デビューから1年半という期間の中で安定した刊行ペースを維持する 川原礫 先生。
電撃文庫からのリリース10冊目となるのは大人気シリーズ 「SAO」 第5巻となります。
(イラスト/abec 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1008.php#new2 】
・・・何と言いますか、abec 先生のイラストに心を撃ち抜かれたような気がします。(w
銃と鋼鉄のVRMMO、≪ガンゲイル・オンライン(GGO)≫ でも “キリト” さんの
何でもアリな振る舞いがたまりません。銃相手に真っ向から対峙していくその姿は
まさしく疾風迅雷。熱い戦いぶりに今回もまた魅了された形です。
≪GGO≫ と関わることになり、その世界の住人たる少女 “シノン” と出会ったのは
彼の持つ眼ゆえか、それとも彼の犯した逃れえぬ罪ゆえか。劇的で、そして重い展開に
本作の凄さを改めて見せ付けられたような気もします。
本来の目的である、仮想世界で撃たれたら現実世界でも死に至る ≪死銃≫ の謎も
そうですが、“アスナ” や “ユイ” は話に絡んでくるのか、“キリト” さんは今回も
旗を立てまくるのかなど、気になる点が満載で次巻の刊行が待ち遠しい限りです。
2010年08月14日
『笑わない科学者と神解きの魔法使い』
「演劇企画ハッピー圏外」 の代表も務める 内堀優一 先生の化学反応ファンタジー。
第2巻の発売を心待ちにしながら、手にとって読ませていただいております。
(イラスト /百円ライター 先生)
【 http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1008.php#novel100805 】
"Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic."
「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」 とも訳されるクラークの三法則
の内の第三法則。持てる知識を総動員してそれを具現化し、魔法使いである “咲耶” を
驚嘆と羨望の眼差しで釘付けにする “耕介” が相変わらず格好良いです。
“磐長” や “沖島” 教授の言葉尻に隠された “咲耶” への想い、「時詠みの追難」 に
縛られた彼女を救いたいと願う気持ちを鋭い洞察で看破し、また一つ絶望を希望へと
昇華したところが彼のすごいところでもあるなぁ、と再認識させられます。
“沖島” 教授と相対した “倉光” 翁の思惑、そして垣間見える 「リニエッジ機関」 の影。
これは続きが気になる・・・・んですけど 「あとがき」 の書きっぷりがとても気になるところ。
ぜひとも出してほしいと思いますので 「HJ文庫」編集部 さん、よろしくお願いしますよ。
#どっちかと言われればネコミミかなぁ。(ぉぃ
第2巻の発売を心待ちにしながら、手にとって読ませていただいております。
(イラスト /百円ライター 先生)
【 http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1008.php#novel100805 】
"Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic."
「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」 とも訳されるクラークの三法則
の内の第三法則。持てる知識を総動員してそれを具現化し、魔法使いである “咲耶” を
驚嘆と羨望の眼差しで釘付けにする “耕介” が相変わらず格好良いです。
“磐長” や “沖島” 教授の言葉尻に隠された “咲耶” への想い、「時詠みの追難」 に
縛られた彼女を救いたいと願う気持ちを鋭い洞察で看破し、また一つ絶望を希望へと
昇華したところが彼のすごいところでもあるなぁ、と再認識させられます。
“沖島” 教授と相対した “倉光” 翁の思惑、そして垣間見える 「リニエッジ機関」 の影。
これは続きが気になる・・・・んですけど 「あとがき」 の書きっぷりがとても気になるところ。
ぜひとも出してほしいと思いますので 「HJ文庫」編集部 さん、よろしくお願いしますよ。
#どっちかと言われればネコミミかなぁ。(ぉぃ
『東京皇帝☆北条恋歌(6)』
『10歳の保健体育』 で話題を攫った 竹井10日 先生の 『東京皇帝☆北条恋歌』。
「東京帝国独立キャンペーン」 を展開しつつ最新第6巻が刊行となっております。
(イラスト:要河オルカ 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201004000207 】
【 http://www.kadokawa.co.jp/event/present.html#200811000521 】
・・・どことなく 『10歳の保健体育』 に引きずられた感がないわけでもない。(^^ヾ
“一斗” が記憶喪失になったことを申し訳なく思う気持ちを余所に、“恋歌” たちが
彼との関係を捏造して願望、というか欲望を満たさんとするドタバタなラブコメぶりは
相変わらず読んでいて楽しくて仕方がない。
記憶がなくなっても振り回され続けるその気質が実は封印せし幼少のみぎりに端を発する
ことだと分かったりだとか、いきなり表紙を奪ってヒロイン級に昇格した “東雲” さんと
限られた時間で心通わせる場を設けるなど真面目な話も織り込んでくるから油断大敵。
彼の苦悩を慮り影に日向にと見守ってきた “恋歌” と、それでも唯我独尊な自分に気付き
愕然とする “来珠”。ネガティブな思考が積もり積もってついに突拍子も無い宣言を出した
“来珠” をも唖然とさせる破天荒かつ不条理な事象の勃発に続きの展開が期待されます。
「東京帝国独立キャンペーン」 を展開しつつ最新第6巻が刊行となっております。
(イラスト:要河オルカ 先生)
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201004000207 】
【 http://www.kadokawa.co.jp/event/present.html#200811000521 】
・・・どことなく 『10歳の保健体育』 に引きずられた感がないわけでもない。(^^ヾ
“一斗” が記憶喪失になったことを申し訳なく思う気持ちを余所に、“恋歌” たちが
彼との関係を捏造して願望、というか欲望を満たさんとするドタバタなラブコメぶりは
相変わらず読んでいて楽しくて仕方がない。
記憶がなくなっても振り回され続けるその気質が実は封印せし幼少のみぎりに端を発する
ことだと分かったりだとか、いきなり表紙を奪ってヒロイン級に昇格した “東雲” さんと
限られた時間で心通わせる場を設けるなど真面目な話も織り込んでくるから油断大敵。
彼の苦悩を慮り影に日向にと見守ってきた “恋歌” と、それでも唯我独尊な自分に気付き
愕然とする “来珠”。ネガティブな思考が積もり積もってついに突拍子も無い宣言を出した
“来珠” をも唖然とさせる破天荒かつ不条理な事象の勃発に続きの展開が期待されます。
『魔王城五限目』
田口仙年堂 先生が綴る、残酷な世界に抗う青年と子供達の、痛みと優しさの物語。
イラストレーターの交代、という止む無い事態を乗り越えついに終幕の時を迎えます。
(イラスト:鉄雄 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_06 】
そもそも 「魔人」 とは何なのか。「魔王」 や 「英雄」 とはどこから生まれたのか。
二十年前に起こった 「魔王戦争」 の真実が明らかになっていくにつれ、人の罪深さと
責任を果たす上で起きてしまった事象へのやるせなさが “エイゴ” たちに、そして
“ハイナート” の胸に去来します。もちろん、読み手にも伝わるものがありました。
それでも 「魔人」 と呼ばれ蔑まれてきた子供たちを救おうと立ち向かう “エイゴ”。
「英雄」 を神聖視するあまり、その事実が受け入れられず鬼神と化す “ハイナート”。
二人の自我が相対する王宮での一幕は熱く、胸に残るシーンであったと思います。
罪深きを認め、されど臆することなく未来へと進もうとする想い。これを体現せしめた
象徴とも言える存在が “アプリール” だったのではないかと読み返してみて思います。
最終的に大団円な形で幕を引いて下さったのでとても心地良い読了感でした。
そんな秀作を生み出してくれた 田口 先生と、この挿絵が無かったら手に取らなかった
かもしれないとも思える 鉄雄 先生、そして 朝未 先生に厚く御礼申し上げる次第です。
そして 田口 先生の既シリーズ刊行、新作の発表を楽しみに待たせてもらうことにします。
イラストレーターの交代、という止む無い事態を乗り越えついに終幕の時を迎えます。
(イラスト:鉄雄 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_06 】
そもそも 「魔人」 とは何なのか。「魔王」 や 「英雄」 とはどこから生まれたのか。
二十年前に起こった 「魔王戦争」 の真実が明らかになっていくにつれ、人の罪深さと
責任を果たす上で起きてしまった事象へのやるせなさが “エイゴ” たちに、そして
“ハイナート” の胸に去来します。もちろん、読み手にも伝わるものがありました。
それでも 「魔人」 と呼ばれ蔑まれてきた子供たちを救おうと立ち向かう “エイゴ”。
「英雄」 を神聖視するあまり、その事実が受け入れられず鬼神と化す “ハイナート”。
二人の自我が相対する王宮での一幕は熱く、胸に残るシーンであったと思います。
罪深きを認め、されど臆することなく未来へと進もうとする想い。これを体現せしめた
象徴とも言える存在が “アプリール” だったのではないかと読み返してみて思います。
最終的に大団円な形で幕を引いて下さったのでとても心地良い読了感でした。
そんな秀作を生み出してくれた 田口 先生と、この挿絵が無かったら手に取らなかった
かもしれないとも思える 鉄雄 先生、そして 朝未 先生に厚く御礼申し上げる次第です。
そして 田口 先生の既シリーズ刊行、新作の発表を楽しみに待たせてもらうことにします。
『星図詠のリーナ(3)』
『桐野くんには彼女がいない!?』 の刊行を挟みつつ 川口士 先生が送るマッピング・
ファンタジー。惜しまれるところではありますが最終巻という位置付けとなります。
(絵 : 南野彼方 先生)
【 http://www.shop.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804164 】
海図の知識を習得すべく 「ビクラード王国」 へと向かった “リーナ” たちの行動を
妨げる要因、祖国 「イーデン王国」 との確執からくる妨害を深慮遠謀ではねのける
“パルヴィ” の頼もしさが目を見張ります。
そんなゴタゴタの中で、“ダール” も “リーナ” へと向く意識を内心誤魔化しきれなく
なったり、“サラ” の思わぬ過去と資質が明らかになったり、“パルヴィ” の “リーナ” に
対するわだかまりの本質とそれの解けていく様子が垣間見えたり、と見所も多いです。
ニヴルと呼ばれる海の妖精 “ティファーネ” に導かれて出会った古き時代の白き竜
“ロヒカール” から語られた 「星図詠」 という存在、彼の願いである虚空での死が
意味するもの。それらがいかにも幻想的で素敵な情景を生み出してくれていました。
ラストもまぁ、前向きな終わり方をしてくれているのですが・・・・やっぱりここで終幕
というのが勿体無い気がしてなりません。とは言え、ひとまずここは 川口士 先生に
お疲れ様でした、のお声掛けと次作品への出会いを心待ちにすることと致します。
ファンタジー。惜しまれるところではありますが最終巻という位置付けとなります。
(絵 : 南野彼方 先生)
【 http://www.shop.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804164 】
海図の知識を習得すべく 「ビクラード王国」 へと向かった “リーナ” たちの行動を
妨げる要因、祖国 「イーデン王国」 との確執からくる妨害を深慮遠謀ではねのける
“パルヴィ” の頼もしさが目を見張ります。
そんなゴタゴタの中で、“ダール” も “リーナ” へと向く意識を内心誤魔化しきれなく
なったり、“サラ” の思わぬ過去と資質が明らかになったり、“パルヴィ” の “リーナ” に
対するわだかまりの本質とそれの解けていく様子が垣間見えたり、と見所も多いです。
ニヴルと呼ばれる海の妖精 “ティファーネ” に導かれて出会った古き時代の白き竜
“ロヒカール” から語られた 「星図詠」 という存在、彼の願いである虚空での死が
意味するもの。それらがいかにも幻想的で素敵な情景を生み出してくれていました。
ラストもまぁ、前向きな終わり方をしてくれているのですが・・・・やっぱりここで終幕
というのが勿体無い気がしてなりません。とは言え、ひとまずここは 川口士 先生に
お疲れ様でした、のお声掛けと次作品への出会いを心待ちにすることと致します。