2008年04月23日

『レンタルマギカ ありし日の魔法使い』

アニメ放映は無事終了しましたが原作はまだまだ続きますよ、ということで

三田誠 先生と pako先生による異種魔術格闘物語、14冊目の刊行となります。

http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200710000530


  「どうして、魔法使いが普通の幸せを手に入れちゃいけない──」


切れ長の目をねめつけるように相手を見据えつつ投げつけられた “伊庭司” の

心からの、いや、彼という存在そのものから沸き立つほどの熱く、強い想い。

これまで魔法使いという存在がいかに稀有か、いかに世俗と乖離しているかを

さんざん見せられてきた中でのこの一言は随分と印象的に映りました。


そんな彼が居た「アストラル」の黄金時代。その頃に起こったとある出来事は

“伊庭いつき” が居る現代にも無関係ではなく、むしろ必然が如く繋がっている

ということが垣間見える、充実した読了感のある内容でした。

・・・でしたが、これでますます “柏原” という男の存在が分からなくなりました。

この空白期間とも言える時間を「アストラル」で過ごした理由、もしくはそれ以外の

時期との差異はなぜ生じたのか。

いつか明かされるその時が訪れることを期待しつつ、続きを待ちたいと思います。

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2008年04月22日

『AKUMAで少女〜憑かれてぽよん〜』

たぶん、HJ文庫の中でも異彩を放っていると思われる、わかつきひかる 先生 と

高階@聖人 先生によるトランスセクシャル・ストーリーの第3巻にあたります。

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/hjbunko/tachiyomi/0804/080401/_SWF_Window.html


今回はちょっと違った方法で女性化してしまった “滝沢” 少年ではありますが・・・

更に輪を掛けて美少女文庫に迫るようなエロい描写の数々。お門違いかもしれませんが

「大丈夫なの? HJ文庫編集部」 と思わずにはいられませんでしたヨ。(w

まぁ、お話の落とし所としては順当なところに落として頂いたので、読了感は

すっきりとしたものでした。やっぱりお話の中ではハッピーエンドで〆てもらう

ほうが断然良いですからね。

作中で一番不遇な扱いを受けているであろう、“ゆり絵” に引っ張り回され続ける

“デビルベア” に明日はあるのか? と軽く疑問を投げかけつつ次巻の刊行を

待つことに致します。

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2008年04月21日

『がんばれ!鉄道むすめ 奮闘編』

原案に「トミーテック」と 明科実祐 先生、執筆に 村木皓一 先生、

表紙・口絵イラストに みぶなつき 先生、本文挿絵に 宙花こより 先生 という

布陣でお送りする、メガミ文庫から刊行の『鉄道むすめ』ノベライズです。

http://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1390351700


馴染みのある駅名がたくさん出てくるので、とても親近感のある内容でした。

・・・いや、別に「鉄」の心を持ち合わせているということではなくて単に繋がりがある

というだけなんですが。


まずは「小田急電鉄」の話。・・・実はロマンスカーに載ったことが無いのです。

箱根で湯治、とか思い至らなければ多分一生ないのでは、とも思います。

先日、MSE(60000系)の試乗イベントに申し込みましたけど落ちましたし。

今でこそ慣れましたが、新宿駅構内は迷路と言われても仕方ないくらい煩雑と

していますからねぇ。子どもが迷子になるのも実際に致し方ないケースだと思います。

それをどうフォローしていくか、という心温まるお話で大変よろしかったです。


次は「上田鉄道」。これは馴染みないですね、さすがに。東急池上線の車両を

払い下げて使用している、ということですのでそこに親近感は感じるんですけど。

実際に和装制服を着用しているのだとすれば、何とも趣のある駅なのだろうなぁ

と思いますが、やはり湯治に行くようなことを思い至らなければ(以下略


最後は「東武鉄道」。幼少のみぎり、「きぬ」や「けごん」に乗って鬼怒川温泉まで

行ってみたいという淡い想いがありましたが、叶う機会も無く都度別の車両に乗って

違う目的地まで足を伸ばしていたものです。

今は新宿駅にまで「スペーシア」が来てくれますので、特急を利用する際の利便性は

さらに高まったと思いますが、いかんせんそんな温泉地にまで足を運ぶ理由も無く。(w


・・・まぁ、少し長々と綴ってしまいましたが、普段の通勤・通学が成り立つのも、

あるいは電車旅の思い出がステキなものになれるのも、駅員・車掌・運転士・・・・その他

鉄道に関わる全ての人々による努力の賜物である、ということが分かる一冊かと思います。

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2008年04月18日

『ナイトウィザード The 2nd Edition リプレイ 愛はさだめ さだめは死』

一足お先に「Ver.2.0」へと進化を遂げた「ナイトウィザード The 2nd Edition」、

そのリプレイ作品のトップバッターを務めますのは 田中天 先生とF.E.A.R.、

みかきみかこ 先生のタッグです。

http://www.enterbrain.co.jp/fb/08shinkan/08shinkan.html#_06


今回は 田中天 先生の、ここぞと言うときの出目の悪さに助けられたプレイヤー諸氏

という感じがします。それにしても、またクセのあるキャラが揃いも揃った感じで。

相変わらずの「主人公力」に加え、ストーリー展開にも影響を与えた 田中信二 先生。

とっさの勢いで「ビッグ・ザ・陳老師」というキャラを生み出した 細野君郎 さん。

エミュレイターにしか見えないサディスティックな演技を魅せた 菊池たけし 先生。

そして【魔防】+2のためにためらわず脳力を捨てる潔さを見せた 矢野俊策 先生。

どなたも猛者中の猛者で巧みな即興劇をリアルタイムで構築していく様子を、また

プレイヤーの意図を汲み取って物語を誘導していく 田中天 先生のマスタリングを

描いた、「〜2nd Edition リプレイ」として申し分ない内容になっていると思います。

「爆笑!」と「感動?」のストーリー。興味がありましたら是非お手にとって

その内容を確かめていただきたいところです。


あとがきの追記にもありますが、「D&D」の生みの親、つまりはこの世の全ての「RPG」の

生みの親とも言える ゲイリー・ガイギャックス 氏の逝去について少し触れておこうかと。

先日、mixi のニュースにもチラッと話が上がりましたが。

◆【コラム】 ゲーム「D&D」の生みの親RPGの父・ガイギャックスを偲ぶ

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=458993&media_id=29


今、こうして自分が「リプレイ」という作品を読んで楽しんでいられるのも、ひとえに

氏が「D&D」というTRPGを世に送り込んでくれたことに派生する訳で。そう考えると氏の

訃報は決して自分に繋がりがないということにもならない訳で。

ほとんど無関係に近い間接的な関係ではありますが、敬意を表し、ここに死を悼む者が

また一人居ることをはばかることなく宣言させていただく次第です。

posted by 秋野ソラ at 18:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2008年04月17日

『学校の階段(8)』

著者&編集さんを合わせたヒエラルキーの頂点に君臨する 甘福あまね 先生の

イラストでお馴染み、櫂末高彰 先生の人気シリーズ第8巻です。

http://www.enterbrain.co.jp/fb/08shinkan/08shinkan.html#_05


今回はいよいよ他校との階段レース、ということでこちらも胸に秘めるところのある

“波佐間勝一” に焦点を当てた内容になっております。・・・ここまで気負って

生きていかなければいけない高校生が現実に居たら相当なもんですが。

“神庭幸宏” との一騎打ち、特にラストの登りつめていくシーンなんかは

一文追っていくごとにテンションが上がっていく感覚が自分の中にもありました。

「とらハ3」における「神速」のイメージが懐かしくも頭の中をよぎりましたけど。

そんな “神庭” 少年にはまたいろいろとフラグが立ちまくったりしていますが

本人にはまだ恋愛感情まで辿り着く雰囲気が見えないところがなんともはや。

「Who do you choose?──」、その答えは未だ見えず。・・・筋肉にまぎれて。(w


階段レースで盛り上がっている裏で生徒会の活動が本格的にスタートしたりもして

いますが、今巻で明らかに様子のおかしかった “井筒研” が次巻のキー・マンに

なるか、それとも3年生組の卒業話がメインになるか、引き続き楽しみな作品です。

posted by 秋野ソラ at 18:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル