2009年03月28日
『さんぶんのいち。(2)』
第1巻が良い感じでしたので、芳文社「エールコミックス」より刊行の最新巻と
一緒に購入して改めて最初から読ませてもらいました。
【 http://www.comicyell.com/comics/product_info/sanbun2.html 】
“柚” を挟んで “楓” と “葵” の二等辺三角形な「トライアングラー」なのかと
思っていたら2巻でまさかの告白劇。・・・1巻で勢いに任せてとは言え自分からキスを
しにいったりとかしてたような気もしますが、意外にサラリといきましたな。
これで正三角形かと思いきや “海都” の登場で「レクタングラー」になりそうな
フラグが見え隠れ。過去のトラウマがちらついて動きに鈍化が掛かる “葵” の隙を突いて
“柚” の「スキ」という気持ちを感化することが出来るか。注目が集まります。
・・・いや、“葵” のほうに向いたらそれはそれでどうかな、と思いますけれども。まぁ、
「少女マンガ」 という位置付けだから進む可能性としてはアリと言えばアリでしょうが。
牛歩でも構わないと思います。続刊の刊行、楽しみにさせていただきます。
『ソード・ワールド2.0リプレイ 新米女神の勇者たち(4)』
「ぞんざい勇者団」の冒険は続きます。
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200809000469 】
「・・・・・・お前、五ガメルを舐めるなよ!(激マジ)」
背景が背景なだけに妙な説得力がありすぎですよ、“ムーテス”。(w
「アイヤール水神神殿」誕生に向けて新たなる敵の「ぶらり健康法」(笑)を看破
したりと活躍の続く “ジーク” 一行も「女神誘拐事件」を解決して6レベルを
超えるほどに成長を見せました。
・・・ “ソラ” の「筋力25」は素でバケモノじみてますが。(w
その解決に助力してもらった皇族候補 “ホーリエル” に対していろんな意味で
影響を与えてしまったことの責任を取るために、と受けた依頼からついに判明した
“メッシュ” 誕生秘話。
・・・知らない方が幸せだったのかも知れませんけど。(^^;
暫定特務騎士団としてアイヤールにひとまず居を構えて腰を落ち着けた「ぞんざいズ」の
あずかり知らぬところで進む陰謀がその身に降りかかる日はそう遠くは無いはず。
引き続き彼らの旅の行方を見届けたいと思います。
・・・ “ジーク” の本命は果たして誰になるのやら。(w
『アカイロ/ロマンス(3) 薄闇さやかに、箱庭の』
まつわるエピソードが影のように忍び寄つつある第3巻。今巻も楽しく読了させて
もらいました。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0903.php#new12 】
・・・『型羽ちゃん、白装束でお遣いに行く』 は意外と使えるシチュエーションでは?(ぇ
それはさておき。
口絵にある 椋本夏夜 先生のショートコミック、いつも楽しみにしております。
今回は「わくわく蔵物ランド」ということで、これまで登場してきた「蔵物」と
その所有者たる「鈴鹿の一族」との関係を一旦整理するのに役立ちました。
なかなか良い構成だったと思います。本編での表現同様、“夭” に妬く “枯葉” は
可愛らしいもので。そんな微笑ましい場面を醸し出す “夭” と共に登場した新キャラ
“血香” や “血沙”、“檻江” が示す「鈴鹿」の業、「種」としての限界。
さらに “景介” の姉 “雅” の過去を垣間見るエピソードと、その死に囚われた
少女のくびきを解き放つ “景介” 渾身の説得劇。熱量のある文章についつい
時が経つのを忘れてしまうほどでした。
「鈴鹿」の闇に、そして「あの夜」の真実に迫る続きの刊行を楽しみにしておきます。
#ここに来て更に「自爆装置」とは・・・・。こりゃまた一本取られました。(w
『デモンパラサイト・リプレイ 極道☆キラリ(2)』
監修:北沢慶
イラスト:巻田佳春
以上敬称略、でお送りする「デモンパ」リプレイ新シリーズ『極道☆キラリ』の最新刊。
桜川組の一人娘 “蕾花” が今巻も唯我独尊の限りを尽くします。(w
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200811000015 】
「・・・・・・・・・・・・いや、同じ匂いがします」
ちょっ、どこまでイロモノな設定好きなんですかっ、藤澤 先生。(w
子分か、手下か、それとも奴隷か。“佳代子” に対してあくまで自然体にSな態度を
取り続ける “蕾花”。その仕打ちの数々にとうとう “佳代子” がキレました。
古来、最高の “悪魔憑き” と謳われた 「ホーリィメイデン」 の力をもって。
・・・まぁ、展開としては至極当然でございます。むしろ「ようやく」という感じです。(^^;
対“悪魔憑き”戦闘用強化装甲服「AAS」(アーマード・アサルト・スーツ)、こちらでも
いよいよ登場してきましたが・・・・何と言うか、GMのサイコロの目が悪いという不幸に
見舞われ活躍の場を得ることなくあっさりと退場してしまいました。
・・・プレイしてもらう、という観点では如何なものかと思いますがあくまでシナリオの展開
としては十分にアリでしょうね、藤澤 GMのマスタリングですし。(w
対 “ジゼラ” 戦では女子高生の太ももにしゃぶりつく “輝” の姿を垣間見たりと
他にも面白いシーンがてんこ盛りで楽しませてもらいました。次巻では対 “佳代子” 戦が
本格化するものと思いますので、梅林組の行方共々、楽しみにしておきたいと思います。
#巻田 先生にボンテージ服姿も描かせて、もぅやりたい放題ッスね。(w
『おと×まほ(7)』
すえみつぢっか 先生によるコミックス第1巻も合わせての登場です。
【 http://ga.sbcr.jp/novel/otomaho/ 】
【 http://flex-comix.jp/comics/list/suemitsudicca/otomaho.html#1 】
「嫌よイヤよ」と思っていた肩に掛かる重み。それを失って気付いた “モエル” の
秘めた想い、憧れ、そして願い。それらに応えるべく “彼方” は「魔法少女」として、
「“モエル” の魔法少女」 として更なる進化を遂げる──。
ちょうど『レンタルマギカ 旧き都の魔法使い』(三田誠・著)で起きているような
しがらみを断ち切って “彼方” に助けられた恩を返さんと身を共にする仲間たちの
奮闘ぶりはなかなかのものでしたよ。
“せの” との対面と “モエル” を救うための戦いに挑むまでの話の繋ぎ方が
特に良かったと思います、今巻の内容は。最後も落ち着くところに落ち着きましたし。
「本当の魔法少女」として戦い続ける様子をこれからも見届けたいと思います。
すえみつぢっか 先生のコミックスも “彼方” の恥じらいぶりがよく出ていて
読みやすいと思います。線も柔らかいですし。文字を追うのが苦手な方なら
まずこちらのコミックスでめくるめく倒錯の世界(?)を味わうのも一興かと。(w
2009年03月21日
『レンタルマギカ 旧き都の魔法使い』
ノベライズなどを押さえて堂々の1位入りを果たしている 三田誠 先生、pako 先生の
人気タイトル『レンタルマギカ』の最新刊。読ませて頂きました。
【 http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=200808000146 】
まずは改めて累計200万部突破、おめでとうございます。「ハルヒ」に動きの無い
角川スニーカー文庫の中で、その牽引役として申し分ない、まさに看板タイトルの証。
一読者としても嬉しく思う次第です。
本編は “猫屋敷” の古巣、〈八葉〉 からのレンタルマギカの依頼を受け、修学旅行 兼
社員旅行というカタチで 〈アストラル〉 総出で京都遠征。“アディリシア” や “穂波” が
旅行中に “イツキ” を巡って比肩する様子は何とも微笑ましいものであります。
ですが、〈アストラル〉 を、そして “伊庭いつき” という少年に襲いかかる 〈協会〉 の要請。
同じく 「妖精眼(グラム・サイト)」 を持つ 〈螺旋なる蛇(オピオン)〉 の “フィン” が
彼らの目の前に現れた意味が、物語をいよいよ窮地の流れに畳み込んでいきます。
「今度こそ、失わないために」。必死に想いを繋げる “穂波” をも失意のどん底に
叩き落とす展開を打破する明日はやってくるのか。初夏予定の続刊が早くも
待ち遠しくて仕方がありません。
それにしても 三輪清宗 先生は「神学考証」「魔術考証」等々されていて博識ですなぁ。
それでいてゲームデザインなんてことも出来るワケで、ホントにスゴいの一言です。
『とらドラ10!』
ついに今巻で最終巻。竜と虎の生き様、しっかりと目に焼きつかせてもらいました。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0903.php#new1 】
途中、話が全然進まない巻とかあって 「『めぞん一刻』かッ!」 というくらい
やきもきさせられたこともありましたが、前巻の急転直下な話の展開からついに
“竜児” と “大河” が想いを繋ぐまでの過程は一読の価値アリ、でしょう。
思春期の情熱、若さ故の無力さ、美しき友情、家族への想い、大人のエゴ──。
他にもいろいろな、本当にいろいろな感情が、心の葛藤が渦巻く二人とその回りの
キャラクターたちの様子はとても一言では語り尽くせません。
そのあたりは是非シリーズを通して読んでご確認いただくとして、竹宮ゆゆこ 先生と
ヤス 先生には最大級の賛辞を呈しておきたいと思います。素晴らしいお話をこの世に
ご提供下さったこと、感謝の念が絶えません。
短編集が残っている、とのことでまだまだそちらでお目にかかることもあるかと
思いますが、次回作にも注目させてもらうことになると期待している次第です。
『ぱにぽに(11) 初回限定特装版』
今回も迷わず初回限定特装版を購入。本編と合わせて楽しく読ませて頂きました。
【 http://www.square-enix.com/jp/magazine/top/introduction/detail/9784757524705.html 】
すっかり天才少女という面影が感じられなくなった “ベッキー” 先生ですが、まぁ、
この肩の力がすっかりと抜けた感じがまたイイんですよね。キャラ立ても万全ですから
各人との絡みもとても自然で。感じ方は人それぞれでしょうけど、私は大好きです。
それにしてもこれだけ描いてて “ベッキー” 先生の衣装に全然「被り」がないのは
賞賛の域に達するのではないかと。いろいろと参考にするものはしまくって大変ご苦労
されているとは思いますが。(^^;
さて、勇人 先生の『はなまる幼稚園(5)』も読み終わったことですしオビにある
「師弟タッグフェア」へ申し込みをしてくることにします。ありったけの感想を載せて。
・・・それにしても “高瀬” はいろいろと拉致しすぎ。(w
『イスカリオテ(2)』
待ち望んでいた第2巻、購入して早速読ませてもらいましたよ。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0903.php#new11 】
序章から見せる、“九瀬イザヤ” を 「イザヤ兄様」 と普段から慕う “朱鷺頭玻璃” の
妖艶で奇異な言動が今巻のお話の下敷きになります。なぜそんな姿をみせるのかは
本編をお読みいただくとしまして。
ニューヨークの特別指定教区からやってきた “ラーフラ” の自身への疑念も相まって、
いつの間にか徐々に、気が付けば化けの皮が剥がれそうになるくらいの動揺を見せる
“イザヤ” ですが、新たなる 〈獣(ベスティア)〉 との戦いで決意を新たにします。
そう、第九祭器と呼ばれる “ノウェム” の想いを受け止め “九瀬勇哉” ではなく
“九瀬イザヤ” として共に 「剣」 として 「盾」 としてあらゆる事象に立ち向かっていく
ための決意を、彼は 「断罪衣(イスカリオテ)」 を起動する中で見せてくれました。
“カルロ” が諭した蝶と蛾の違い。それがまさに今の “九瀬イザヤ” そのもので
あることに繋がる終章への結びつき。とても綺麗な話の流れでした。“ノウェム” も
強情っぱりな一面を見せてくれたりとなかなか可愛らしかったです。最高でした。
三田誠 先生が全力で真正面から書いたという本作。間違いなくオススメのタイトル
として挙げられるものと、個人的には偽り無く、そう思っています。
続刊が楽しみで仕方がありません。
2009年03月14日
『ななつさ(1)』
・・・年の差7つ。
浅見百合子 先生が描く異色の恋物語。電撃コミックスからついに登場です。
【 http://astore.amazon.co.jp/dengekicomic-22/detail/4048676229 】
・・・「かわいそ萌え」って何だ。(w
7歳年下の少女にして高校のクラスの担任、そして婚約者という “七草さらら” と
突然の出会いを果たした “アキラ” が、レズな級友やホモの上級生の思惑、果ては
“さらら” の姉 “七草うるる” の誘惑をも振り切って日陰者の道を選ぶストーリー。
・・・こうして書くと何かいろいろとアレですが、保健室での嫉妬劇やレクリエーション
での応急処置、階段で転んで白濁(?)まみれになる場面だとか、思わずムラッとくる
要素が満載です・・・・って、もっとダメじゃん。(w
まぁ、法律に抵触しそうな設定以外は全編通してコメディ要素も多いのでワリと
ラブコメとして楽しく読めると思います。
それにしても、あの「帽子」の思惑は如何に。
『迷い猫オーバーラン!(3) ・・・・・・拾う?』
「スーパーダッシュ文庫」イチオシの作品が第3巻を刊行するに至っております。
【 http://dash.shueisha.co.jp/-mayoineko/#b03 】
3巻まで読んでようやく感想を書いてみようかと思うに至ったワケですが・・・、まぁ
「スパッツ vs ブルマ」 とかまたどうしようもない争いを繰り広げている “文乃” と
“千世”。二人を見て困惑する “希” の理由と背景がようやく見えたのが大きいな、と。
「何でも出来る」という点についてはまだ良く分からんところはありますが、
ひとまず「ストレイキャッツ」で家族の一員として存在していることを認識し、
吹っ切れた “希” が何とも可愛らしかったです。
・・・いや、「無口キャラ」ってのも個人的にはツボなんですよ。(ぇ
と、そんな感じでむやみにハイテンションな軽小説として気楽に読ませて頂いてます。
続きも楽しみにしておりますですよ。
『半熟てんちょ!(1)』
満を持しての店頭平積み登場です。
【 http://astore.amazon.co.jp/dengekicomic-22/detail/404867627X 】
「とら」で買ったんですけど、「あれ、メロンブックス?」とか思った人、約一名。(w
店内の描写とかモロに「メロンブックス 横浜店」を参考にされてますね。ウチも
お世話になってますから何となく分かります。・・・あんな場面に遭遇する機会は
流石にありませんが。
“逸川” が語る同人誌への熱い想いも、“華鏡院” の持論とも言えるシビアな思考も
それぞれ分かるなぁ、と感じる部分があります。ウチはオンライン専門です、というか
でしたので。
背景描写もそこそこにいきなり話が進んでいく展開のさせ方はえちぃところからの
ご出身であることが起因しているのでしょうかね。全体を通して読んでみた時に
そんなことを思ったりしました。
まぁ、成人指定くらってないだけでシチュエーションとかは十分えちぃですよね。(
『C3 -シーキューブ-(6)』
エロさとグロさを兼ね備えた物語も6巻目を迎えております。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0903.php#new4 】
今巻も表紙、口絵、挿絵、巻末・・・・ことあるごとにフェティシズム全開な
イラストの数々。さそりがため 先生、相変わらずの仕事ぶり。グッジョブです。(w
「騎士領」からの差し金 “フォーティーン” に追われる “切子” を助けんと動く
“春亮” たちと、過去に「呪われた道具たち」に関わる事件に遭遇し心に暗い影を落とす
副担任 “忌” との絡みから引き起こされる騒動の数々──。
“フォーティーン” や “切子”、“忌” が見せる外面的、もしくは内面的な
フェイクが織り成す因果、そして “フィア” たちが一層「人間」に近付くための
肉体的、精神的な成長を見せる顛末に注目です。
・・・それにしても、「デレ」要素を見せ始めた「いんちょーさん」こと “錐霞” が
可愛くてしかたないですね。おわびイラストも含めてツボを突かれまくりです。(w
『快盗天使ツインエンジェル(1)(2)』
「コンプエース」にてコミカライズ。しかも1巻、2巻同時発売で颯爽と登場です。
【 http://www.kadokawa.co.jp/comic/bk_detail.php?pcd=200811000059 】
【 http://www.kadokawa.co.jp/comic/bk_detail.php?pcd=200811000070 】
・・・最近のお子様は発育が良いよね、という話はさておき。(w
まぁ、パチスロはおろかデジパチやCR機といったパチンコすらやったことがない
身としては昨今のパチスロ萌え化は伝え聞くほどにしか知らないのですが、
往年の少女漫画を髣髴とさせるキャラクター設定、話の展開具合が見事ですね。
これは上手い付加価値の付け方だと思います。
昔、『セーラームーン』とか好きだった人なら受け入れやすいんじゃないですかね。
あのお約束の数々は。かく言う私はコミックスをリアルタイムで買って読んでた
クチですけど。(w
とりあえず「2冊でキュンキュンキャンペーン」には応募済みなワケでして、
当方としては引き続いての刊行が楽しみなコミカライズ作品だと捉えております。
#何となくですけど、“葵” のほうが好みかなぁ。(w
2009年03月07日
『さくらファミリア!(3)』
苦情殺到中(笑)と名高い 杉井光 先生& ゆでそば 先生で送る 『さくらファミリア!』
3巻目が押せ押せ、押し押しの勢いで登場です。
【 http://www.shop.ichijinsha.co.jp/book/booksearch/booksearch_detail.php?i=75804055 】
モテカワスリムなDカップモデル体型版 “るーしー” の挿絵が無いのは 杉井 先生の
嗜好によるものでしょうか? それとも編集さんの意向でしょうか?(w
ガブリエルが天界に連行されてどうなるかと思ったら、“ペトロ” はニート全開だし
“ミカエル” は姉一筋すぎだし、新しく登場した “ヨハネ” や “メタトロン”
“サンダルフォン” はどれも一癖も二癖もあるキャラクターだし。
・・・正直、「地獄変」 を読んだ時は「大丈夫か、コレ?」と思いました。(w
信用取引みたいな話が出てきたときは 『狼と香辛料』 を彷彿とさせられましたが、
その話が出てくるに至るまでの言い回しは 『ばけらの!』 を垣間見るようでしたし、
キャラが喋るテンポやノリは 『さよならピアノソナタ』 を思い起こすかのようでしたし。
・・・ある意味、杉井光 先生の作品らしさを一番色濃く受ける内容でした。
1回ここで切って様子を見てみよう、という思惑をほのかに感じる終わり方でしたが
果たして「一迅社文庫」編集部の真意は如何に。色んな意味でまだ頑張れるのならば
ぜひ続刊を希望。“祐太” が守った家族のドタバタする様子をもう少し見守りたい所です。
『ラノベ部(2)』
『ラノベ部』 の続刊がついに刊行の運びと相成りました。
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=21120 】
口絵もそうですけど、「ぴぴる──」って出し方、「MF文庫J」的にOKなんですね。(w
・・・というかそれ以外にも他社タイトルの名前がゴロゴロと出てきてますが。
「MF文庫J」にとどまらず、ライトノベルと呼ばれるもの全般にある程度精通してないと
相変わらずその意図せんとするネタやメタな流れを楽しむことが難しい作品ではあります。
あと、私小説のような内容を受け入れられるタイプの人種でないとネタが分かっても
楽しむことはできないかも知れません。それくらいストライク・ゾーンの狭い作品ですが
そのハードルさえクリアすればかなり楽しく、サクサク読めるのは間違いないです。
“龍之介” や “美咲”、“綾”、“潤” の繋がりを示す「ラノベ部はじめて物語」や
“物部” 姉妹の異常性(特に妹)が如実に現れた「妹がこんなに可愛いわけがない」、
留学生 “リア” の入部エピソードやリレー小説等々、キャラを活かしたSSが満載です。
──ライトノベルがある日常、垣間見てみませんか? ・・・なんてね。(w
『くじびき勇者さま 9番札 誰が大元帥よ!?』
シリーズ、勢いはとどまることなく9巻目に突入であります。
【 http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup0902.php#novel090202 】
“ビーズマス” 卿もしつこいですねぇ(w。帝国の大元帥という要職をも押し付けられて
奇襲攻撃を仕掛けてきた西のドラゴン帝国と一戦交えることになった “メイベル” が
そこまで憎いですか、って感じですが。
戦略立案や更なる発明に頭を巡らす “メイベル” の想いを知ってか知らずか、態度が
というか受け答えに最近変化が見られつつある “ナバル” も剣の勇者というよりは
経理の、そして飛行機乗りの達人として頭角を現していて、思わず時の流れを感じます。
ひとまず侵攻を食い止めることは出来ましたが、帝都サクラスの一時遷都、そして
大司教・副大司教の殉職と少なからず被害は受けたということで・・・・というか神儀の
結果次第では「まさか!」の流れも否定できない聖女 “メイベル” の行方はひとまず西へ。
東の大陸で成し遂げたドラゴンとの親睦と同じく、西のドラゴン帝国との和親を
掴むことが出来るのか。砲艦外交の結果を占う次巻の刊行を引き続き楽しみにして
おきたいと思います。
『アクセル・ワールド(1) ―黒雪姫の帰還―』
HIMA 先生のイラストに惹かれつつ読ませていただきました。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0902.php#new1 】
「信用できる内容です!」
という 川上稔 先生の太鼓判のとおり、これは「大賞」をとったのもムリないわ
と感じました。今後のご活躍に期待が持てる作家さんの登場を喜ばしく思います。
《ブレイン・バースト》 による「思考能力の超高速化」という設定も面白いですが、
そこから更に “ハルユキ” “チユリ” “タクム” という男2人女1人の幼なじみの
思春期を象徴する心の機微、そして “黒雪姫” の想いが絡み合う展開がまた素晴らしい。
“ハルユキ” や “黒雪姫” などの本来の容姿とそれぞれのアバターの見栄えの違いを
HIMA 先生のイラストが十二分に補ってくれています。電脳世界、という難しい素材にも
そつ無く対応されているところも流石の一言です。
次巻は今夏刊行予定、とのことですが4月にはWeb上で大人気を博したという
オリジナル小説『ソードアート・オンライン』が登場するそうですのでそちらも
期待しておきます。
『ゾアハンター(6)』
大迫純一 先生、BUNBUN 先生が描くゾアハンター “黒川丈” と新たなる知的生命体
として進化し続ける異形「ゾーン」との戦いも6巻目を迎えることになりました。
【 http://ga.sbcr.jp/novel/zoahunter/index.html 】
「敵を倒すことが『勝ち』なんじゃなくて、生きて戻ることが『勝ち』なんだ」
今まで数々の「ゾーン」と、そして分身とも言える “ゴースト” と対峙してきた
“黒川丈” の言葉の重さを、“結城音緒” という少女が、“宇崎裕隆” という青年が、
そして “ダリア” というアンドロイドが身をもって体感する──。
・・・正直、今巻のラストを読み終えたときの感覚は表現するのが難しいくらいの衝撃と
熱い想いでいっぱいでした。大迫 先生の紡ぎだした「書きたくなかった」一つの結末、
しっかりと受け止めさせてもらいました。
BUNBUN 先生のイラストがまた要所要所、ピンポイントでイイ挿絵を投入してくるので
話の流れと共にただただ感嘆しきりでした。
ここまで来てまず間違いなく秀作に位置づけて文句なしの本作もいよいよ次巻が最終回。
今巻の結末を受けて二人の “ジョウ” は何処へ辿り着くのか。最後までしかと見届ける
所存です。
#「ゾアハンターの銃プレゼント」ってまたアナタ。・・・応募するか。(w