2010年02月27日

『竜と勇者(あいつ)と可愛げのない私』

所属ブランドの新作ゲーム、そして 「水戸」 の件でお忙しいのではないかと拝察する
ぎん太 先生のイラストが映える 志村一矢 先生の最新作、読ませていただいております。

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1002.php#new14


王宮魔術士としての実力はかなりのもの。しかし身分の違いが立身の道を妨げる──。
そんな世に生を受けた少女 “アンジュ” の一人称で物語は綴られていきます。旅の道連れ
となる “レックス” への気持ちなどが直接伝わってくるので感情移入しやすいと思います。

そして彼女の機微を視覚的に伝える ぎん太 先生の挿絵がイメージにぴったりなところ、
これが読みやすさをプラスする要因になっていたと思います。コントラストが強いので
見栄えが良いですし。 “アンジュ” が告悔する場面はかなりインパクトがあったかと。

彼女が 「アホタレ」 と称する旅の仲間、血を見るのがダメという騎士 “レックス” が
どういう人物なのかはお読みいただいて、ただのグータラではないことをご確認頂ければ
と思います。彼女らの旅に竜の加護があらんことを、ということで次巻刊行が楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『幕末魔法士 −Mage Revolution−』

ライトノベルでの 「チャンバラもの」 という物珍しさ、そして 椋本夏夜 先生のイラストに
興味を惹かれて手に取った 田名部宗司 先生の「第16回電撃小説大賞 大賞」受賞作
であります。

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1002.php#new1


駄洒落を上に被せてくるという点もアレですが、『幕末キノ』 を書こうとしていた
というある意味では衝撃の事実をつぶやく 時雨沢恵一 先生が相変わらずです。
『学園キノ』 ではまだやり足りませんか。(w


・・・それはさておき。明治維新を成し遂げたのが魔法士(メイジ)なら──という
田名部 先生の妄想を極限まで押し広げて上梓した本作を読ませていただいて、素直に
面白かったな、と思えたのがまず始めに言えること。

史実と妄想が混濁する世界観、魔法その他諸々のイレギュラーがありつつも話は実に
幕末維新的な雰囲気を流れを持つ作風が新鮮だったのも利点でしょうか。話の核となる
“伊織” と “冬馬” が魅力的で、そのやりとりも面白いのがまた良しとする所かと。

ちょっと字面は重く感じるかも知れませんが、個人的には次巻の刊行に期待できる内容
であったと思います。興味があればぜひご一読を、というところでしょうか。

posted by 秋野ソラ at 01:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2010年02月20日

『アクセル・ワールド(4) ―蒼空への飛翔―』

蒼山サグ 先生にステキな推薦文を提供した同期の 川原礫 先生もまた、同じ月に
『アクセル・ワールド』 の最新刊を刊行されております。
(イラスト/HIMA 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1002.php#new5


・・・やはり前巻の筆舌に尽くし難い引き具合は確信的な犯行だったワケですね・・・。


4巻を読み進めても悶々とさせられる鬱屈感はなかなか拭えない展開が続きましたが
やはり鍵となったのは “チユリ” ── 「ライム・ベル」 の存在でした。能力の見定め
も含めてよくやった、と言いたいところですが見ているこっちはヒヤヒヤものでしたよ。

それにしても、今回は “黒雪姫” 先輩を極限まで紅潮させるのみならず、着々と年上に
好意を持たれまくる 「年上キラー」 としても成長している “ハルユキ” の不屈さに
心からの賛辞を送るしかないですね。・・・こう書くとビミョ〜な表現になりますが。(^^ヾ

“能美征二” ── 「ダスク・テイカー」 との闘いの果てに思い知らされた

  “元加速能力者は、加速世界に対して何の干渉もできない”

という意味の本質を知ってもなお前へと進むことを止めない、諦めない “ハルユキ” たちの
物語を追い求めていきたいところですね、と言いつつ次巻刊行を前に4月に出るであろう
『ソードアート・オンライン』 の新刊に胸を焦がすような思いを持つ今日この頃であります。

posted by 秋野ソラ at 00:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『ロウきゅーぶ!(4)』

てぃんくる のお二人がイラストで「これでもか!」というほどに作品の世界観を支える
蒼山サグ 先生渾身のローリング・スポコメディ。満を持しての第4巻刊行です。

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1002.php#new7


オビにある 川原礫 先生の推薦文がステキすぎます。直滑降で「フルダイブ」って、
《ニューロリンカー》 で一体どんな世界にアクセスさせようとしているのかと。(w
・・・いや、「否か? 応か?」 と問われれば先生に賛同するのもやぶさかではなく。(^^ヾ


今巻では “昴” が “智花” 以外の慧心学園女子バスケ部員にひた隠しにしていた
「あの秘密」 について不測の事態から明らかとされてしまったワケですが、それを
知ってもなお 「バスケ」 をやることに喜びを見出すメンバーの想いに心打たれます。

紆余曲折はあったものの、硯谷女学園小学部女子ミニバスケットボ−ル部と互角の試合が
できたことも心躍らされる展開でありました。彼女たちの躍動感が伝わってくるかのようで。
お話の纏め方もあれで良かったと思います。次に繋がっていくための伏線のような感じが。

・・・それにしても “葵” さんは空回りしっぱなしでしたなぁ。次の機会を自重したいと
思う心境も致し方ないというか(w。あと、今巻初登場の “麻奈佳” がとても理解力の
あるキャラクターで、立ち回りも含めてイイ味出してました。ぜひ再登場願いたい所です。


#風評被害に晒されながら(笑)、蒼山 先生のHPが運営開始となっております。

# ◆さぐちきん。-蒼山サグ 個人ページ-
# 【 http://sagchicken.net/

# ◆晒すしかない
# 【 http://tukakou.exblog.jp/13703665/

posted by 秋野ソラ at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『ギブあっぷ3!』

会田孝信 先生のイラストを元に装丁を担う 渡辺宏一 氏の表紙デザインは芸術と公言
する事もやぶさかではない、と思いつつ某美少女ゲームメーカーのシナリオライターに
内定したこともあるという 上栖綴人 先生がシリーズ最新刊を上梓されております。

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1002.php#novel100204


・・・え〜っと、一応これで幕引きということでいいんでしょうか? という今巻のラスト
ですが、それにしても 「サ〜ビス、サ〜ビスぅ♪」 とばかりに乳繰り合ってますね。
「HJ文庫」だけじゃないですけど、一般向けレーベル全体でエロに寛容すぎません?(w

ひとまずそれは置いておくとして、“結槻未祐” がなおのこと助けに行かなくては、と
思い至るに足る “斗神璃亞” の過去もさることながら、突飛な事実を飄々と明らかに
しつつ “未祐” の支援に徹した “久瀬愁一” という男の生き様にも目を見張るものが。

“六堂螢” の想いも交えた四角関係な展開を想像するのも面白いと思いつつ、今巻も
楽しませていただきました、ということで感想文を書く筆をひとまず置いておくことに
致しましょう。

posted by 秋野ソラ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル