『神曲奏界ポリフォニカ アニバーサリー・ホワイト』

日々、「怪獣」と闘いながら執筆されていたという 高殿円 先生の「ポリ白」

最新巻にあたります、『〜アニバーサリー・ホワイト』 です。

【 http://ga.sbcr.jp/novel/p-white/index.html 】

「僕の時を刻む神曲」では、黒さに磨きを掛けつつある “プリムローズ”

お嬢様に婚約者が現れたことで本人を他所に周囲があたふたする様子が

なんとも微笑ましい内容で。

彼女が “スノウ” に対してつぶやいた「誓い」から察するに、どうも

お嬢様には誰かから「何か」を吹き込まれている感じですねぇ。

だからこその「殺意の波動」なんでしょうし。（ｗ

今巻からの位置づけとなる第２部としての注目点の一つと言えるでしょう。

「セレブレーション・ホワイト」では、タタラ家の跡目となる “ジョッシュ” に

焦点を当てた騒動が描かれていますが、今後の展開としてラブコメ要素を

高めてくれそうな新キャラの登場や、「この方はもしや？」という人物も

現れて「精霊が斬れる刀」の力を見せつけたりと色々含みがあります。

このお話ではその他にも、“ジョッシュ” の義父 “タタラ＝オキツグ” や

猪突猛進する始祖精霊 “リシュリー” の暴走っぷりにも注目です。

特にラストで “リシュリー” がキレるシーンは思わず情景が声付きで

思い浮かぶくらいに面白い場面で何度も読み返してしまいました。

苦労人 “ジョッシュ” の心中をただただ察するばかりです。（ｗ

「金平糖の恋」は “ミノティアス” が主役、という 高殿円 先生の

趣味丸出し（？）な内容になっています。とは言え「人間」と「精霊」、

違えども恋はする、という深いテーマを取り上げた叙情的なお話は

短編でも読み応えがあります。

そんなこんなで今だ続いている「月刊ポリフォニカ」状態を見守りつつ

今後とも変わらず拝読していく次第です。