2010年09月11日

『サクラダリセット(3) MEMORY in CHILDREN』

乙一 先生の推薦文に後押しされつつ登場してから1年と3ヶ月。能力者の集う街
「咲良田」 を舞台とする 河野裕 先生の物語も3巻目の刊行を迎えております。
(イラスト:椎名優 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_search.php?pcd=200911000545
http://www.kadokawa.co.jp/fair/200908-01/


「──アンドロイドは、誰?」

“浅井ケイ”、そして “春埼美空” と浅からぬ縁を持つ “相麻菫” が彼と彼女に
投げかけた意図。抗いようのない現実に対する想い、その表れの一つであったのかと
今にして思います。“ケイ” の回答内容も興味深いところでした。


「──僕は、未来の記憶を持っている。」

“ケイ” が 「咲良田」 に留まるきっかけ、そして “美空” という少女が特別な
存在になった瞬間。「記憶保持」と「リセット」が共に在る理由が現実へのあきらめ、
悲しみ、そして涙に抗うためというのが利己的なのにも関わらずとても綺麗でした。


「──浅井ケイは、間違えない。」

“マリ” という少女を救うために選んだ選択肢、そしてその結果。“美空” 自身が
定めたルールを打ち破ってまで彼を信頼することに決めた要因がこの事件の顛末に
隠されていることを知った時、“美空” の笑顔がより一層印象的に映りました。


“菫” との邂逅がもたらした新たなる展開の予感に胸躍るのは致し方の無いこと。
「月刊少年エース」 でのコミック化も決定し、ますます勢いに乗る本作の行方に
引き続き期待しております。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『"文学少女"見習いの、卒業。』

もう一つの "文学少女" を巡る物語もついに締めくくりの時。お送りするのは
もちろん 野村美月 先生、竹岡美穂 先生のお二方です。

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02


“菜乃” という少女に対する想いを示した “心葉” の 「行動」 に心から
敬意を表したい。“遠子” と離れてからまた一歩、一人の男として、人として
精神的に成長したところを見れたことが何よりも喜ばしい限りです。

ページ数もさることながら、その内容にもただただ圧巻されるばかりでした。
突然 “菜乃” に対する態度を豹変させた “瞳” の心に重くのしかかっていた
一人の少年を巡る過去、それに絡んでくる文学作品と文学小説のエピソード──。

過程はもの悲しいけれど、それでも先へ歩んでいこうと思える話の結び方はもう
実際に読んで体感してもらうしかないです。そして次に刊行予定の「挿話集」、
更に先に来る2011年刊行のタイトルが凄く気になって仕方が無い今日この頃です。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『空色パンデミック(3)』

コミック化が決定した 本田誠 先生の 「ボーイ、ミーツ、空想少女」 第3巻。
加速度を増して、「空想病」 によって幾重にも変遷し続けるセカイに注目です。
(イラスト:庭 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_05


たまに耳にする 「セカイ系」 と呼ばれる作品を読んだりなどしたことはあまり
ないのですが、特に今巻に関して言えば全体を通してかなり印象的な内容だった
と言わざるを得ません。「一八六ページ」 とかビックリでしたよ、ホントに。

12月で猛暑、というのっけからいかにもな話を振られながら、いつの間にやら
あれよあれよとセカイが上書きされまくって 「ドコ行くね〜ん!?」 と言わず
にはいられないジェットコースターぶりはまさにシリーズ最大級。

意欲作、という見解ですので 「セカイ系」 とか 「中二病」 といった単語に
嫌悪感がなければ力強くオススメしておきたいところです。次巻からまた違った
話の流れになるそうなので、どういった変化を見せるのか注視しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『バカとテストと召喚獣(8)』

井上堅二 先生と 葉賀ユイ 先生の絶妙なコンビネーションで送るバカコメ・・・って
ジャンルは初めて聞いたな。ということで本編第8巻、通算11冊目となる新刊の
お目見えです。

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01


久しぶりに “葉月” ちゃん登場、って書くと「美幼女」という単語が頭に浮かびますが。(何


“瑞希” も含めて常識の範囲外に達する人たちばかりとなりましたが・・・というか
彼女は仮にもヒロインのはずですけど。“玉野” さんに迫られる “アキ” ちゃんや
“秀吉” のほうが余程ヒロインっぽく見えますけど!(w

それでも彼女たちは好きな人に好きになってもらいたいから、と今回もあの手この手で
突貫してます。“瑞希” もようやくそれらしい意思表示が出来た、というか “明久” に
対して伝わったかな、というところがやはり見どころでしょうか。

今巻からまた新たに始まった 「試召戦争」 も、謀略と勘違いを起点とするこれまでと
一風変わった展開、そして帰結の仕方で楽しませてもらいました。恋の駆け引きにも
注目が高まる続きに期待したいと思います。


#“玉野” さんカワイイよ “玉野” さん。(w

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『ナイトウィザード The 2nd Edition リプレイ エターナルブレイヴ』

かわたな こと 田中信二 先生/F.E.A.R. がマスタリングを務めた、スタンダードな
「世界の危機」 への没入と回復を描く物語が1冊にまとまりました。
(イラスト:石田ヒロユキ 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_07


  “勇士郎”   : たのあきら 先生
  “はるみ”   : 藤井忍 先生
  “真魅”    : 鈴吹太郎 先生
  “伊右衛門” : 菊池たけし 先生

配役はこんなところで。第一話 「幼年期の終わり」、第二話 「地球の長い午後」 を
収録していますが共に 「仮想人格」 がシナリオに大きく影響してくるところが特徴とも
言えるでしょう。・・・「ハルミシリーズ」 は確かにビックリしました。絵的にも。

ロールプレイとして見ると 藤井 先生の感情移入ぶりや たの 先生の勝ちロールプレイ、
ヤケクソで「どりぃむ」を合言葉と宣言する 鈴吹 先生、ついついGMのような描写を
挟んでしまう きくたけ 先生とコメディとシリアスの切替が毎度の事ながら素晴らしい。

・・・田中 GMの出目の悪さとか、“はるみ” の「ここぞ!」というときの勝負強さも
注目でしょうか。第一話も第二話もエンディングの落とし所が綺麗にまとまっていたので
そういった意味でも読了感が良かったです。楽しませてもらいました。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル