2010年04月17日

『笑わない科学者と時詠みの魔法使い』

「第3回ノベルジャパン大賞」奨励賞を受賞された 内堀優一 先生のケミストリカル・
ファンタジー。ちょっと異色な組合せに惹かれて手に取った1冊です。
(イラスト/百円ライター 先生)

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1004.php#novel100402
http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/kagamaho/


「無知の知」 という言葉もありますが、分からないことを 「分からない」 ということの
難しさ、というか恥ずかしさというか。そういった感覚を歳を経るごとに実感している
今日この頃、知らないことを知ろうとする “耕介” の姿勢が何とも眩しく映るものです。

そんな彼が、一見普通の少女で、けれどその身に背負う宿命が何とも重い魔法使い “咲耶”
と出会い、どんな関係を築いていくのか。他の登場人物との絡みも含めて興味津々でしたが
話の要素が少しずつ繋がっていく過程は流石、演劇に携わる身であるが故かと感じました。

「魔法」 という不可思議な力に臆することなく、「科学」 をベースとしたありとあらゆる
知識を総動員して立ち向かっていく “耕介” が、頭脳労働者であるにも関わらず格好良く
見えてしまうのは気持ちズルいというか何と言うか。(^^ヾ


読了後の好感触具合をもとに、余力がある方に推挙しておきたい作品かと思います。

posted by 秋野ソラ at 03:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『パーフェクト・ブラッド(9) The Last Chapter』

外伝も含めシリーズ通算10冊目にしてついに最終巻を迎えることとなった 赤井紅介 先生、
椋本夏夜 先生の 『パーフェクト・ブラッド』。物語の最後を見届けてまいりました。

http://dash.shueisha.co.jp/-perfect/#b10


そもそも 「原書(オリジン)」 は何のためにあったのか。滅びかけた世界の片隅で
“裕樹” が辿り着いた真実に思わず心の中で首肯することしきりで。道を過つことが
なければこんなことには、と思うと同時にそれが人間の性か、とも思える描写でした。

更に “エウプロシュネ・ガイア” をこのままにしておく訳にはいかない、とかねてから
胸の内に潜ませていた、秘中の秘とも言える “裕樹” の策が功を奏して世界は再び安寧を
取り戻すことになりますが、それは当事者たちにとって余りにも残酷な結果でもあって。

・・・結果がどうなったのかは、その絶妙なる過程も含めて是非その目でご確認いただければ
と思いますが、ともあれ無事、一つの着地点に辿り着けましたことを 赤井 先生、椋本 先生
ほか関係者の皆様へ心よりお喜び申し上げる次第です。そしてお疲れ様でございました。

posted by 秋野ソラ at 03:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『セブン=フォートレス リプレイ シェローティアの空砦(2) 天より来たる破滅』

みかきみかこ 先生によって描かれた表紙に登場するキャラクターからしていかにも
大惨事確定であろうと想像するに難くない、菊池たけし 先生/F.E.A.R. による
「空砦」シリーズの第2巻がお目見えしております。

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_06


田中信二 先生が演じる、当初の病弱キャラの面影は何処な “サシャ=アライアス”。
鈴吹太郎 先生が演じる、PCでありながら世界を滅亡寸前に追い込んだ “ファラウス”。
遠藤卓司 先生が演じる、行く先々で数多の女性を手にかけまくっている “ザーフィ”。
田中天 先生が演じる、PCなのに悪逆非道の限りを尽くした “アルゲル=アルガロード”。


ということで大惨事になるであろうメンバーを意図的に集めてセッションしたらホントに
大惨事になってしまったという、分かりやすい事例の一つに挙げられるのではないかと。
・・・だって、本文の半分くらいは横道に逸れてるか全然関係ない話に繋がってますし。(w

まぁ、あまりにネタへ走りすぎているので好みというか、受け取り方に良し悪しが出るかも
知れませんが、これまで F.E.A.R. のリプレイを、それも 「砦」 シリーズを読まれてきた
方なら余すことなく受け止めることができると信じています。(^^ヾ

最後の最後まで阿鼻叫喚、抱腹絶倒の展開。そして次巻に向けて気になる引き具合と
見どころ、読み応えは十分です。前巻同様、「超あとがき座談会」 にも注目ですよ。(

posted by 秋野ソラ at 03:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『カンピオーネ!(6) 神山飛鳳』

丈月城 先生、シコルスキー 先生のコンビで綴る神殺し・・・というか女殺しというか・・・
そんな稀有な存在たる “草薙護堂” たちの物語は巻を重ねて6冊目に達しております。

http://dash.shueisha.co.jp/-campione/#b06


これまでの話の中で “護堂” という少年がどれだけ女性から好かれているか、という点は
述べられてきましたが、実は “エリカ” たちと出会う前からの 「女殺し」 だったことが
今巻の “リリアナ” の調査で明らかになりました。・・・朴念仁も甚だしい。(^^ヾ

その新たな標的として “リリアナ” から目をつけられた、“祐理” の妹 “ひかり” の
登場をきっかけとして巻き起こる、こちらも新たな 「まつろわぬ神」 との激闘。更にその
裏側で更なる思惑が渦巻いて・・・・と二重、三重の仕掛けにボリューム感あふれる展開。

それ故に物語の収束は次巻へと引き継がれることになりますが、引き具合や 「あとがき」 の
物言いからして数々のキャラクターがごったがえす盛り上がりを見せてくれそうです。
湯煙の濃度と共に、落としどころがどうなるのか。次巻の内容を注視したいと思います。

posted by 秋野ソラ at 03:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『ハイスクールD×D(6) 体育館裏のホーリー』

石踏一榮 先生、みやま零 先生の学園ラブコメ・・・・もといエロコメバトルファンタジー
最新第6巻も「萌え」あり、「燃え」ありのアリアリでお送りしております。

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200912000631



  「・・・・・・リアス・グレモリーの胸は兵藤一誠の制御スイッチか何かなのか?」


真面目に苦悩する “ヴァ−リ” の一言がとても奥深い、というか色んなものを物語って
くれているというか。まさか 「テレビ収録」 というネタをあんな形で回収してくるとは
思いもよらず。雰囲気の切り返し具合へ頭を慣らすのに少し時間を必要としました。(w

“アーシア” に求婚する “ディオドラ” の真意に触れたとき、それを挫くどころか
粉々に粉砕するまで立ち向かっていく “一誠” のその心意気や良し、ということで
読んでいてスカッとするくらいの熱いバトルでした。他のキャラも見せ場がありましたし。

“リアス” や “朱乃” が “一誠” を巡って子供のような癇癪を起こす中、“子猫” が
ヤキモチを焼いたり “ゼノヴィア” が妙な行動力で迫ってきたりと恋の駆け引きもさらに
熱を帯びてきています。恋にバトルに、と熱い物語の続く先を心待ちにしたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 03:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル