『乃木坂春香の秘密』 の著者である 五十嵐雄策 先生が送るラブコメ育成日記、第2巻。
お嬢様学校への入学を果たした “日和” の次なるステップを確かめさせてもらいました。
(イラスト/西又葵 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new7 】
前巻では丸ごと1冊使ってプロローグを、みたいな雰囲気でしたので今巻で改めて話の
進め方を確認させて頂きましたが 「クエスト提示」→「ミッションクリア」 な流れで
“日和” の成長と “ゆーおにーちゃん” への恋慕が募る過程を描いていくのですな。
“日和” さんの後先考えない自分へのムチャ振り具合に焦ったり、ハードルを上げた
目標を何とか乗り越えたときにホッと胸を撫で下ろす感覚は正に “祐介” が抱くそれと
近似するかのようで。姫乃宮版 「ぴよの団」 が出来た時は正に嬉しさも感じましたし。
“唯香” に思わず “美夏” の影がちらついたりだとか、“雀ヶ原” お嬢様の辛い過去を
見せつけられて驚いたりだとか、アブノーマルな人物が出てくるのは 有沢まみず 先生の
影響ですかね? とか色々気になりますが、輝ける未来に向かっての邁進を望む次第です。
2010年09月25日
『よめせんっ!(3)』
「嫁さん千人できるかな?」 と “ねこがみさま” が “広人” の幸せを願って
奮起する様子を描く マサト真希 先生のハートフルライフ&ラブコメディ第3巻です。
(イラスト/ごまさとし 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new8 】
幼き日に抱いた淡い恋心を胸に “広人” を婿に取らんとする金狐一族の姫 “あやの” が
今回の嫁候補。しかし彼女の婿になる、ということは 「鰹屋」 の性を捨てる、ということ。
当然彼としても、“ねこがみさま” としても承服できる話ではありません。
そこにお目付役の “甚右衛門” と金狐メイド隊部隊が何としても姫の婿に、と介入して
嫁候補たる妖怪たちと徹底抗戦。その中で見えてくる金狐一族の、“あやの” 自身の事情が
“広人” に一つの決断をさせることとなります。
そしてその結果として自分の力の更なる発露と、“広人” 自身にとっての 「幸せ」 を
改めて認識することとなりました。男として株を上げたなぁ、と思います。今巻も中々に
ハートフルな内容でした。次なる嫁候補として何が出てくるのか、期待しておきます。
#イラスト的にも。(w
2010年09月18日
『小さな魔女と空飛ぶ狐』
前作 『ピクシー・ワークス』 を刊行して注目を集めたあの日から一年。南井大介 先生が
世に送り出すちょっと変わった戦闘機乗りと天才科学者の物語、読ませていただきました。
(イラスト/大槍葦人 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new15 】
泥沼の様相を呈してきた 「サピア共和国」 の内紛状態を打破すべく登場した二人。
片や 「レヴェトリア」 に現れた美少女にして天才科学者、“アンナリーサ”。
片や 「ヴェストニア」 に現れた老獪にして狂気の科学者、“アジャンクール”。
彼女に夜間戦闘のトップでありながら予備役を志願する “クラウゼ” が付いたこと、
そして彼に “クラウゼ” を仇敵と狙う “エマ” がとある理由で涙を見せたことから
物語は少しずつ動き出します。
まず、各々の動向を対比させながら “アンナリーサ” と “アジャンクール” が戦争を
舞台に壮大なケンカをしまくりつつ、“クラウゼ” と “エマ” が二人の舞台裏で苦労
させられるというコミカルさが小気味良くて面白い。
更に面白半分で挑んだ戦争というものの現実を心から思い知らされた “アンナリーサ” と
“アジャンクール” が選んだ人としての道、科学者としての道が対照的で、かつどちらも
理に適っていると感じられるシリアスな展開は見事と言うほかに無く。
「人類という種が高貴で素晴らしい性質を備えていること」
“クラウゼ” が “アンナリーサ” を諭すべく吐露した彼自身の本心が、彼女の改心を促し
世界大戦への突入を阻止すべく動き出すラストまでの話運び。そして導いた一つの結末。
「シュナウファーッ!」 と叫ぶ彼女の声音が少しずつ柔らみを帯びていくのを感じたとき、
このお話を読めて良かった、と心からそう思えることができて何とも幸せでした。
“イングリッド(リード姉様)” や “メリエル” も魅力的なキャラクターですし、何よりも
大槍葦人 先生のイラストがその魅力を更に押し上げる形になっていて、まさに絶妙でした。
9月の新作、オススメの一冊と申し上げて差し支えないかと思います。
世に送り出すちょっと変わった戦闘機乗りと天才科学者の物語、読ませていただきました。
(イラスト/大槍葦人 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new15 】
泥沼の様相を呈してきた 「サピア共和国」 の内紛状態を打破すべく登場した二人。
片や 「レヴェトリア」 に現れた美少女にして天才科学者、“アンナリーサ”。
片や 「ヴェストニア」 に現れた老獪にして狂気の科学者、“アジャンクール”。
彼女に夜間戦闘のトップでありながら予備役を志願する “クラウゼ” が付いたこと、
そして彼に “クラウゼ” を仇敵と狙う “エマ” がとある理由で涙を見せたことから
物語は少しずつ動き出します。
まず、各々の動向を対比させながら “アンナリーサ” と “アジャンクール” が戦争を
舞台に壮大なケンカをしまくりつつ、“クラウゼ” と “エマ” が二人の舞台裏で苦労
させられるというコミカルさが小気味良くて面白い。
更に面白半分で挑んだ戦争というものの現実を心から思い知らされた “アンナリーサ” と
“アジャンクール” が選んだ人としての道、科学者としての道が対照的で、かつどちらも
理に適っていると感じられるシリアスな展開は見事と言うほかに無く。
「人類という種が高貴で素晴らしい性質を備えていること」
“クラウゼ” が “アンナリーサ” を諭すべく吐露した彼自身の本心が、彼女の改心を促し
世界大戦への突入を阻止すべく動き出すラストまでの話運び。そして導いた一つの結末。
「シュナウファーッ!」 と叫ぶ彼女の声音が少しずつ柔らみを帯びていくのを感じたとき、
このお話を読めて良かった、と心からそう思えることができて何とも幸せでした。
“イングリッド(リード姉様)” や “メリエル” も魅力的なキャラクターですし、何よりも
大槍葦人 先生のイラストがその魅力を更に押し上げる形になっていて、まさに絶妙でした。
9月の新作、オススメの一冊と申し上げて差し支えないかと思います。
『狼と香辛料(15) 太陽の金貨〈上〉』
「ヨイツ」 を目前にする “ホロ” と “ロレンス”。巻も重ねて15巻目、佳境を
迎えつつある雰囲気をひしひしと感じる 支倉凍砂 先生の新刊を読了しております。
(イラスト/文倉十 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new2 】
「デバウ商会」 の動向を探るべく 「レスコ」 の町へと入った “ロレンス” たちが
まず訪れたのは 「ミューリ傭兵団」 の団長。その彼から受け取った何十年、何百年の
時を経た遺物と言伝。思わず感極まる “ホロ” の姿が何とも印象的でした。
気の沈む彼女を慮り、視察も兼ねて繰り出した町の様子は活気があって心なしかそれに
引きずられて気持ちも高揚する最中に見つけた、“ロレンス” のその身を、未来をも
揺るがすかのような一つの契機。
「デバウ商会」 に戦意が見えない中、職人を規制するものが何も無く、市壁も税金も
無い理想的な町に想いを募らせつつも一人の両替商がもたらした話から抱きはじめた
疑念がやがてとある結論を導き出す。その過程と “ホロ” とのやりとりがまた絶妙で。
更にはこの先どういう風に話が進んでいくんだろう? と思わずにはいられない引き具合。
これは下巻の登場が早くも楽しみで仕方が無い、という状況です。
迎えつつある雰囲気をひしひしと感じる 支倉凍砂 先生の新刊を読了しております。
(イラスト/文倉十 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new2 】
「デバウ商会」 の動向を探るべく 「レスコ」 の町へと入った “ロレンス” たちが
まず訪れたのは 「ミューリ傭兵団」 の団長。その彼から受け取った何十年、何百年の
時を経た遺物と言伝。思わず感極まる “ホロ” の姿が何とも印象的でした。
気の沈む彼女を慮り、視察も兼ねて繰り出した町の様子は活気があって心なしかそれに
引きずられて気持ちも高揚する最中に見つけた、“ロレンス” のその身を、未来をも
揺るがすかのような一つの契機。
「デバウ商会」 に戦意が見えない中、職人を規制するものが何も無く、市壁も税金も
無い理想的な町に想いを募らせつつも一人の両替商がもたらした話から抱きはじめた
疑念がやがてとある結論を導き出す。その過程と “ホロ” とのやりとりがまた絶妙で。
更にはこの先どういう風に話が進んでいくんだろう? と思わずにはいられない引き具合。
これは下巻の登場が早くも楽しみで仕方が無い、という状況です。
『血吸村へようこそ(5)』
阿智太郎 先生が送るイヤウレ系コメディ第5弾。今巻も2章立て、「吸血鬼の眠り病」
「牛乳が出ない!? 血吸村の大ピンチ!」 を収録しております。
(イラスト/あらきかなお 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new12 】
巨星落つ、ということでフォントを弄ってくるあたりが彼女の想いの強さを物語っている
かと思います。しかも 「心さえモノに出来れば」 という吸血鬼として軸のブレた結論に
至ってしまったあたりはかなり強敵と言わざるを得ません。・・・どうする “直樹”。(w
そして、あわや変態共(友?)の慰みものになるかもしれない “季代実” の窮地を
救ったのは今さら誰と言うこともありませんが、「どういう理由付けでくるかな〜」 と
思ったら 「そうきましたか」 という感じで。・・・鈍感にもほどがあるよ “直樹”。(^^;
さて、“直樹” を取り巻く女性陣の思惑が決まったところで次巻がいよいよ最終巻。
村の住民に疑念を抱かれつつも、やはりこの距離感を維持する(=誰とも結ばれない)
のでは? という展開を予想しつつラストを見届けたいと思う次第です。
「牛乳が出ない!? 血吸村の大ピンチ!」 を収録しております。
(イラスト/あらきかなお 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new12 】
巨星落つ、ということでフォントを弄ってくるあたりが彼女の想いの強さを物語っている
かと思います。しかも 「心さえモノに出来れば」 という吸血鬼として軸のブレた結論に
至ってしまったあたりはかなり強敵と言わざるを得ません。・・・どうする “直樹”。(w
そして、あわや変態共(友?)の慰みものになるかもしれない “季代実” の窮地を
救ったのは今さら誰と言うこともありませんが、「どういう理由付けでくるかな〜」 と
思ったら 「そうきましたか」 という感じで。・・・鈍感にもほどがあるよ “直樹”。(^^;
さて、“直樹” を取り巻く女性陣の思惑が決まったところで次巻がいよいよ最終巻。
村の住民に疑念を抱かれつつも、やはりこの距離感を維持する(=誰とも結ばれない)
のでは? という展開を予想しつつラストを見届けたいと思う次第です。