「第1回GA文庫大賞」 奨励賞を受賞された 明月千里 先生がお送りする異色の
探偵物語。チャット参加型推理ゲーム 《探偵殺人ゲーム》 を巡って静かに始まる
一騎打ちの心理戦に注目のストーリーを挿絵で支えるのは mebae 先生です。
【 http://ga.sbcr.jp/novel/tukimiduki/index.html 】
知らなくてもいいことを知ったとき、それを端緒として形成された新たな自己、
キャラクターが対称的な二人の少年少女、“都築初” と “月見月理解” の内面を
《探偵殺人ゲーム》 という推理合戦の中で描いていく過程が良かったです。
端末上のゲームと、それを模した現実世界でのゲームを同時進行していくことで
膨らみがちな話を、“理解” の突拍子もない行動の中に忍ばせた布石を回収していく
ことと合わせて1冊にまとめ上げた点も評価に値する点ではないかと思います。
最後まで話をどうもっていくのか掴めない展開に、紙をめくって読むという媒体、
文庫本ゆえの面白さを再認識させてくれた作品ではないかと。読了後の所見としては
掘り出し物と言わせていただきたい、密かにオススメの一作です。
・・・まぁ、クセはあるので相応に人は選ぶと思いますが。
2009年12月26日
『おと×まほ(9)』
白瀬修 先生、ヤス 先生でお送りする 「GA文庫」 の人気シリーズ第9巻。
新たな区切りを設けた、と公言する最初のお話は “依” を深堀りしていく
キャラクター編となっております。
【 http://ga.sbcr.jp/novel/otomaho/index.html 】
・・・あぁ、“いいんちょ” の “彼方” に対するいかがわしいイタズラに益々拍車が。(w
すえみつぢっか 先生のコミックスにあるものよりも更に進んで、想いの写し身とも言える
「オリジンキー」 を持つ魔法少女の心の隙間につけ入り、そして狙う 「ノイズ」 の出現に
新たな局面への突入を予感させる展開でした。
そんな事件の中で “依” が魔法少女をやっている理由が新キャラクターの登場と
合わせて描かれています。普段 「はぐ〜〜〜!」 とか抱きついていることにも
それなりの意味があることを確かめてみてはいかがでしょうか。
・・・などと真面目な話をしていても、ヤス 先生への挿絵指定の内容がどんどんアレな
感じでアグレッシブになっているのが気になります。最近の「GA文庫」はそういった
ところに寛容、というか推奨しているフシがありますが、何かあったのでしょうか?(w
新たな区切りを設けた、と公言する最初のお話は “依” を深堀りしていく
キャラクター編となっております。
【 http://ga.sbcr.jp/novel/otomaho/index.html 】
・・・あぁ、“いいんちょ” の “彼方” に対するいかがわしいイタズラに益々拍車が。(w
すえみつぢっか 先生のコミックスにあるものよりも更に進んで、想いの写し身とも言える
「オリジンキー」 を持つ魔法少女の心の隙間につけ入り、そして狙う 「ノイズ」 の出現に
新たな局面への突入を予感させる展開でした。
そんな事件の中で “依” が魔法少女をやっている理由が新キャラクターの登場と
合わせて描かれています。普段 「はぐ〜〜〜!」 とか抱きついていることにも
それなりの意味があることを確かめてみてはいかがでしょうか。
・・・などと真面目な話をしていても、ヤス 先生への挿絵指定の内容がどんどんアレな
感じでアグレッシブになっているのが気になります。最近の「GA文庫」はそういった
ところに寛容、というか推奨しているフシがありますが、何かあったのでしょうか?(w
『レンタル・フルムーン(2) 第二訓 良い関係は良い距離感から』
瀬那和章 先生と すまき俊悟 先生とでお送りする、やっぱり残念なキャラクターたちが
満載のファンタジック・ラブコメディー第2巻が刊行されております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0912.php#new11 】
・・・ “ツクモ” を何てあられもない姿に! すまき 先生、良い仕事されてます。(w
「観測者」がもう1人存在する、という “ラクア” にも及びのつかない事態に一瞬
緊張感が生まれますがそこはそれ。話の流れとしては相も変わらず残念な感じを
漂わせて前巻同様、楽しませてくれます。
もう一人の 「観測者」 として新たに登場した “早川鈴音” という少女の正体は、その
存在理由と共に明らかとなります。・・・これまた “新太” たちがアホらしくなるほどに
置いてきぼりな展開と合わせて。(w
“藤崎” が輪を掛けてイタいところとかも注目ですが、“ツクモ” と “新太” の関係が
多少はギクシャクしつつもゆっくりと深く繋がっていく様子を楽しんでもらえれば
良いのではないかと。
あとは今後の展開ですが、やはり “ツクモ” の母親に焦点を当てて、かの天使に
繋げていく感じになるのでしょうかね。まぁ、何はともあれ、快い脱力感を味わえる
続きが楽しみなシリーズです。
満載のファンタジック・ラブコメディー第2巻が刊行されております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0912.php#new11 】
・・・ “ツクモ” を何てあられもない姿に! すまき 先生、良い仕事されてます。(w
「観測者」がもう1人存在する、という “ラクア” にも及びのつかない事態に一瞬
緊張感が生まれますがそこはそれ。話の流れとしては相も変わらず残念な感じを
漂わせて前巻同様、楽しませてくれます。
もう一人の 「観測者」 として新たに登場した “早川鈴音” という少女の正体は、その
存在理由と共に明らかとなります。・・・これまた “新太” たちがアホらしくなるほどに
置いてきぼりな展開と合わせて。(w
“藤崎” が輪を掛けてイタいところとかも注目ですが、“ツクモ” と “新太” の関係が
多少はギクシャクしつつもゆっくりと深く繋がっていく様子を楽しんでもらえれば
良いのではないかと。
あとは今後の展開ですが、やはり “ツクモ” の母親に焦点を当てて、かの天使に
繋げていく感じになるのでしょうかね。まぁ、何はともあれ、快い脱力感を味わえる
続きが楽しみなシリーズです。
『アカイロ/ロマンス(6) 舞いて散れ、宵の枯葉』
イラスト・原案協力の 椋本夏夜 先生と共に紡がれてきた、藤原祐 先生の
伝奇ファンタジー 『アカイロ/ロマンス』 が結びの時を迎えることとなりました。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0912.php#new10 】
前巻でどうしようもないくらいのどん底へ突き落とされた “景介” と “枯葉” が
どういったアクションを起こすのか、あるいは起こさないのか、という点を気にしつつ
最後までグイグイと惹き込まれながら一気に読み倒しました。
口絵にある 椋本 先生のショートコミックであったり、本文中にある “灰原” が
綴った言葉の数々であったり、その中に深く静かに、それでいて熱量に溢れる想いの
強さに心打たれたのがまず印象的でした。
そして、愛することを知った “枯葉” の強さであったり、境遇を認めることができず
全てを捨てて、ただひたすらに彼を求めて生きてきた “木春” の弱さであったり、と
「好き」 という想いの明と暗を描かれた点も良かったのではないかと思います。
・・・『レジンキャストミルク』 みたいに番外編のような展開は今回は無いのですかね。
“朽乃” の話とかも、もう少し読んでみたい気は十二分にあるのですが。
まぁ、何はともあれ最後まで話を書ききることができた先生方に「お疲れさま」の一言と
楽しませていただいたことへの「ありがとう」の気持ちを言葉にのせて、次回作の発表を
心待ちにすることと致します。
伝奇ファンタジー 『アカイロ/ロマンス』 が結びの時を迎えることとなりました。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0912.php#new10 】
前巻でどうしようもないくらいのどん底へ突き落とされた “景介” と “枯葉” が
どういったアクションを起こすのか、あるいは起こさないのか、という点を気にしつつ
最後までグイグイと惹き込まれながら一気に読み倒しました。
口絵にある 椋本 先生のショートコミックであったり、本文中にある “灰原” が
綴った言葉の数々であったり、その中に深く静かに、それでいて熱量に溢れる想いの
強さに心打たれたのがまず印象的でした。
そして、愛することを知った “枯葉” の強さであったり、境遇を認めることができず
全てを捨てて、ただひたすらに彼を求めて生きてきた “木春” の弱さであったり、と
「好き」 という想いの明と暗を描かれた点も良かったのではないかと思います。
・・・『レジンキャストミルク』 みたいに番外編のような展開は今回は無いのですかね。
“朽乃” の話とかも、もう少し読んでみたい気は十二分にあるのですが。
まぁ、何はともあれ最後まで話を書ききることができた先生方に「お疲れさま」の一言と
楽しませていただいたことへの「ありがとう」の気持ちを言葉にのせて、次回作の発表を
心待ちにすることと致します。
『イスカリオテ(4)』
岸和田ロビン 先生、そして神学考証の権威 三輪清宗 先生の助力を迎えて綴る
三田誠 先生のアイロニック・アクション第4巻。今巻は短編2本、中編1本の構成と
なっております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0912.php#new9 】
人は何をもって神を「神」と定義するか。あるいはそれを「正義」と置き換えても
よいほどに過去、何度か触れてきた命題に今回も触れることになりましたが、そんな
1つの現実に直面した “イザヤ” “ノウェム” そして “玻璃” たちの立ち居振る舞い。
あるいは “玻璃” 自身も認知するほどになった、時に顕現し、時に彼女の意識下に
身を潜めるもう1人の “玻璃” の存在であったり、“壬生蒼馬” から投げかけられた
あの一言の意味を文字通りその身をもって知ることになる “イザヤ” の胸の内であったり。
中短編と言いつつも話の筋は繋がっている今巻の見所はそういったところかも知れません。
もちろん、“ノウェム” がエラーと認識する無意識の(主にヤキモチ的な)言動も忘れずに。
ラストの引きも気になるところですので、次巻の刊行も見逃せないところと言えるでしょう。
三田誠 先生のアイロニック・アクション第4巻。今巻は短編2本、中編1本の構成と
なっております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0912.php#new9 】
人は何をもって神を「神」と定義するか。あるいはそれを「正義」と置き換えても
よいほどに過去、何度か触れてきた命題に今回も触れることになりましたが、そんな
1つの現実に直面した “イザヤ” “ノウェム” そして “玻璃” たちの立ち居振る舞い。
あるいは “玻璃” 自身も認知するほどになった、時に顕現し、時に彼女の意識下に
身を潜めるもう1人の “玻璃” の存在であったり、“壬生蒼馬” から投げかけられた
あの一言の意味を文字通りその身をもって知ることになる “イザヤ” の胸の内であったり。
中短編と言いつつも話の筋は繋がっている今巻の見所はそういったところかも知れません。
もちろん、“ノウェム” がエラーと認識する無意識の(主にヤキモチ的な)言動も忘れずに。
ラストの引きも気になるところですので、次巻の刊行も見逃せないところと言えるでしょう。