アニメ放映は無事終了しましたが原作はまだまだ続きますよ、ということで
三田誠 先生と pako先生による異種魔術格闘物語、14冊目の刊行となります。
【 http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200710000530 】
「どうして、魔法使いが普通の幸せを手に入れちゃいけない──」
切れ長の目をねめつけるように相手を見据えつつ投げつけられた “伊庭司” の
心からの、いや、彼という存在そのものから沸き立つほどの熱く、強い想い。
これまで魔法使いという存在がいかに稀有か、いかに世俗と乖離しているかを
さんざん見せられてきた中でのこの一言は随分と印象的に映りました。
そんな彼が居た「アストラル」の黄金時代。その頃に起こったとある出来事は
“伊庭いつき” が居る現代にも無関係ではなく、むしろ必然が如く繋がっている
ということが垣間見える、充実した読了感のある内容でした。
・・・でしたが、これでますます “柏原” という男の存在が分からなくなりました。
この空白期間とも言える時間を「アストラル」で過ごした理由、もしくはそれ以外の
時期との差異はなぜ生じたのか。
いつか明かされるその時が訪れることを期待しつつ、続きを待ちたいと思います。