2010年03月27日

『とある魔術の禁書目録<インデックス>(20)』

ついに本編で20巻目の大台、通算で22冊目となる 鎌池和馬 先生、灰村キヨタカ 先生の
大人気シリーズ。前巻で3人の主人公がそれぞれの想いを胸に訪れる地、ロシアにて
どんな物語が生まれるのか、注目の1冊です。

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1003.php#new1


“上条当麻”、“一方通行(アクセラレータ)”、“浜面仕上”。この中で一番の苦境に
立たされ、不憫なほど痛い目を見たのはやはり “一方通行(アクセラレータ)” と言うしか
ありませんな。・・・だからこそ、あの八つ当たりがあったのでしょうし。

ただ、その対峙があったからこそ色んなものを吹っ切ることが出来たみたいですので今後
胸に宿った新しい目的と共にどう動いていくのか、個人的には一番気になるところです。
“上条当麻” に対する “レッサー” の指摘、というか抱いた疑念もそうですけど。

“浜面仕上” が事態をなかなか好転できず苦戦しているような雰囲気の中、北の大地には
“御坂美琴” が、“風斬氷華” が、“麦野沈利” が、あるいは数多の勢力が各々の思惑の
下に姿を現そうとしています。

一気に話が大きくなったところで続きは一体どうなるのか、要注視ではないかと思います。

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『ミラージュオーシャン・ログブック(2) Replay:ゲヘナ 〜アナスタシス〜』

  監修: 友野詳
  著: 河野裕/グループSNE
  ビジュアライズ: 佐野タカシ

以上敬称略、ということで『サクラダリセット(2) WITCH, PICTURE, and RED EYE GIRL』
を上梓した 河野裕 先生が送る初のリプレイシリーズ、その最終巻となります。

http://www.jive-ltd.co.jp/catalog/4861767609.html


“アーディル” の思考パターンが読めなさすぎ(w。彼の中にインプットされた情報から
得体の知れないブラックボックスを経たかのように顕現した選択肢の数々にプレイヤー
のみならず読み手すら翻弄されるような感覚を味わいましたよ。

あと、ひたすら己のためだけに生きているという姿勢が段々と分かってきた “バハル” と
対峙した時のリアクションもどこか独特というか、特異性があるというか。言葉にするのが
難しいキャラクターだったなぁ、という印象が今も胸に残ります。

海、という一風変わった幻境域を舞台にしていてもそこに在る者たちが目指すのは地上、
ということでやはり 「ゲヘナ」 らしい、と思わせてくれたマスタリングでした。
ひとまずキャンペーンは終了、ということでプレイヤー諸氏も含めてお疲れ様でした。


次のシリーズは 友野詳 先生が筆を取るそうですので楽しみにしておこうと思います。

posted by 秋野ソラ at 02:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2010年03月20日

『サクラダリセット(2) WITCH, PICTURE, and RED EYE GIRL』

「グループSNE」所属の 河野裕 先生が、椎名優 先生の美麗なイラストと共に送る
不思議な能力が観測される街 「咲良田」 を舞台とした物語。その第2巻となります。

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200901000283


気持ち読むのに時間が掛かるな、と思ったら 400 ページあるんですね。「スニーカー文庫」
の紙は他のレーベルからすると薄めなので同じくらいの厚さでも数がだいぶ違うということを
改めて思い知らされたような気がします。

そしてその量に釣り合う、とても読み応えのある内容であったと思います。今巻も。3日間
の時間を巻き戻す能力を軸に、かつ数ある特殊能力の中でもごくわずかなものを手札として
ここまで巧みに物語が構築できるのか、と驚かされることしきりです。

過去を懐旧する心、現在を信じる心、未来を夢見る心。人それぞれに、その時々で抱える
胸の内が時に秘められ、あるいは顕現しぶつかり合う中で変化する “ケイ” や “春埼” の
機微をぜひ感じ取ってほしい所かと。乙一 先生の言葉に従っておいて良かったです。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『C3 -シーキューブ-(9)』

『藍坂素敵な症候群』 の刊行からさほどの間を空けずしての刊行となる 水瀬葉月 先生の
『C3 -シーキューブ-』 最新巻は 「巫女乳祭り」 を全力全開でお届けしております。(w
(イラスト/さそりがため 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1003.php#new5


・・・巫女服にスリット、ってどんだけ際どいのか。さそりがため 先生、ステキすぎます。
初詣で振舞われた甘酒とお屠蘇で見せた “フィア” “このは” “錐霞” の痴態といい
えちぃ部分に関して抜かりがない 水瀬 先生の攻めの姿勢は賞賛に値すると思います。

今回の呪われた道具が起こす騒動も一筋縄ではいかないワケですが、トリックみたいに
読み手の思惑を外してくれる解決までの展開にはなかなか目を見張るものがあるというか、
楽しませていただいたというか。流れにちょっとしたひねりがあるのは良いことかと。

“千早” の誤解と “伍鈴” の思いの深さがここまで話を大きくしていたのか、と読了後
気付かされたときにそう思ったのですが、何にせよ面白かったことには違いない話で。
次巻はいよいよ2桁、10巻目に突入ということで益々期待のシリーズとなりそうです。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『メグとセロン(5) ラリー・ヘップバーンの罠』

『キノの旅 -the Beautiful World-』 『お茶が運ばれてくるまでに 〜A Book At Cafe〜』
などでおなじみ、時雨沢恵一 先生と 黒星紅白 先生のコンビで綴る 「第四上級学校」 を
舞台とした物語。“リリア” もちょっと顔見せする第5巻が刊行されております。

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1003.php#new3


読み終えて改めて今巻のストーリーを振り返ってみると、全体像からどう切り出して見せて
いくか、伏線の張り方と回収の仕方がとても綺麗、というか丁寧だったような気がします。
話が行き詰った時の 「そうか! ここで・・・」 と思わせてくれるところが特にそう感じました。

作中で “ラリー” が 「頭はよくないから」 と自分を卑下する場面がありますが、ここは一言
「そんなご謙遜を」と、あるいは 「ご慧眼恐れ入る」 と申し上げておくべきところでしょう。
勉学に強いだけが能力じゃない、ということで。

“メグ” と “セロン” の間柄には以前にも増して何ら進展がないところではありますが
今巻は読んでいてしっくりする、「巻末恒例・あとがきブログ超拡大版」 と合わせてとても
楽しませてもらったお話かも知れません。次巻以降も更なる期待が持てるというものです。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル