2010年12月25日

『クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえはいすくーる』

いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、こと “ニャル子” さんもご推薦の
内山靖二郎 先生が送るリプレイ集が人気に応えてシリーズ化。続巻の登場です。
(イラスト:狐印 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047269071/


ということで、まずは続刊に関してお祝い申し上げます。まさか 逢空万太 先生から
キャラクターを通じて推薦コメントを頂いてくるとは思いもよらず。(w


さて、「るるあん」 にてNPCと化した “京” の代わりに登場するのは “さやか” の
同級生 “睦”。殺人的な空手キックを放つ “さやか” をも上回る STR(筋力) の
持ち主であり、機械いじりや経理に強い女の子です。どんな女子高生だ、って話ですがw。

タイトルにもある通り、今回は “さやか” たちが通うことになった 「私立御津門学園」
にまつわる場所が主な舞台。今回も3話構成です。何気に “京” が色々といい味を出して
おいしい所をもっていったような気がします。私も第3話のまとまり具合が好きです。

その他に言いたいことについては、実は作中の 「反省会」 で散々言われているので
是非そちらも気に掛けてお読み頂けたらと思います。“蘭弗” 叔父さんに会いに行く
キャンペーンを所望したいので、さりげなく次巻が出ることを期待しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえあんてぃーく』

何の因果か這いよるイラストレーターとタッグを組んで送る 内山靖二郎 先生の
リプレイ集。骨董店 「るるいえ堂」 に訪れる奇妙な客が怪事件の幕を開けます。
(イラスト:狐印 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047262393/


「クトゥルフ神話TRPG」のリプレイを読むのはこれが初めてですが、能力値や技能、
成長のさせ方とか、何よりも 「正気度」 ロールの仕組みというか意味というか、
そのあたりが世界観を再現するために独特な雰囲気を持っているのが興味深い。

また、シナリオ自体も戦闘したりするよりは、遭遇した宇宙的恐怖をどうやったら
回避できるか、逃れられるかを考えていくシティ・アドベンチャー的な要素が強い
印象を感じさせてくれているのが特徴的かな、と思います。


探索者として挑むこととなった “さやか” “辰巳” “京” “佐々原” の4人が
いい感じにキャラが立っていたので、様々なやりとりの中に見えるロールプレイの妙
が端々に見えていたと思います。

キャラクター的、プレイヤー的にも一番苦労していたのは “辰巳” 先生でしたね。
前者だけで見るなら “京” も、ですが。「正気度」 ロールを全て失敗するのは
余程のこと・・・・というかそもそも能力値に問題があったとも言えますけど。

じっくり読ませてもらったこともあって読了するまでには結構な時間を要しましたが
それに見合う面白さはあったと感じています。お値段がやや高めなので気軽に薦める
のも何なのですが、導入としては申し分ない作品として挙げておきたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『名門校の女子生徒会長がアブドゥル=アルハザードのネクロノミコンを読んだら』

『白鷺このはにその気はない!』 の 早矢塚かつや 先生が次に送るのはどこぞの
啓発本を思わせるタイトルが否応無しに目を引く学園ラブ(クラフト)コメディです。
(絵 : 下弦ひらぎ 先生)

http://data.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804197


・・・まぁ、確かに ゆでそば 先生とは似て非なるイラストではありますが、攻める
方向性は共に抜かりがないと言うか。ある意味、ジュブナイルポルノにも負けない
エロコメ色が強い感はあります。まさに東京都青少年健全育成条例改正案も何のその。

例えば 『魔海少女ルルイエ・ルル』 とは違ったアプローチで 「クトゥルフ神話」 を
下敷きにしつつもお色気あふれる学園モノに仕上げてきたな、という話で。主人公である
“敏文” がとんでもないものを対象にモテ期に突入するところがポイントでしょうか。

話はとりあえず一段落されていますが、色々と使い切っていない設定はあるようですし
売上げや編集部のヤル気いかんによっては続きも書けそうなまとめ方でしたのでここは
一つ応援しておくのもやぶさかではない、と申し上げておくことに致します。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『うちのメイドは不定形』

  著: 静川龍宗
  原案: 森瀬繚
  イラスト: 文倉十

以上敬称略、によるクトゥルフ神話の設定を元にしたハートフルなお話と聞いて
遅蒔きながら読ませていただいております。

http://www.php.co.jp/comics/smash/


まず結論から言わせていただくと 「確かに面白かった」 というところでしょうか。
突然に場面展開したりするなど編集レベルで目に付くところはあるのですが、それを
微笑ましいほどの “テケリ” さんの可愛らしさが払拭してくれたように思います。

もちろんその可愛らしさを裏打ちしたのは 「スマッシュ文庫」 お得意のイラスト攻勢
であり、文倉十 先生の絵心に寄るところが大きいワケですが。お話の落としどころも
ひとまず丸く収められているので中々に楽しませてもらいました。

それにしても、「クトゥルフ神話」 の設定すら萌えの力に変えて昇華させてしまう
日本人の凄さというか、恐ろしさというか、そんな感情が胸をよぎる今日この頃。
本作はシリーズ化も決定しているそうなので続刊を気に掛けておこうかと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2010年12月18日

『ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット』

川原礫 先生の大人気シリーズ最新巻はついに 「ファントム・バレット」 編完結へ。
仮想世界から現実世界に死をもたらす “死銃” の謎が、いま明かされます。
(イラスト/abec 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1012.php#new2


・・・あ〜、もう凄いとしか言いようがない。この読了後の充足感と言ったら。


400ページを超す紙幅の中に仮想世界での手に汗握るアクションの連続が、あるいは
現実世界での喜怒哀楽あふれるドラマティックな出来事の数々が、abec 先生の印象的な
イラストと共に散りばめられています。

特に仮想世界での出来事と現実世界で起こったことの絡み合いで 「死銃」 事件の
真相に迫っていく展開や、死そのものに直面した ≪シノン≫、そして “詩乃” が
もがき苦しみ、悩みぬいた末に一つの確信を抱くまでの過程などはまさに秀逸かと。

“死銃” の謎、そしてその犯行動機がいかにも 「VRMMO」 の世界観を活かした
ものになっていて素晴らしかった。最後の纏め方も “桐人” たちには油断ならない
話ではありましたが “詩乃” にとって救いのある内容なのがまた良かったです。


毎度のことですが 「ぜひ実際に読んでご確認を!」 と声を大にして申し上げる次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル