「第9回 SD小説新人賞」 大賞を受賞した 神秋昌史 先生の栄えあるデビュー作。
同受賞作 「オワ・ランデ 〜夢魔の貴族は焦らし好き〜」 を改稿しての登場です。
(イラスト/イチリ 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/new/1009.html#b02 】
昨今、各レーベルともにエッチな描写に対する許容範囲が広がり、ものによっては
ジュブナイルポルノをも髣髴とさせるようなタイトルもちらほらと見受けられます。
青少年にはちょっと刺激が、とか思いつつ自分もエロコメとか読んでいるワケですが。
本作の主人公 “直純” もサキュバスである “ロセリー” を召喚してあれやこれやと
ヤリたい強固な姿勢を示すも、命を奪われるほど強力な、まさに必死と言える彼女の力
に何度も阻まれ、それでも果敢に挑戦し続ける──。
そんな単純なお話に見えて実はその姿勢そのものがフェイクで本当の目的は・・・・という
話の切り返しがなかなか面白いなぁ、と思いました。モノローグの入れ方も伏線らしく
機能して良かったと思います。「オワ・ランデ」 な結末も含め、楽しませてもらいました。
2010年10月16日
『星刻の竜騎士(2)』
第1巻に続いて緊急重版のかかった 瑞智士記 先生の『星刻の竜騎士(ドラグナー)』、
第2巻は表紙を飾る、風紀の “シルヴィア” に話の焦点が移ります。
(イラスト:〆鯖コハダ 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=26084 】
──〆鯖コハダ 先生が原画のエロゲが、頭の片隅に思い浮かぶ・・・。(w
──いや、口絵とか、比較的たくさんある挿絵のアレやコレやがもう。(w
──粘膜的な何かなんて、青少年の皆さま方にはどうなの!? 的な。(w
まぁ、それはさておき。本編は “シルヴィア” がコンプレックスを抱く対象となる姉
“ヴェロニカ” の登場で、“シルヴィア” のみならず生徒会の面々もどこか調子を
外されつつ、姉の立場ゆえに引き起こされる騒動に巻き込まれていく・・・という流れ。
その影で 〈銀麗の騎士(シルバーナイト)〉 と “アッシュ” の関係がバレないよう
動かなければならない事情や “エーコ” が起こすトラブルも小気味良く挟んできて、と
スラップスティックな中での話の動かし方は前巻に引き続いてとても読みやすいところ。
今回も “アッシュ” の窮地を間接的に救うこととなった “ナヴィー” の正体は未だ
明らかではありませんが、“エーコ” との近いような外れているような微妙な距離感を
見ていると今はまだいいか、とそんなことを思いつつ続きに備えるのであります。
第2巻は表紙を飾る、風紀の “シルヴィア” に話の焦点が移ります。
(イラスト:〆鯖コハダ 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=26084 】
──〆鯖コハダ 先生が原画のエロゲが、頭の片隅に思い浮かぶ・・・。(w
──いや、口絵とか、比較的たくさんある挿絵のアレやコレやがもう。(w
──粘膜的な何かなんて、青少年の皆さま方にはどうなの!? 的な。(w
まぁ、それはさておき。本編は “シルヴィア” がコンプレックスを抱く対象となる姉
“ヴェロニカ” の登場で、“シルヴィア” のみならず生徒会の面々もどこか調子を
外されつつ、姉の立場ゆえに引き起こされる騒動に巻き込まれていく・・・という流れ。
その影で 〈銀麗の騎士(シルバーナイト)〉 と “アッシュ” の関係がバレないよう
動かなければならない事情や “エーコ” が起こすトラブルも小気味良く挟んできて、と
スラップスティックな中での話の動かし方は前巻に引き続いてとても読みやすいところ。
今回も “アッシュ” の窮地を間接的に救うこととなった “ナヴィー” の正体は未だ
明らかではありませんが、“エーコ” との近いような外れているような微妙な距離感を
見ていると今はまだいいか、とそんなことを思いつつ続きに備えるのであります。
『モンスター・コレクション 烙印ゼミナール(3)』
「グループSNE」 の社長である 安田均 先生の原案を 大井雄紀 先生が1つの物語へと
花膨らませた 『烙印ゼミナール』。そのエンディングを見届けさせてもらいました。
(イラスト:7010 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201004000027 】
とても綺麗な大団円で、読了感はとても爽やかで清々しく。“アッシュ” が、そして
“ルファ” が辿り着いた結末は、途中の過程があったからこそまた自然で。見ている
こちらも微笑ましく思えるほどでした。
「七星魔道師」 と 「黒曜剣」 の秘密を知り、それでもなお “ガルークル” に、更に
「精霊王」 に立ち向かう “アッシュ” たちの生き様も良かった。彼の居ぬ間にすっかり
様変わりした 「バラン」 を救ったエピソードも人間味が溢れていて素敵でした。
今巻で魅力的な言動を見せた “メディア” がなかなかいい立ち位置で。あれだけの
アプローチをしておきながら最終的には一歩引けるなんていじらしいとしか言えません。
ラストにおける変質魔法の使い方も一本取られた感じでまさに助演女優賞モノ。
こうして3巻で幕を引かれてしまうのが何とも惜しいところではありますが、ひとまずは
無事完結を心よりお祝い申し上げたいと思います。執筆、お疲れさまでございました。
次なる作品の登場を期待、そして祈念しつつ筆を置くことに致します。
花膨らませた 『烙印ゼミナール』。そのエンディングを見届けさせてもらいました。
(イラスト:7010 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201004000027 】
とても綺麗な大団円で、読了感はとても爽やかで清々しく。“アッシュ” が、そして
“ルファ” が辿り着いた結末は、途中の過程があったからこそまた自然で。見ている
こちらも微笑ましく思えるほどでした。
「七星魔道師」 と 「黒曜剣」 の秘密を知り、それでもなお “ガルークル” に、更に
「精霊王」 に立ち向かう “アッシュ” たちの生き様も良かった。彼の居ぬ間にすっかり
様変わりした 「バラン」 を救ったエピソードも人間味が溢れていて素敵でした。
今巻で魅力的な言動を見せた “メディア” がなかなかいい立ち位置で。あれだけの
アプローチをしておきながら最終的には一歩引けるなんていじらしいとしか言えません。
ラストにおける変質魔法の使い方も一本取られた感じでまさに助演女優賞モノ。
こうして3巻で幕を引かれてしまうのが何とも惜しいところではありますが、ひとまずは
無事完結を心よりお祝い申し上げたいと思います。執筆、お疲れさまでございました。
次なる作品の登場を期待、そして祈念しつつ筆を置くことに致します。
2010年10月09日
『六畳間の侵略者!?(6)』
「PROJECT 六畳間の侵略者!?」 の成功を祈念して止まない 健速 先生の最新巻。
これで侵略者が一巡することになる “クラノ=キリハ” へと焦点が移ります。
(イラスト/ポコ 先生)
【 http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1010.php#novel101002 】
“ルース” がすっかり武闘派に(笑)。彼女の気持ちを昇華させるイベントが
必要なのかも知れません。そんなアグレッシブな彼女をも下すことが出来る
大家さん、こと “静香” も謎多き格闘家と化してますけど。
本編では “キリハ” の六畳間侵略に込められた意図が明らかになることで、普段
他のメンバーより大人びて見える彼女も年相応に恋する乙女であることが分かります。
初恋の相手はもしや・・・と勘ぐりを入れたくなるのは決して不自然なことじゃないはず。
あと、戦隊モノへの愛ゆえに少々キャラが壊れ気味の “孝太郎” にも注目。なにも
そこまでまくし立てなくても、という気もしましたが至って正論ばかりでしたので
否定することも無く。というか「サンレンジャー」はどこへ向かうのだろうか。(^^;
さて、それぞれがそれぞれに好感度フラグを順当に立ててきたところで次巻は
“晴海” さんに話が振られそうな予感。そう思うと過去に見せてきた数々の
思わせぶりな伏線がどう回収されるのか激しく見ものだなぁ、と思う次第です。
これで侵略者が一巡することになる “クラノ=キリハ” へと焦点が移ります。
(イラスト/ポコ 先生)
【 http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1010.php#novel101002 】
“ルース” がすっかり武闘派に(笑)。彼女の気持ちを昇華させるイベントが
必要なのかも知れません。そんなアグレッシブな彼女をも下すことが出来る
大家さん、こと “静香” も謎多き格闘家と化してますけど。
本編では “キリハ” の六畳間侵略に込められた意図が明らかになることで、普段
他のメンバーより大人びて見える彼女も年相応に恋する乙女であることが分かります。
初恋の相手はもしや・・・と勘ぐりを入れたくなるのは決して不自然なことじゃないはず。
あと、戦隊モノへの愛ゆえに少々キャラが壊れ気味の “孝太郎” にも注目。なにも
そこまでまくし立てなくても、という気もしましたが至って正論ばかりでしたので
否定することも無く。というか「サンレンジャー」はどこへ向かうのだろうか。(^^;
さて、それぞれがそれぞれに好感度フラグを順当に立ててきたところで次巻は
“晴海” さんに話が振られそうな予感。そう思うと過去に見せてきた数々の
思わせぶりな伏線がどう回収されるのか激しく見ものだなぁ、と思う次第です。
『レイセン File2:アタックフォース』
『お・り・が・み』 『戦闘城塞マスラヲ』 の流れを汲む 林トモアキ 先生の新シリーズ
第2巻は 「神霊班」 の一員として新生活を営む “ヒデオ” の波乱万丈ぶりに迫ります。
(イラスト:上田夢人 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200907000023 】
・・・とか言いながら、全編通して “葉多恵” さんがオイシイところをごっそりと
もっていったような気がします。いつ、どんな場面でも暗躍するそのしたたかさは
まさに海千山千を体現するかのようで。ある意味やりたい放題なのが凄いところ。
その対極的とも言うべき出番の少なさを見せたのが、我らが神殺しの巫女 “睡蓮”。
新たなる敵対集団 「アタックフォース」 の登場もあってだいぶ食われましたけど
見せるところはちゃんと魅せてきましたのでひとまず良しとしましょう。
“ヒデオ” も強化合宿に参加してパワーアップ・・・・したと思うんですがまだまだ
不遇な立場にあるのはあまりお変わりなく。そろそろハッタリ以外の武器も、と
思っていたら 「ソレか〜!」 と楽しませてくれる 林 先生の引き出しに期待です。
第2巻は 「神霊班」 の一員として新生活を営む “ヒデオ” の波乱万丈ぶりに迫ります。
(イラスト:上田夢人 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200907000023 】
・・・とか言いながら、全編通して “葉多恵” さんがオイシイところをごっそりと
もっていったような気がします。いつ、どんな場面でも暗躍するそのしたたかさは
まさに海千山千を体現するかのようで。ある意味やりたい放題なのが凄いところ。
その対極的とも言うべき出番の少なさを見せたのが、我らが神殺しの巫女 “睡蓮”。
新たなる敵対集団 「アタックフォース」 の登場もあってだいぶ食われましたけど
見せるところはちゃんと魅せてきましたのでひとまず良しとしましょう。
“ヒデオ” も強化合宿に参加してパワーアップ・・・・したと思うんですがまだまだ
不遇な立場にあるのはあまりお変わりなく。そろそろハッタリ以外の武器も、と
思っていたら 「ソレか〜!」 と楽しませてくれる 林 先生の引き出しに期待です。