2010年10月09日

『パパのいうことを聞きなさい!(4)』

『迷い猫オーバーラン!』 と双璧を成す、松智洋 先生の大人気シリーズ第4巻。
“美羽” の実母である “サーシャ” の来訪で小鳥遊家の面々が心揺さぶられます。
(イラスト/なかじまゆか 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/_papa/#b04


先日、「スーパーダッシュ文庫編集部」 より公式小冊子をいただきましたが、あれは
良い出来でした、ホント。まさに 「Digital Lover」 の同人誌のような雰囲気が満載で。
ファンなら一度は目を通しておく価値はあるかと思います。オススメです。


さて、本編は 「実母との家族関係」 「“祐理” との家族関係」 「“祐太” との家族関係」
に心悩ませる “美羽” に焦点が当てられています。何とも重い背景下に置かれた彼女の
繊細な機微を丁寧に描写できていると思います。ドラマのシナリオにも使えそうな勢い。

そんな “美羽” と、彼女の姿を見てまた思い悩む “祐太” たち。彼らを支える “栞” や
“仁村”、“莱香” の言動にも注目です。「情けは人の為ならず」などとよく言いますが
人は関係し合って生きていく、と陳腐かもしれませんが大事なことを感じさせてくれました。

最後に気持ちの整理を付けた “美羽” が実母と向き合う場面も心打つものがあり、安定した
話運びに満足以外の言葉は浮かんできません。“ひな” も少しずつ心の成長を見せている
ところがまた良い感じで。“祐太” の気苦労が絶えない家族生活、その続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『神なる姫のイノセンス(2)』

早々に増刷が決められるなど、人気の高さを窺わせる 鏡遊 先生の学園ラブコメ第2巻。
7人の才媛をモノにする運命を強制される “神堂祐貴” の明日はどっちだ!?
(イラスト:鶴崎貴大 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=26099


ということで今巻は積極的なアプローチを仕掛けてくる “澪” がターゲット。
「わたしだけに愛を!」 の章立てが 「王」 と 「ヒメ神」 の特異な関係性を
改めて如実に表していたように思います。まさに愛憎は紙一重、の世界。

すでに 「落ちた」 状態にある “かなみ” のヤキモチ焼きなところやデレっぷり。
あるいは 「影ヒメ」 としての位置付けにある “ハルカ” がいつの間にかMっぽく
傾いていたり、と “澪” 以外にも上手く焦点を当てて話が進んでいます。

「王の声(オーバーロード)」 という能力だけでなく、単純に身体能力としても
女性より上にある “祐貴” が 「ヒメ神」 たちと接する様子は決してヘタレではなく
男らしい感じがするのは昨今の主人公像とは一線を画すようで常々新鮮に思うところ。

次は誰を 「落とす」 ことになるのか。引き続き注目です。・・・それにしても 鶴崎 先生の
イラストは毎度毎度、反則的に可愛らしくてもうどうしたらいいのかと言わざるを得ません。

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『まぶらほ 〜じょなんの巻 なな〜』

築地俊彦 先生の 『まぶらほ』 最新巻。「月刊ドラゴンマガジン」 に掲載の5本と
書き下ろし番外編 「もうちょっとメイドの巻」 を収録した1冊となっております。
(イラスト:駒都えーじ 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201005000573


今まで何かと一歩後ろに引いて “夕菜” たちが “和樹” を取り合っているのを
見ていた感じの “玖里子” さん。ここにきて本来の目的を果たさんが如く一気に
「kiss 編」で歩を詰めてきてお話としてもテンションを上げてきた雰囲気です。

また 「続・kiss 編」 ではいつもと様子の違う “和樹” を巡って女性陣も態度に
変化が見られる中で見せたあの引き具合。自暴自棄となるか、ジェノサイド・ルートへ
突入するかとても気になるところです。希望としては後者ですが。(ぇ

「メイドの巻」 も安定した話運びを見せる 「MMM」 の様子が楽しめるところ。
それにしても 『まぶらほ』 より前に連載していた作品が 『スレイヤーズ』 のみとは。
当時を知っているだけに、月日がそれだけ流れたのかと思うと少し複雑な心境です。(^^ヾ


#新シリーズは 異識 先生がイラスト担当か・・・。それだけで買いそうだなぁ。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2010年10月04日

「ライトノベルBESTランキング ウェブアンケート」投票

「このライトノベルがすごい!2011」 向けの〆切は本日(10/4)まで、ということで
ギリギリ回答してきました。全部埋める形式ではないので気軽に回答できるかと思いますし
まだ間に合いますので、ライトノベルに少しでも愛着がある方ならこの機会に是非どうぞ。

◆ライトノベルBESTランキング ウェブアンケート
https://ssl.tkj.jp/form/lightnovel2011/



ちなみに当方は以下のように回答してきました。(以下敬称略)


  ≪好きなライトノベル作品・シリーズ≫

   1位: 神様のメモ帳 [ 杉井光(電撃文庫) ]
   2位: とある飛空士への恋歌 [ 犬村小六(ガガガ文庫) ]
   3位: ソードアート・オンライン [ 川原礫(電撃文庫) ]
   4位: さくら荘のペットな彼女 [ 鴨志田一(電撃文庫) ]
   5位: SH@PPLE ―しゃっぷる― [ 竹岡葉月(富士見ファンタジア文庫) ]


  ≪好きな(もしくは印象的な)女性キャラクター≫

   1位: 琴吹ななせ [ 「文学少女」シリーズ ]
   2位: アリス [ 神様のメモ帳 ]
   3位: 椎名ましろ [ さくら荘のペットな彼女 ]


  ≪好きな(もしくは印象的な)男性キャラクター≫

   1位: キリト [ ソードアート・オンライン ]
   2位: マヒロ・ユキルスニーク・エーデンファルト [ ミスマルカ興国物語 ]
   3位: 木下秀吉 [ バカとテストと召喚獣 ]


  ≪好きなイラストレーター≫

   1位: なかじまゆか [ パパのいうことを聞きなさい! ]
   2位: すまき俊悟 [ 理の守護神さま。 ]
   3位: 鶴崎貴大 [ ふぁみまっ! ]



一年間に読んだ作品を振り返ってみて、ワクワクしたとか、感動したとか、そういった
感情の昂りを第一に選んでみたつもりです。ご参考までに、ということで一つ。


#また 「電撃文庫」 と 「GA文庫」 をひいき目に見た結果に。(w

posted by 秋野ソラ at 03:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2010年10月03日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンIII<下>』

「電撃モバイル」 にて 『OBSTACLE OVERTURE mobile』 の配信がスタートするなど
独自の世界観を活かし続ける 川上稔 先生の最新作。まだまだ付いていきますよ。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY))

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new5


  552 + 776 + 912 + 1160 + 744 + 840 + 904 = 5888 ページ

「電撃文庫」 公式サイトから引用ですが、これまででシリーズ計7冊を刊行して
このページ数。しかもこれでようやく序盤終了という位置付けなのだから驚き。
他のラノベで2倍、「MF文庫J」なら3倍弱相当のテキスト量はまさに圧巻の一言。


上・中巻では “点蔵” と未来嫁 “メアリ” とのやりとりが何とも楽しみなところ
でしたが、下巻はやはり “ミトツダイラ” の、とりわけ母親との交流が注目の的。
(胸を除いた)心身が共に彼女が成長していく過程には喜ばしさを感じました。

江戸に向かう「武蔵」が歴史再現という制約条件に何度も阻まれる最中に見せた
“アンヌ” や “松永”、“義経” が見せた心意気は胸を打つものがありました。
そして 「三方ヶ原の戦い」 終結の条件を背負わされたあの方の決意も、同様に。

そんな助力もあってようやく江戸へ、と思ったらまさかのちゃぶ台返し。様々な
想いを受け継いできたからこそ辿り着いた係留地にて、今こそ恩に報いるべしと
それを世界を動かす糧として動き出す 「武蔵」 の行く末に引き続き期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル