2010年12月25日

『深山さんちのベルテイン』

そんな 「ニャル子さん」 で一角の作家として足場を固めた 逢空万太 先生が送る、
女の子よりも可愛い男の娘が主人公の新シリーズが同時刊行で登場しております。
(イラスト:七 先生)

http://ga.sbcr.jp/novel/miyama/


「GA文庫」 における様々な施策を行ってきた結果を取り込んできてるな、というのが
まず一つ。ゆるふわ日常ショート・ストーリーという位置付けで確かに気負わず読める
というのがもう一つ。“ベル” さんの口癖で字数稼げるな〜と感じたのがまた一つ。

総じてライトノベルの強みであるキャラクター同士のやりとりが前面に押し出された
連作短編作品だな、というのが実感としてあります。“琥太郎” と “ベル” さんの
言動も微笑ましいです。“不良リーダー” や “局長” もイイ味出してます。

男の娘であることを押し通す “琥太郎” に付き合う幼なじみの “耕平” や “理々” が
マトモに見えて実は思考に一部難があるのも興味深いところで。続きに注目を寄せてみる
のも悪くないと思う今日この頃でありました。・・・出しますよね、「GA文庫」 編集部さん?

posted by 秋野ソラ at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『這いよれ!ニャル子さん(6)』

TVアニメも絶賛放映中&ニコニコ動画にて配信中、ということで勢いに乗り続ける
逢空万太 先生のラブ(クラフト)コメディ、最新第6巻の登場です。
(イラスト:狐印 先生)

http://ga.sbcr.jp/novel/nyaruko/


いつも何かとおちゃらけた感じで “真尋” を翻弄しつつも撃退される “ニャル子” さんが
今回はかなり真面目に、ガチで本心を吐露したのが印象的でした。狐印 先生の挿絵も
そのインパクトに拍車を掛けていたように思います。

“クー子” の姉のモノマニアックぶりに一族郎党で困った人たちだな、と傍らから
微笑ましく見守ると共に何気なく見逃せないのが “シャンタッ君” の出番の多さ。
あるいは “ハス太” を負かすほどの活躍ぶりにも注目、と言ったところでしょうか。

章立てのタイトル然り、各所に織り交ぜられたネタの数々は相変わらず面白く、今巻も
安定した娯楽作品として仕上げてきています。「クトゥルフ神話」 ネタを扱う作品との
横の繋がりも見所の一つかと。作品を応援し続ける立ち位置は未だ変わること無し、です。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえはいすくーる』

いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、こと “ニャル子” さんもご推薦の
内山靖二郎 先生が送るリプレイ集が人気に応えてシリーズ化。続巻の登場です。
(イラスト:狐印 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047269071/


ということで、まずは続刊に関してお祝い申し上げます。まさか 逢空万太 先生から
キャラクターを通じて推薦コメントを頂いてくるとは思いもよらず。(w


さて、「るるあん」 にてNPCと化した “京” の代わりに登場するのは “さやか” の
同級生 “睦”。殺人的な空手キックを放つ “さやか” をも上回る STR(筋力) の
持ち主であり、機械いじりや経理に強い女の子です。どんな女子高生だ、って話ですがw。

タイトルにもある通り、今回は “さやか” たちが通うことになった 「私立御津門学園」
にまつわる場所が主な舞台。今回も3話構成です。何気に “京” が色々といい味を出して
おいしい所をもっていったような気がします。私も第3話のまとまり具合が好きです。

その他に言いたいことについては、実は作中の 「反省会」 で散々言われているので
是非そちらも気に掛けてお読み頂けたらと思います。“蘭弗” 叔父さんに会いに行く
キャンペーンを所望したいので、さりげなく次巻が出ることを期待しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえあんてぃーく』

何の因果か這いよるイラストレーターとタッグを組んで送る 内山靖二郎 先生の
リプレイ集。骨董店 「るるいえ堂」 に訪れる奇妙な客が怪事件の幕を開けます。
(イラスト:狐印 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047262393/


「クトゥルフ神話TRPG」のリプレイを読むのはこれが初めてですが、能力値や技能、
成長のさせ方とか、何よりも 「正気度」 ロールの仕組みというか意味というか、
そのあたりが世界観を再現するために独特な雰囲気を持っているのが興味深い。

また、シナリオ自体も戦闘したりするよりは、遭遇した宇宙的恐怖をどうやったら
回避できるか、逃れられるかを考えていくシティ・アドベンチャー的な要素が強い
印象を感じさせてくれているのが特徴的かな、と思います。


探索者として挑むこととなった “さやか” “辰巳” “京” “佐々原” の4人が
いい感じにキャラが立っていたので、様々なやりとりの中に見えるロールプレイの妙
が端々に見えていたと思います。

キャラクター的、プレイヤー的にも一番苦労していたのは “辰巳” 先生でしたね。
前者だけで見るなら “京” も、ですが。「正気度」 ロールを全て失敗するのは
余程のこと・・・・というかそもそも能力値に問題があったとも言えますけど。

じっくり読ませてもらったこともあって読了するまでには結構な時間を要しましたが
それに見合う面白さはあったと感じています。お値段がやや高めなので気軽に薦める
のも何なのですが、導入としては申し分ない作品として挙げておきたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『名門校の女子生徒会長がアブドゥル=アルハザードのネクロノミコンを読んだら』

『白鷺このはにその気はない!』 の 早矢塚かつや 先生が次に送るのはどこぞの
啓発本を思わせるタイトルが否応無しに目を引く学園ラブ(クラフト)コメディです。
(絵 : 下弦ひらぎ 先生)

http://data.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804197


・・・まぁ、確かに ゆでそば 先生とは似て非なるイラストではありますが、攻める
方向性は共に抜かりがないと言うか。ある意味、ジュブナイルポルノにも負けない
エロコメ色が強い感はあります。まさに東京都青少年健全育成条例改正案も何のその。

例えば 『魔海少女ルルイエ・ルル』 とは違ったアプローチで 「クトゥルフ神話」 を
下敷きにしつつもお色気あふれる学園モノに仕上げてきたな、という話で。主人公である
“敏文” がとんでもないものを対象にモテ期に突入するところがポイントでしょうか。

話はとりあえず一段落されていますが、色々と使い切っていない設定はあるようですし
売上げや編集部のヤル気いかんによっては続きも書けそうなまとめ方でしたのでここは
一つ応援しておくのもやぶさかではない、と申し上げておくことに致します。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『うちのメイドは不定形』

  著: 静川龍宗
  原案: 森瀬繚
  イラスト: 文倉十

以上敬称略、によるクトゥルフ神話の設定を元にしたハートフルなお話と聞いて
遅蒔きながら読ませていただいております。

http://www.php.co.jp/comics/smash/


まず結論から言わせていただくと 「確かに面白かった」 というところでしょうか。
突然に場面展開したりするなど編集レベルで目に付くところはあるのですが、それを
微笑ましいほどの “テケリ” さんの可愛らしさが払拭してくれたように思います。

もちろんその可愛らしさを裏打ちしたのは 「スマッシュ文庫」 お得意のイラスト攻勢
であり、文倉十 先生の絵心に寄るところが大きいワケですが。お話の落としどころも
ひとまず丸く収められているので中々に楽しませてもらいました。

それにしても、「クトゥルフ神話」 の設定すら萌えの力に変えて昇華させてしまう
日本人の凄さというか、恐ろしさというか、そんな感情が胸をよぎる今日この頃。
本作はシリーズ化も決定しているそうなので続刊を気に掛けておこうかと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル