「MF文庫J」に期待のニューフェイス登場、ということで 杉井光 先生が初めて挑む
西洋風ファンタジー『剣の女王と烙印の仔』、今ここに参上、でございます。
イラストは 夕仁 先生が担当されております。
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=21817 】
・・・いやぁ、「スター・システム」というか「オールスター・システム」搭載と
言っても良いのではないでしょうか。杉井光 先生らしい作品であることを
西洋風ファンタジーと銘打った本作の中にも感じることができました。
「三国志」に登場する “諸葛孔明” は星を視て人の定めを見極めたとも言われて
いますが、本作において《星喰らい》と称される “クリス” は周囲の人の命運を
喰らって生きるという《獣の烙印》を持つ、これまた至って朴念仁な少年です。
物語は戦場において死神とも《塩撒き》と称される、未来視、正確には自分の死を
予見する力を持つ少女 “ミネルヴァ” と “クリス” が出会い、彼女が視続けてきた
「彼が自分を殺す」という運命を彼が喰ってしまったところから始まります。
“ミネルヴァ” が死ぬという運命が捻じ曲げられたのは何故か?
それでも視える “クリス” の剣が彼女の眼と眼の間を貫く未来視の意味は?
・・・等々、様々な要素が一つに繋がったときの展開の自然さがまず素晴らしかったです。
一瞬 支倉 先生・・・・もとい “イヅナ” かと思わせるかのような “ミネルヴァ” の
ツンデレっぷりや、そんな彼女たちを手玉に取るかのような “フランチェスカ” の
やりとりなど、登場人物たちも魅力的で思わず何度も読み返してしまいました。
杉井 先生の作品を愛する者として色眼鏡が入っているかもしれませんが、それでも
この作品は王道ファンタジーとして楽しめる物語であることをオススメ致します。
・・・もちろん、夕仁 先生のイラストに惹かれて、という軽いキッカケでもいいです。
是非ご一読のほどを、と思います。
2009年05月02日
『放課後トゥーランドット』
『ぶよぶよカルテット』に続いて「音楽」に関連した みかづき紅月 先生の作品が
刊行されております。『プリンセスは誘拐中』と同じく 有子瑶一 先生のイラストとの
コンビネーションでお送りしております。
【 http://www.shop.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804062 】
・・・「美少女」と聞くとついつい某「アニメ化おめでとうございます!」な作家さんの
名前を思い浮かべてしまうのですが、まぁそれはさておき。
某 イシブミ 先生、某 しう 先生とのイロモノ対談によっていつもよりたゆんたゆんな
描写が多いというその点を存分に楽しむのもアリですが、「トゥーランドット」という
オペラについての薀蓄やそれらを絡めた青春真っ盛りのストーリー展開も楽しめます。
“姫ノ咲楼蘭” が「3つの謎を解かなければ──」、というくだりを持ち出してきた背景や
それらをどうやって紐解いていったか、については読んで頂いてのお楽しみとなりますが、
気になるのはその先。どういったお話になるのか読めないところを含めて注視しておきます。
#「2巻はポロリもある・・・・・・はず。」という みかづき 先生の発言も、ですが。(w
刊行されております。『プリンセスは誘拐中』と同じく 有子瑶一 先生のイラストとの
コンビネーションでお送りしております。
【 http://www.shop.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804062 】
・・・「美少女」と聞くとついつい某「アニメ化おめでとうございます!」な作家さんの
名前を思い浮かべてしまうのですが、まぁそれはさておき。
某 イシブミ 先生、某 しう 先生とのイロモノ対談によっていつもよりたゆんたゆんな
描写が多いというその点を存分に楽しむのもアリですが、「トゥーランドット」という
オペラについての薀蓄やそれらを絡めた青春真っ盛りのストーリー展開も楽しめます。
“姫ノ咲楼蘭” が「3つの謎を解かなければ──」、というくだりを持ち出してきた背景や
それらをどうやって紐解いていったか、については読んで頂いてのお楽しみとなりますが、
気になるのはその先。どういったお話になるのか読めないところを含めて注視しておきます。
#「2巻はポロリもある・・・・・・はず。」という みかづき 先生の発言も、ですが。(w
『れでぃ×ばと!(8)』
むにゅう 先生のイラストが強烈なインパクトを与える 上月司 先生のエロコメ(w
『れでぃ×ばと!』 の第8巻が刊行となっております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0904.php#new4 】
“秋晴” を巡って水面下で密かに始まった “朋美” と “セルニア” の一騎打ち。
“秋晴” が審査員を務める「麗美祭」ミスコンに始まり、 “朋美” の母 “美佳子” の
誘いを断ることが出来ずに雪崩れこむ 泊りがけの「彩京邸訪問ツアー」へと場が移ります。
過去何度も “セルニア” に揺さぶりを掛けてきた “朋美” が、自分でも御することの
出来なかった “秋晴” への想いをようやく確固たるものとするや否や、ミスコンの勝利を
引き合いに出しながらついに宣戦布告を果たすに至るワケで。いやぁ、長かったですねぇ。
もちろん、フラグが立っているのは “朋美” や “セルニア” だけではありませんので
互いを好敵手と認めた二人の争奪戦が三つ巴、四つ巴・・・と拡散していくであろう様子を
想像するのが楽しみとなってきました。
そんな状況とは別軸で動く “薫” と “秋晴” のサイドストーリー。今巻ではいよいよ
“薫” が「女装」をして “秋晴” とデートをする 「罰ゲームな休日の過ごし方」 が
収められています。
罰ゲームをするにあたっての二人の言動、機微の違いだけでなく、なぜ罰ゲームをする
ことになったのか、という過程も楽しめる内容でした。特に “薫” が心中で右往左往、
葛藤する様子が。
“秋晴” を「親友」認定した “薫” に去来する、その認識を根底から覆すことになる
「数週間後の出来事」 が気になるところです。次巻にも期待が持てるというもので。
猫屋敷ねこ丸 先生によるコミカライズだけでなく、今度は「ドラマCD化」という
メディアミックスを果たした今作の勢いに、引き続き注目しておきたいと思います。
『れでぃ×ばと!』 の第8巻が刊行となっております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0904.php#new4 】
“秋晴” を巡って水面下で密かに始まった “朋美” と “セルニア” の一騎打ち。
“秋晴” が審査員を務める「麗美祭」ミスコンに始まり、 “朋美” の母 “美佳子” の
誘いを断ることが出来ずに雪崩れこむ 泊りがけの「彩京邸訪問ツアー」へと場が移ります。
過去何度も “セルニア” に揺さぶりを掛けてきた “朋美” が、自分でも御することの
出来なかった “秋晴” への想いをようやく確固たるものとするや否や、ミスコンの勝利を
引き合いに出しながらついに宣戦布告を果たすに至るワケで。いやぁ、長かったですねぇ。
もちろん、フラグが立っているのは “朋美” や “セルニア” だけではありませんので
互いを好敵手と認めた二人の争奪戦が三つ巴、四つ巴・・・と拡散していくであろう様子を
想像するのが楽しみとなってきました。
そんな状況とは別軸で動く “薫” と “秋晴” のサイドストーリー。今巻ではいよいよ
“薫” が「女装」をして “秋晴” とデートをする 「罰ゲームな休日の過ごし方」 が
収められています。
罰ゲームをするにあたっての二人の言動、機微の違いだけでなく、なぜ罰ゲームをする
ことになったのか、という過程も楽しめる内容でした。特に “薫” が心中で右往左往、
葛藤する様子が。
“秋晴” を「親友」認定した “薫” に去来する、その認識を根底から覆すことになる
「数週間後の出来事」 が気になるところです。次巻にも期待が持てるというもので。
猫屋敷ねこ丸 先生によるコミカライズだけでなく、今度は「ドラマCD化」という
メディアミックスを果たした今作の勢いに、引き続き注目しておきたいと思います。
『Baby Princess(1)』
著:公野櫻子
イラスト:みぶなつき
本文イラスト:若月さな
以上敬称略、「電撃G's magazine」にて大好評連載中の 『Baby Princess』 から
満を持してのノベライズ第1巻登場です。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0904.php#new13 】
「19人姉妹」ってありえねぇだろ、とか野暮なことを言ってはいけません。
ありのままを、あるがままに感じるのがこの作品を読んで楽しむ上で大切なこと
と言えるでしょう。
天涯孤独の身となった “陽太郎” を「天使(あまつか)家」へと導いたのは
“ヒカル” ということで、彼と絡みのある描写も他の姉妹と比べて少し多めです。
突然、19人の姉妹と一緒に家族として暮らすことになった “陽太郎” の戸惑い、
ふれあい、そしていさかいが彼女たちからの視点も含めて丁寧に描かれています。
今巻ラストから “霙” “春風” “ヒカル” “蛍” “氷柱” “立夏” が籍を置く
「私立木花学園」 へ一緒に通うことになり、家にいる時とはまた違った様子を
見せてくれるのだろうと思うと次巻以降の刊行が楽しみで仕方がありません。
#とりあえず今のところ推しているのは “麗” ですが何か?(w
イラスト:みぶなつき
本文イラスト:若月さな
以上敬称略、「電撃G's magazine」にて大好評連載中の 『Baby Princess』 から
満を持してのノベライズ第1巻登場です。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0904.php#new13 】
「19人姉妹」ってありえねぇだろ、とか野暮なことを言ってはいけません。
ありのままを、あるがままに感じるのがこの作品を読んで楽しむ上で大切なこと
と言えるでしょう。
天涯孤独の身となった “陽太郎” を「天使(あまつか)家」へと導いたのは
“ヒカル” ということで、彼と絡みのある描写も他の姉妹と比べて少し多めです。
突然、19人の姉妹と一緒に家族として暮らすことになった “陽太郎” の戸惑い、
ふれあい、そしていさかいが彼女たちからの視点も含めて丁寧に描かれています。
今巻ラストから “霙” “春風” “ヒカル” “蛍” “氷柱” “立夏” が籍を置く
「私立木花学園」 へ一緒に通うことになり、家にいる時とはまた違った様子を
見せてくれるのだろうと思うと次巻以降の刊行が楽しみで仕方がありません。
#とりあえず今のところ推しているのは “麗” ですが何か?(w
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3)』
「電撃G's magazine」でのコミック連載もスタートし、益々その勢いを強めるばかりの
伏見つかさ 先生 & かんざきひろ 先生によるコンビでお送りする本作。その第3巻が
発売されております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0904.php#new3 】
今回の主要なテーマは「ケータイ小説」と「盗作」かと。
一昔前と違い、インターネットの普及のみならず、Blog の隆盛によりHTMLが何たるかを
知らなくとも、パソコン1台あれば自分の書いた文章を広大なネットの海へと流すことが
容易に実現できる世の中になりました。
更にそのハードルを引き下げたのが「携帯電話」の存在です。パソコンを購入するよりも
安価に、インタフェースに難はありますがお手軽にテキストを起こして公開するという術の
一つとして受け入れられていることは、現代人であれば身をもって体感しているハズです。
そんな中から生まれたのが「ケータイ小説」です。作中にもありますが、アマチュアの
人々がもつ独特の勢いを活かした作品がこれまでに数多く日の目を見ることになったと
思いますし、新たに「作家」という人種を増やす一助となったのは言うまでもありません。
また、作品が数多く世に送り出されることで必然的に持ち上がる「盗作」という問題。
自分に無いものを求めて、あるいは生みの苦しみに耐え切れず魔が差して起こり得る
事象が “高坂” 兄妹に降りかかったとき彼らはどうするのか、どうすべきなのか──。
『俺の妹〜』 の担当編集 三木 氏、小原 氏の助言による編集部のシーンも含めて
今回もネタに走る面白さだけではない、実にある深みのある内容であったと感じました。
間違いなく秀作です。賞賛に値すると思います、十二分に。
「人生相談、次で最後だから」
そうつぶやく妹 “桐乃” の真意は如何に。次巻も楽しませてもらえそうです。
伏見つかさ 先生のご活躍ぶりに、引き続き期待の念を寄せたいと思う次第です。
#その前に『名探偵失格な彼女』ですな。こちらも期待しておりますよ〜。
伏見つかさ 先生 & かんざきひろ 先生によるコンビでお送りする本作。その第3巻が
発売されております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0904.php#new3 】
今回の主要なテーマは「ケータイ小説」と「盗作」かと。
一昔前と違い、インターネットの普及のみならず、Blog の隆盛によりHTMLが何たるかを
知らなくとも、パソコン1台あれば自分の書いた文章を広大なネットの海へと流すことが
容易に実現できる世の中になりました。
更にそのハードルを引き下げたのが「携帯電話」の存在です。パソコンを購入するよりも
安価に、インタフェースに難はありますがお手軽にテキストを起こして公開するという術の
一つとして受け入れられていることは、現代人であれば身をもって体感しているハズです。
そんな中から生まれたのが「ケータイ小説」です。作中にもありますが、アマチュアの
人々がもつ独特の勢いを活かした作品がこれまでに数多く日の目を見ることになったと
思いますし、新たに「作家」という人種を増やす一助となったのは言うまでもありません。
また、作品が数多く世に送り出されることで必然的に持ち上がる「盗作」という問題。
自分に無いものを求めて、あるいは生みの苦しみに耐え切れず魔が差して起こり得る
事象が “高坂” 兄妹に降りかかったとき彼らはどうするのか、どうすべきなのか──。
『俺の妹〜』 の担当編集 三木 氏、小原 氏の助言による編集部のシーンも含めて
今回もネタに走る面白さだけではない、実にある深みのある内容であったと感じました。
間違いなく秀作です。賞賛に値すると思います、十二分に。
「人生相談、次で最後だから」
そうつぶやく妹 “桐乃” の真意は如何に。次巻も楽しませてもらえそうです。
伏見つかさ 先生のご活躍ぶりに、引き続き期待の念を寄せたいと思う次第です。
#その前に『名探偵失格な彼女』ですな。こちらも期待しておりますよ〜。