていた 「PC全員南町関係者なキャンペーン」 が
見てみたくてしょうがない。「JIVE」 さん、やりませんか(笑)。

そして今巻で目を見張ったのが 鋼屋ジン 先生演じる “ホームズ” 氏のムチャ振り。
最終的にはフェードアウトしかけるほど、どんだけ自分を追い込むの!? って展開に
本編とは別の緊張感がありました。振り戻し方も驚嘆すべき機転の利きでした。

井上純弌 先生演じる “金銀” は娘 “ガラシャ” の想い、その存在自身をも蔑ろに
する “閻羅王” への義憤と日本という国を守る心の強さを示してくれました。
「大勘解由使」 の力には只々恐れ入るところです。

“茜” との関係も気になるところでしたが、何よりも弟 “新九郎” との忌避できぬ
衝突に思い悩む “小十郎” を 小太刀右京 先生が見事に演じきっておられました。
何であんなにカッコイイ台詞がポンポン出てくるのか、と感心せざるを得ません。


最後の大団円での締めくくりを確かめさせて頂いた後は嬉しくもあり、そしてまた
名残惜しいところではあります。三輪 先生、ならびにプレイヤー諸氏の皆様、
4巻に亘るキャンペーンお疲れ様でした。存分に楽しませてもらいました。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2011年01月22日

『You can't catch me 【初回限定版】』

坂本真綾 さんのデビュー15周年を記念する企画の第6弾として、2011年1月12日に
発売されました7枚目のオリジナルアルバムです。もちろん初回限定版をゲットです。

http://www.jvcmusic.co.jp/maaya/yccm/index.html


数々のアーティストを迎えて作られた12曲。

  『eternal return』 『秘密』 『キミノセイ』 のようにアップな曲も、
  『DOWN TOWN』 『stand up, girls!』 『手紙』 のようにミドルな曲も、
  『美しい人』 『みずうみ』 『トピア』 のようにスローな曲も。

どれも耳ざわりが良くて聴きやすかったです。イージーリスニングにも適している
のではないかと思います。これはもうオススメしないワケにはいかないって話で。


また、初回限定版に付属の SPECIAL CD 「15周年記念LIVE“Gift”+1」 はまさに
必聴の価値アリ。いや、ライブBDも買いましたけどね、モチロンね。こうして音源に
落としてもらうとまた一味違ったものが感じられると言いますか。

特に 『0331medley 〜featuring 菅野よう子』 とか聴いてると武道館の2階席から
眺めていた情景が思い浮かぶ感じで。これが 「胸が熱くなる」 ということか、などと
思ったりなんかしちゃったりするワケで。

  約束はいらない(Intro.) 〜 指輪 〜 Active Heart 〜 アルカロイド 〜
  夜明けのオクターブ 〜 Tell me what the rain knows 〜 tune the rainbow 〜
  チョコと勇気 〜 トライアングラー 〜 約束はいらない 〜 Happy Birthday To You

・・・こんなメドレーが実現するなんて、まさに奇跡としか思えませんでしたからね。
CD未発表音源だった 『everywhere -piano&vocal-』 も落ち着いた雰囲気が素敵で。
ということで、ご購入の際はぜひ初回限定版を手に取ることを推奨する次第です。



#1/24付「オリコン週間アルバムランキング」首位獲得、改めてお祝い申し上げます。

#◆【オリコン】坂本真綾、デビュー15年目で初首位
#【 http://www.oricon.co.jp/news/rankmusic/83964/

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | CD

『とある飛空士への恋歌(5)』

スロースタートの後に加速度的な盛り上がりを魅せた犬村小六 先生のスカイ・オペラ。
宣言どおり、ついにその幕を引くべく満を持しての最終巻が刊行されております。
(イラスト/森沢晴行 先生)

http://gagaga-lululu.jp/gagaga/release/index.html#03


まず言うべきなのは 「読めてよかった」 「ありがとう、犬村 先生」 という想い。
出自を明らかにすること躊躇することなく “クレア” への憎しみを一途な愛へと
昇華させた “カルエル” の、青年としての成長ぶりには目を見張るものがあります。

“カルエル” のひたむきな想いに似た感情を胸に秘めた彼女の独白。切ないほどに
強い想いの吐露を目の当たりにして思わずもらい涙を頂戴することになりましたよ。
歌えない恋の歌もある──。彼以外の物語があったことを如実に示してくれました。

『とある飛空士への追憶』 に続いて間違いなく秀作、名作の域に達したと思います。
未読の方は 「読みたい本がないな」 と感じた時に思い出して手に取ってみて下さい。
これほどにロマンティックな恋物語、失望させることは無いと確信しております。


#最後まで強く印象に残してきたなぁ、「アリーメン」。(w

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『〜覚醒遺伝子〜 時かける翼』

中村一 先生が送るエンジェリック・シンフォニー。人と天使の絆を結ぶ物語、
中村 先生のデビュー作にしてその完結編を読ませていただきました。
(イラスト/refeia 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1101.php#new12


『空を継ぐもの』、『めぐりあう鼓動』、そして今巻と3冊通して読んでみて
改めて世界観の素敵な物語であったなぁ、と思います。refeia 先生のイラストも
それに合致していての感想かもしれません。

今巻は物心つく頃からなぜか天使の知識を有する “晴友” と 「機関」 によって
作り出された代替天使の “ナナ” が出会い、衝突し、心通わせていくストーリー。
届かない言葉への絶望を届けたい言葉への希望に変えていく2人に注目です。

また、羽を持つものと持たざるもの。一言で表せる両者の端的にして決定的な違いが
生み出す齟齬にも一つの区切りがつきます。こちらも見届けてほしいところです。
ということで楽しませて頂きました。 中村 先生、執筆お疲れさまでございました。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『レイヤード・サマー』

『れでぃ×ばと!』 の 上月司 先生が送り出す、時を超えた少女と高校二年の
少年が出会い、織り成すひと夏のストーリー。400ページを超す新作の登場です。
(イラスト/さくらねこ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1101.php#new4


ページ数、あるいはタイムパラドクスがどうとかいった話が絡んでくるワリには
結構すんなり読めたというか。時間軸の解説とか、ある程度のタネ明かしはして
頂いていたので、そのあたりで助けられたのかな、とも思いますが。

「子宮喰い」 となった “ハル” の心境、その彼女を追って何度も “涼平” と
顔を合わせることになる “庵璃” の心中、彼女の存在に少なからず焦る気持ちを
拭えない “野々子” の胸中。各々の機微が丁寧に描写されていたように思います。

あとがきにおいて 上月 先生が仰られているように、作中で明らかにしていない
話のタネや、矛盾があるかも、といったところに想いを廻らせてみるのも一つの
楽しみ方があるのではないかと感じた作品です。ともあれ、楽しませて頂きました。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル